量子コンピュータが本当にわかる!
―第一線開発者がやさしく明かすしくみと可能性

[表紙]量子コンピュータが本当にわかる! ―第一線開発者がやさしく明かすしくみと可能性

四六判/288ページ

定価(本体1,880円+税)

ISBN 978-4-297-11135-9

電子版

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書籍の概要

この本の概要

東京大学大学院 工学系研究科 古澤明 教授 推薦!
「新進気鋭の量子コンピュータ研究者による画期的な本。
量子コンピュータの本質がわかる」

日本における数少ない量子コンピュータの開発者自身が,かみくだいたやさしい話し言葉でそのしくみから可能性までを明かす,量子コンピュータ読本の決定版!

Googleが「量子超越性」の実証を発表するなど,量子コンピュータ周辺のニュースが世間を騒がせるようになってきました。一方で,華々しい話を強調しすぎるあまり,量子コンピュータに得体のしれないひみつ道具のようなイメージが広がり,実体をきちんと知りたい人にとって必要な情報はあまり提供されていません。

本書は現場を知り尽くした開発者が,詳しく知りたい読者に向けて,量子コンピュータもあくまで現代のコンピュータの考え方をベースに発展させたコンピュータの一種であることや,どこにどう量子の性質が使われてどういう場合に計算が速くなるのかなどを,かみくだいて解説します。また,現在実際に開発が進められている量子コンピュータについて,その種類や長所・短所,将来の展望などを述べます。量子コンピュータに興味を持たれた方の,最初の1冊としておすすめです。

こんな方におすすめ

  • 話題の量子コンピュータに興味はあるが,ニュースを聞いてもさっぱりイメージがわかない方

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量子コンピュータは未来のひみつ道具?
Googleが「量子超越性」の実証を発表するなど,量子コンピュータ周辺のニュースが世間を騒がせるようになってきました。

目次

第1章 量子コンピュータとは?

  • 量子コンピュータは未来のひみつ道具?
  • 今,量子コンピュータが熱い
  • 誤解ばかりの量子コンピュータ
  • 誤解1:量子コンピュータはあらゆる計算が速くなる?
  • 誤解2:量子コンピュータは並列計算するから速くなる?
  • 誤解3:量子コンピュータは数年後には実用化される?
  • コンピュータの仕組みと歴史
  • 現代のコンピュータの誕生と進歩
  • 量子コンピュータの必要性
  • 量子コンピュータの誕生
  • 量子コンピュータで世の中はどう変わる?
  • コラム:量子コンピュータには,ゲート型とアニーリング型の2種類ある?

第2章 量子力学の最も美しい実験から探る量子コンピュータの正体

  • 量子コンピュータと量子力学
  • 量子力学はどれくらいミクロな世界か?
  • 「2重スリットの実験」~水面を進む波の場合~
  • 「2重スリットの実験」~電子1個の場合~
  • 電子は2つの隙間を同時に通っている?
  • 重ね合わせは壁に当たった瞬間に壊れる
  • 重ね合わせ「具合」にも色々ある
  • 2重スリットの実験から理解する量子コンピュータの計算の仕組み
  • なぜ日常的な世界とミクロの世界は違うのか?

第3章 量子コンピュータの計算の仕組み

  • 現代のコンピュータと量子コンピュータ
  • 現代のコンピュータの情報処理の仕組み
  • ビットの基本的な変換=論理演算
  • 論理演算を組合せればどのような計算もできる
  • ビットと論理演算の「量子バージョン」とは?
  • 量子ビットは「重ね合わせ具合」で情報を表す
  • 量子ビットから取り出せる情報には制約がある
  • 1個の量子ビットの重ね合わせ具合を変える量子論理演算
  • 2個の量子ビットを連携させる量子論理演算
  • 量子コンピュータは波を操って答えを導く計算装置
  • 並列計算だけでは計算は速くならない
  • コラム1:通常のコンピュータと量子コンピュータの足し算回路
  • コラム2:量子コンピュータは逆向きにさかのぼれるコンピュータ

第4章 量子コンピュータはなぜ計算が速いか?

  • 量子コンピュータの速さに関する誤解
  • 現代のコンピュータが苦手な問題
  • 量子コンピュータが現代のコンピュータより「速い」とは?
  • どのような問題で量子コンピュータの計算が速くなるのか?
  • 高速化メカニズムの具体例1:グローバーの解法
  • グローバーの解法の具体的な計算手順
  • 高速化メカニズムの具体例2:ミクロな化学の計算
  • 化学計算の具体的な計算手順
  • 量子コンピュータで高速化する計算は他にも色々ある
  • コラム:量子超越性とは?

第5章 量子コンピュータの実現方法

  • 量子コンピュータをどうやって作るか?
  • 量子コンピュータを作るのはとにかく難しい
  • コンピュータにはエラー訂正が必須
  • 量子コンピュータ開発の今
  • 量子コンピュータのメジャーな方式の比較
  • 量子コンピュータ方式1:超伝導回路方式
  • 量子コンピュータ方式2:イオン方式
  • 量子コンピュータ方式3:半導体方式
  • 量子コンピュータ方式4:光方式
  • 量子コンピュータのこれから
  • コラム:実際に量子コンピュータを使ってみる

第6章 光量子コンピュータ開発現場の最前線

  • 量子コンピュータ開発の真実とは?
  • 私が光量子コンピュータの研究を始めたきっかけ
  • 光量子コンピュータの実現を可能にする新方式の量子テレポーテーション
  • ループ型光量子コンピュータ方式で大規模化を狙う
  • 実際の研究開発の現場
  • テーブルの上に作りこまれた光回路
  • 光回路を安定に制御する
  • 研究開発を行う心構え
  • 現状の光量子コンピュータはまだまだである
  • 量子コンピュータのこれから
  • コラム:光の量子が活躍する未来

著者プロフィール

武田俊太郎(たけだしゅんたろう)

1987年東京生まれ。東京大学大学院工学系研究科准教授。専門は量子光学・量子情報科学。日本における数少ない量子コンピュータの開発者。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了後,分子科学研究所での職を経て,2019年より現職。これまで光を用いた様々な量子技術の研究に関わっており,現在は独自方式の光量子コンピュータ開発に取り組んでいる。