「集合と位相」をなぜ学ぶのか
―数学の基礎として根づくまでの歴史
―数学の基礎として根づくまでの歴史
2018年3月6日紙版発売
2018年3月6日電子版発売
藤田博司 著
A5判/224ページ
定価2,244円(本体2,040円+税10%)
ISBN 978-4-7741-9612-1
書籍の概要
この本の概要
抽象的でわかりづらいと評判のよくない因果な科目「集合と位相」。そもそもいったいなぜこんなことを学ぶの? 本書を読めば「集合と位相」に刻まれた数学者たちの創意工夫,そして数学の発展の過程がみるみる見えてきます。
こんな方におすすめ
- 「集合と位相」の授業でつらい思いをしている学生の方
- 現代数学に興味がある一般の方
目次
第1章 フーリエ級数と「任意の関数」
- 1.1 フーリエの時代
- 1.2 熱伝導方程式とフーリエ級数
- 1.3 フーリエ級数の実例
- 1.4 フーリエの理論の問題点
第2章 積分の再定義
- 2.1 式としての関数: 18世紀まで
- 2.2 ディリクレの定理
- 2.3 リーマン積分
- 2.4 積分可能性をめぐる混乱
第3章 実数直線と点集合
- 3.1 点集合
- 3.2 実数の連続性の3つの表現
- 3.3 実数は可算でない
第4章 平面と直線は同じ大きさ?
- 4.1 集合の用語と記号
- 4.2 集合とその濃度
- 4.3 数学の基礎としての集合論-デデキントの業績
- 4.4 直線と平面は同じ大きさ
第5章 やっぱり平面と直線は違う
- 5.1 カントールの憂慮
- 5.2 平面の点集合, 点列の収束とε-近傍
- 5.3 写像の連続性
- 5.4 内部と外部と境界
- 5.5 閉包
- 5.6 開集合と閉集合
- 5.7 位相同型写像と同相な点集合
- 5.8 連結性
- 5.9 平面と直線は同相でない
- 5.10 位相ということば
第6章 ボレルの測度とルベーグの積分
- 6.1 新しい解析学
- 6.2 測度
- 6.3 ハイネ-ボレルの定理
- 6.4 ルベーグと測度の問題
- 6.5 可測関数とルベーグ積分
- 6.6 ルベーグ積分の特長
- 6.7 測度と確率論
第7章 集合と位相はこうして数学の共通語になった
- 7.1 ユークリッドと2000年間の難問
- 7.2 構造の研究としての数学
- 7.3 まとめ: 数学の共通語としての集合と位相
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