「集合と位相」をなぜ学ぶのか
―数学の基礎として根づくまでの歴史

書籍の概要

この本の概要

抽象的でわかりづらいと評判のよくない因果な科目「集合と位相」。そもそもいったいなぜこんなことを学ぶの? 本書を読めば「集合と位相」に刻まれた数学者たちの創意工夫,そして数学の発展の過程がみるみる見えてきます。

こんな方におすすめ

  • 「集合と位相」の授業でつらい思いをしている学生の方
  • 現代数学に興味がある一般の方

目次

第1章 フーリエ級数と「任意の関数」

  • 1.1 フーリエの時代
  • 1.2 熱伝導方程式とフーリエ級数
  • 1.3 フーリエ級数の実例
  • 1.4 フーリエの理論の問題点

第2章 積分の再定義

  • 2.1 式としての関数: 18世紀まで
  • 2.2 ディリクレの定理
  • 2.3 リーマン積分
  • 2.4 積分可能性をめぐる混乱

第3章 実数直線と点集合

  • 3.1 点集合
  • 3.2 実数の連続性の3つの表現
  • 3.3 実数は可算でない

第4章 平面と直線は同じ大きさ?

  • 4.1 集合の用語と記号
  • 4.2 集合とその濃度
  • 4.3 数学の基礎としての集合論-デデキントの業績
  • 4.4 直線と平面は同じ大きさ

第5章 やっぱり平面と直線は違う

  • 5.1 カントールの憂慮
  • 5.2 平面の点集合, 点列の収束とε-近傍
  • 5.3 写像の連続性
  • 5.4 内部と外部と境界
  • 5.5 閉包
  • 5.6 開集合と閉集合
  • 5.7 位相同型写像と同相な点集合
  • 5.8 連結性
  • 5.9 平面と直線は同相でない
  • 5.10 位相ということば

第6章 ボレルの測度とルベーグの積分

  • 6.1 新しい解析学
  • 6.2 測度
  • 6.3 ハイネ-ボレルの定理
  • 6.4 ルベーグと測度の問題
  • 6.5 可測関数とルベーグ積分
  • 6.6 ルベーグ積分の特長
  • 6.7 測度と確率論

第7章 集合と位相はこうして数学の共通語になった

  • 7.1 ユークリッドと2000年間の難問
  • 7.2 構造の研究としての数学
  • 7.3 まとめ: 数学の共通語としての集合と位相