量子コンピュータの頭の中
――計算しながら理解する量子アルゴリズムの世界

この本の概要

量子コンピュータの説明では量子力学について言及されることが少なくありません。そこではしばしば,「量子とは粒でもあり波でもある」「結果は観測するまで確定しない」など,面白くも不可解な説明がなされます。しかし,量子コンピュータもアルゴリズムにもとづいて処理を行っています。量子アルゴリズムという「計算ルール」を理解できれば,量子コンピュータの理解にも近づけるのではないでしょうか?

本書では,行列と確率を中心とした数学を用いて,量子アルゴリズムを解説します。量子コンピュータのハードやビジネス活用に関する話はしていません。また,量子力学にも触れません。そのかわり,高校数学の知識さえあれば,その延長で量子アルゴリズムを理解できるよう,たっぷり解説します。解説は本書に出てくる計算のルールからはじめるので,難しそうと感じるかたでも,ぜひ読んでみてください。また,Qiskitを用いた量子プログラミングの初歩にも触れます。量子プログラミングに興味があるプログラマのかたにも役立ちます。この本を片手に手と頭を動かしながら,量子コンピュータの「頭の中」をのぞいてみましょう。

こんな方におすすめ

  • 量子コンピュータに興味があるプログラマ
  • 量子アルゴリズムについて知りたいかた

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本書では、行列と確率を中心とした数学を用いて、一から量子アルゴリズムを解説します。

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著者プロフィール

束野仁政(つかのさとゆき)

大阪大学量子情報・量子生命研究センター特任研究員。修士(理学)。実用的な量子コンピュータを実現するため,ソフトウェアを開発している。国産量子コンピュータ初号機による量子計算クラウドサービスの研究開発に従事。量子コンピュータの面白さを多くの人に広めたいと思い,入門書・入門記事の執筆等の活動を行っている。

Twitter ID:@snuffkin

  • 1998年 埼玉大学理学部数学科卒業
  • 2000年 大阪大学大学院理学研究科数学専攻博士前期課程修了
  • 2000年 アクロクエストテクノロジー株式会社 プログラマ,システム・エンジニア
  • 2019年 東京大学先端科学技術研究センター 学術専門職員など
  • 2022年 大阪大学大学院基礎工学研究科 特任研究員
  • 同上 大阪大学量子情報・量子生命研究センター 特任研究員