図解即戦力シリーズ図解即戦力
病院業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書

書籍の概要

この本の概要

社会の変容による影響は自治体病院をはじめとした地域医療の現場にも及んでおり,高齢化による社会保障費の圧迫や赤字経営となる病院の増加などの課題が多く発生しています。加えて,全国的な医師不足や高齢化社会後の医療需要の低下といった将来的懸念も生じており,医療体制は大きく変化しようとしています。

しかしながら,こうした問題を抱えてなお国家財政からの支出規模,先端技術の市場規模,労働従事者の数といった点で病院に関わる医療事業の規模は非常に大きなものであるといえます。独特な制度や慣習も多い業界ですが,本書でそのしくみと事業内容がわかります。

こんな方におすすめ

  • 病院勤務者・勤務希望者
  • 周辺事業の経営者
  • 取引・協業関係者

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目次

第1章 病院業界を取り巻く現状と医療制度改革

  • 1-1 少子高齢化という大波 2040年問題
  • 1-2 医療制度改革の背景と基本方針
  • 1-3 すべての世代に社会保障が行きわたる社会へ
  • 1-4 2040年を見据えた医療提供体制の整備をめざして
  • 1-5 後期高齢者の自己負担割合のあり方
  • 1-6 認知症高齢者支援施策の推進
  • 1-7 外来機能分化とかかりつけ医の普及
  • 1-8 新型コロナウイルス感染症拡大による社会保障の新たな課題
  • 1-9 医師の働き方改革
  • コラム 海外のコロナ対策はどう違った

第2章 病院と政策との関わり

  • 2-1 日本の医療制度の特徴
  • 2-2 病院に関わる体制の変遷
  • 2-3 医療と介護との連携
  • 2-4 認知症高齢者の増加と病院
  • 2-5 医療事故再発防止に向けて
  • 2-6 医師,看護師の不足と確保対策
  • 2-7 報酬による制御と誘導
  • 2-8 医療費の支払い方式の改革
  • 2-9 地域の医療機関が協力する
  • 2-10 予防医療への転換
  • コラム 病院と政策,日米比較

第3章 病院の仕事と組織

  • 3-1 病院とクリニックの違い
  • 3-2 他にもある病院の種類
  • 3-3 病院の組織は規模によって異なる
  • 3-4 患者との距離が最も近い看護部
  • 3-5 医療品を調剤するだけではない薬剤科
  • 3-6 適正な治療を行うために欠かせない検査科
  • 3-7 体内の様子を画像化するだけではない放射線科
  • 3-8 患者ごとにふさわしい食事の提供を行う栄養管理科
  • 3-9 社会復帰の支援を行うリハビリテーション科
  • 3-10 病院の管理部門としてなくてはならない事務部
  • 3-11 病院のマネジメントを行う事務長
  • 3-12 医療従事者の職種・資格とキャリアアップ
  • コラム 海外の病院の働き方

第4章 医療保険のしくみ

  • 4-1 保険料はどう使われる?
  • 4-2 診療報酬はどのようにして決まる?
  • 4-3 病院はどうやって診療報酬を受け取る?
  • 4-4 医療費が多かったときに使える高額療養費制度
  • 4-5 外来診療の基本料金のしくみ
  • 4-6 入院費はどのようにして決まる?
  • 4-7 健康保険が適用されない医療もある
  • 4-8 この先医療費はどうなっていく?
  • コラム 米国の医療制度

第5章 病院が抱える慢性的問題

  • 5-1 高齢化の影響を受ける病院業界の現状
  • 5-2 諸外国と比べて入院日数が多い日本
  • 5-3 地域の医療を支える公立病院
  • 5-4 地方の医師不足
  • 5-5 産婦人科医・小児科医が足りない
  • 5-6 医療従事者の労働問題
  • 5-7 増える災害,そのとき病院は?
  • コラム 病院で働きやすい環境をつくるために

第6章 病院の質はどう守られている?

  • 6-1 医療の「質」をどのように評価するか
  • 6-2 インフォームド・コンセントとセカンドオピニオン
  • 6-3 関係法令の順守を義務付けて医療の質を担保する
  • 6-4 病院機能評価による医療の質の評価
  • 6-5 医療安全の確保のために創設された「医療事故調査制度」
  • 6-6 各病院で整備が進む医療安全管理のための体制づくり
  • 6-7 医療安全管理の事例紹介
  • コラム 健康に,きれいになれるメディカルツーリズム

第7章 病院業界の経営

  • 7-1 病院業界の経営
  • 7-2 赤字に苦しむ病院
  • 7-3 未払い問題はどう解決する?
  • 7-4 経営改善のために必要なこと
  • 7-5 病院に求められる業務の効率化
  • 7-6 病院も求められるブランディング
  • 7-7 在宅医療・遠隔医療の増加
  • 7-8 医業外事業の展開
  • 7-9 健康拠点としての病院
  • コラム 日本の病院の海外進出

第8章 医療関連ビジネス

  • 8-1 病院とビジネスをするということ
  • 8-2 なくては治療ができない医療機器
  • 8-3 よく効く医薬品を患者のもとへ
  • 8-4 日々大量に消費される衛生材料
  • 8-5 治療の根拠となる臨床検査
  • 8-6 早期発見・早期治療の第一歩
  • 8-7 病院を快適な場所にする病院給食,リネンサプライ,院内清掃
  • 8-8 医事コンピュータで医療事務の効率化を
  • 8-9 不足する人材を確保する医療系人材紹介会社
  • 8-10 病院に特化した経営コンサルタント
  • 8-11 運動施設,レストランなど
  • コラム 医療周辺ビジネスのトレンド

第9章 ITで変わる病院業界

  • 9-1 電子カルテは進化する
  • 9-2 IoTで診療が変わる
  • 9-3 コロナ禍で進んだオンライン診療
  • 9-4 医療現場で活用されるVR
  • 9-5 開発が進むロボット技術
  • 9-6 ビッグデータをどう使う?
  • 9-7 期待される医療AI
  • 9-8 ITの進化と個人情報保護
  • コラム 医療用に利用できるスマートウォッチ類の普及と問題点

第10章 先進医療で未来はどう変わる

  • 10-1 先進医療とは?
  • 10-2 代表的な先進医療
  • 10-3 ゲノム編集技術を用いた治療法が開発中
  • 10-4 研究開発が進む再生医療
  • 10-5 美容外科でも期待される再生医療
  • 10-6 医療技術の進歩を支える評価療養の制度
  • コラム 人はいくつまで生きられるようになるか

著者プロフィール

三森義夫(みもりよしお)

医療・介護コンサルタントとして30 余年の間,経営改善,新規事業戦略の立案に関わり,クリニック・病院・介護施設等の経営改善を手掛ける。医療の国際化のもと,経済産業省が推進する医療ツーリズム事業に参画,日本の優れた医療システムや医療機器の世界への認知,利用拡大に貢献,海外との国際医療交流により,わが国の医療および関連産業の市場拡大を目指す。近年は中東,中国,台湾,ASEAN 諸国においてのコンサルティング活動も幅広く行っている。