ARMマイコンで電子工作 SAMファミリ活用ガイドブック
2020年4月18日紙版発売
2020年4月18日電子版発売
後閑哲也 著
B5変形判/384ページ
定価3,608円(本体3,280円+税10%)
ISBN 978-4-297-11291-2
書籍の概要
この本の概要
SAMファミリはARM Cortex M0+をコアとしたARMマイコンの1つで,Microchip Technology社が発売している32ビットマイコンです。PICマイコンの統合開発環境であるMPLAB X IDEがSAMファミリでも使えるようになり,8ビットマイコンのように手軽に開発できるようになりました。
本書では,MPLAB X IDEに組み込んで使えるフレームワーク「Harmony v3」を使って,できるだけ簡単に高機能なプログラムを作成する方法を解説しています。
Harmony v3を使えば,入出力ピンやタイマ,シリアル通信,ADコンバータなどの周辺モジュールはもちろん,USBゲスト/ホスト,ファイルシステムを使ったアプリケーションまで,GUIベースで簡単に作成できます。
掲載した作例は,各機能を試すためのトレーニングボードや,SDカードを使ったデータロガー,センサのデータをクラウドに送信するIoTセンサ,リチウムイオン電池充電マネージャ,蛍光表示管時計です。
SAMファミリを使って,高性能な32ビットマイコンを体感してみましょう!
こんな方におすすめ
- ARMコアの32ビットマイコンでなにか作ってみたい方
- 自作デバイスでSDカードやUSBホスト/ゲストを使いたい方
著者の一言
本書「はじめに」より
マイクロチップ社は2016年にアトメル社を買収したことで,SAMファミリというARMアーキテクチャの32ビットマイコンを手に入れました。これでマイクロチップ社も遂にARMアーキテクチャを手に入れたことになります。
32ビットマイコンとしては既存のPIC32ファミリと併存することになり,使い分け等多少混乱しています。開発環境もこれまでのSAMファミリ用と併存することになりました。
しかし,開発環境の整備はかなりの速さで進められ,既存のPICマイコン用の開発環境であるMPLAB X IDEという統合開発環境の中にSAMファミリも統合されました。それだけでなくCコンパイラも統合され,さらに周辺モジュール用のライブラリや多くのミドルウェアを統合したフレームワークとして「Harmony v3」も一緒にリリースされました。これらを使うとまるで8ビットマイコンと同じような手軽さで32ビットマイコンが使えるようになります。
本書では,このHarmony v3を使って,できるだけ簡単にしかも高機能なプログラムを作成する方法を解説しています。
Harmony v3を使うとマイコン内部のアーキテクチャなどの詳細を知る必要がなく,内蔵モジュールについても何ができるかさえ理解していれば使うことができます。もちろんレジスタなどは全く見る必要がなくなります。本書でもレジスタの解説はしていません。
SAMファミリの中でも最も使いやすいSAM Dファミリをベースにして,その内蔵周辺モジュールの使い方を網羅しました。さらにFATファイルシステムやUSBスタックなどのミドルウェアを使ったプログラムの作り方も解説しています。
SAMファミリはより高性能なファミリがたくさんあり,Linuxを動かせるレベルのものまで用意されています。このようなより高性能な機能を実現するための基礎として,本書が少しでも読者諸氏の役に立てば幸いです。
32ビットマイコンの演算能力や処理速度は8ビットマイコンに比べると圧倒的です。メモリも大容量ですから,これまでできないとあきらめていたことも,できるようになるかも知れません。ぜひ32ビットマイコンの高性能を読者ご自身で試してみてください。
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