Graphic voyageシリーズ“もしも”絶滅した生物が進化し続けたなら ifの地球生命史

[表紙]“もしも”絶滅した生物が進化し続けたなら ifの地球生命史

紙版発売

B5判/200ページ

定価3,520円(本体3,200円+税10%)

ISBN 978-4-297-11920-1

→学校・法人一括購入ご検討の皆様へ

書籍の概要

この本の概要

大人が楽しめる,超リアルなビジュアルブック!
今回は,地球生命史における「if(もしも)の進化」に迫ります。

古生物は,すでに絶滅しています。
しかし,もしも古生物が“何らかの理由で”絶滅を回避し,子孫を残したとしたら,いったいどのような姿へと進化を遂げるのでしょう?

古生代の,あの甲冑魚が滅びなかったとしたら。
中生代の,あの肉食恐竜が滅びなかったとしたら。
新生代の,あの哺乳類が海洋進出をしなかったとしたら。

この本では,そんな「ifの物語」を,超リアルなCGを駆使して展開してみました。

もっとも,いくら「if の世界」であるとはいえ,この本に登場する“if の古生物” は,完全な想像ではありません。
これまでの研究によって明らかになっている進化の系統,生態,他の古生物たちとの関係,周囲の環境などの情報をもとに,専門家とともに
「この系譜で進化してきた古生物が,もしも,このまま進化を遂げたら,こんな種が登場したのではないか」
と“科学的思考実験”を行っています。

「あの魚,このまま進むとこんなになっちゃうの?」
「あの恐竜,こんな環境に進出しちゃうの?」
「あの哺乳類,食べ物を変えてこんな姿になるの?」

古生物たちの進化傾向と生存戦略を,直感的につかんでもらえます。

実在の古生物とifの古生物が交錯しながら展開する奇妙な世界。
古生物のもつ「思考実験を行う楽しさ」を感じてもらえる,マニアックな1冊です。

こんな方におすすめ

  • 古生物ファンの方
  • 古生物の各系統における進化や生存戦略に関心のある方
  • 『フューチャー・イズ・ワイルド』などの架空生物が大好きな方
  • SFやファンタジー系が好きな方にとくにおすすめです。
プロフィール

土屋健(つちやけん)

著者。
オフィス ジオパレオント代表。サイエンスライター。埼玉県生まれ。
日本古生物学会会員。日本地質学会会員。
金沢大学大学院自然科学研究科で修士号を取得(専門は地質学,古生物学)。
その後,科学雑誌『Newton』の編集記者,部長代理を経て独立し,現職。地球科学,とくに古生物学に関する著作多数。愛犬たちとの散歩と昼寝が日課。
「もしも,高校時代に地学の楽しさを知らなければ」,今頃,ロボット開発に勤しんでいるはずだった(天馬博士になりたかった)。
2019年,サイエンスライターとして史上初となる日本古生物学会貢献賞を受賞。
近著に『学名で楽しむ恐竜・古生物』(イースト・プレス),『リアルサイズ古生物図鑑新生代編』(技術評論社),『化石の探偵術』(ワニブックス)など。
本書と同じように「もしも」をテーマにした書籍としては,「もしも,古生物を食べることができたなら」というコンセプトのもとに執筆した『古生物食堂』(技術評論社)などがある。

服部雅人(はっとりまさと)

イラストレーター。
「生命」をテーマとして古生物復元画を中心に描くイラストレーター。名古屋市生まれ。
幼い頃から絵を描くのが大好きで,ゴジラの絵をたくさん描いた記憶が今でも鮮明に残っている。
その後,なんとなく先生という仕事に憧れ,愛知教育大学教育学研究科芸術教育専攻で修士号を取得。
名古屋市の公立小・中学校に長年勤務した後,早期退職して現仕事に就く。
「もしも,他の動物になってみることができるとしたら」,鳥になって大空を縦横無尽に飛び回りたい(人間の今は怖くてジェットコースターにも乗れませんが……)。

藤原慎一(ふじわらしんいち)

監修(脊椎動物担当)
名古屋大学博物館・講師。千葉県生まれ,埼玉県育ち。
東京大学大学院理学系研究科で博士号を取得。
専門は機能形態学・古脊椎動物学。
その後,日本学術振興会特別研究員PD,東京大学総合研究博物館特任助教,名古屋大学博物館助教を経て,現職。
2018年,日本古生物学会学術賞を受賞。
現在生きている動物の骨の形と運動機能の関係を調べ,そこから見つけた法則を絶滅動物に当てはめることで,過去の生物の生態を復元する研究を行っている。
「もしもドラえもんのひみつ道具をひとつだけ使えるとしたら」,(タイムマシンはお腹がつかえて乗れないので)タイムふろしきで包める(ような怖くない)サイズの化石を蘇らせて自分の仮説を検証したい。

椎野勇太(しいのゆうた)

監修(無脊椎動物担当)
新潟大学理学部准教授。千葉県生まれ。
東京大学大学院理学系研究科で博士(理学)を取得。
その後,東京大学総合研究博物館特任助教を経て,現職。専門は古生物学,地質学,進化形態学。特に,腕足動物,三葉虫,放散虫などの背骨を持たない動物化石を好む。
「もしも,新潟で新潟の日本酒や食べ物に出会ってなければ」,菓子パンやカップ麺,インスタント食材ばかりを食し,カシスウーロンで晩酌する日々を送っていたかもしれない。
主な著書は『凹凸形の殻に隠された謎―腕足動物の化石探訪』(東海大学出版会)。

松田眞由美(まつだまゆみ)

監修(ラテン語担当)
東京都生まれ,千葉県育ち,埼玉県在住。
『語源が分かる恐竜学名辞典』(北隆館)の著者。
「もしも,プテラノドンが英語のように”テラノドン”と呼ばれていたら」,学名に興味をもつことはなかったかもしれない。
消えゆく言葉を大事にしたいと思う”趣味人”です。

本書のサンプル

本書の紙面イメージは次のとおりです。画像をクリックすることで拡大して確認することができます。

サンプル画像1

サンプル画像2

サンプル画像3

サンプル画像4

サンプル画像5

目次

Chapter I 古生代のif
古生代正史
ifの生物たち

  • if case 1……アノマロカリス類(ラディオドンタ類)
        
    • エスリオフルディア・マーテルマリス Esuriohurdia matrimaris
  • if case 2……ウミサソリ類
        
    • プテロバリスタ・ガジャルグ Pteroballista gadearg
  • if case 3……三葉虫綱
        
    • ヴァロプス・カラルマータ Valops cararmata
  • if case 4……板皮類
        
    • ドルシウェクシラ・カトストマ Dorsivexilla catostoma
    •   
    • トルウォトルペド・ポタミンペラトリクス Torvotorpedo potamimperatrix
  • if case 5……ディプロカウルス科
        
    • ファスマトヴァクーム・ブフォニストマ Phasmatovacuum bufonistoma
  • if case 6……腕足動物
        
    • テギュラリットニア・マグニリムラ Tegulalyttonia magnirimula
    •   
    • スピノコンカス・スマラグディヌス Spinoconchus smaragdinus
  • if case 7……エダフォサウルス科
        
    • パピリオヌンブラ・アンフィスバエナ Papilionumbra amphisbaena
  • if case 8……パレイアサウルス上科
        
    • アンブラーティトラブス・ケラトグナトゥス Ambulatitrabs ceratognathus
    •   
    • パレイアバエヌス・ギガス Pareiabaenus gigas
  • if case 9……分椎類
        
    • ヘミスファエラルカ・カラッポイデス Hemisphaerarca calappoides

Chapter II 中生代のif
中生代正史
ifの生物たち

  • if case 10……ステゴサウルス科
        
    • バベリトゥリス・ウルネラータ Babeliturris vulnerata
  • if case 11……偽鰐類
        
    • フォネオカンプスス・エラーンス Phoneochampsus errans
  • if case 12……スピノサウルス上科
        
    • シェブロケルクス・プラタニストイデス Chevrocercus platanistoides
  • if case 13……アンモノイド亜綱
        
    • トルペドケラス・ムルティラミナートゥム Torpedoceras multilaminatum
  • if case 14……テリジノサウルス上科
        
    • ノトゥロサスクワッチ・マクロプス Nothrosasquatch macropus
  • if case 15……アズダルコ上科
        
    • マレオダクティルス・ルキフェル Malleodactylus lucifer
  • if case 16……ケラトプス類
        
    • アナティリュンクス・ヘルビセクトル Anatirhynchus herbisector
  • if case 17……ティラノサウルス上科
        
    • メガピュービス・アケイルス Megapubis acheirus
  • if case 18……モササウルス上科
        
    • クラケノファグス・ネモイ Krakenophagus nemoi
    •   
    • リミナタートル・ドルミエーンス Liminatator dormiens
    •   
    • ウァスティタナタトール・ボイデス Vastitanatator boides

Chapter III 新生代のif
新生代正史
ifの生物たち

  • if case 19……ペンギンの仲間
        
    • ケルビデュプテス・ロンギコリス Cherubidyptes longicollis
  • if case 20……鰭脚類
        
    • バラエノフォカ・プリアプス Balaenophoca priapus
  • if case 21……肉歯類
        
    • サルティヒアエナ・ヘルバティカ Saltihyaena herbatica
    •   
    • ノクティクストス・スカンソル Nocticustos scansor
  • if case 22……カリコテリウム科
        
    • メリモルス・プーイーヨールム Melimorus pooheeyorum
  • if case 23……グリプトドン科
        
    • ルクタントフォルティス・ディプロハスタトゥス Luctantofortis diplohastatus
  • if case 24……イヌ科
        
    • カニス・ルプス・エクウス Canis lupus equus
  • if case 25……ネコ科
        
    • フェリス・シルヴェストリス・カピオマヌス Felis silvestris capiomanus