[速習]ベイズの定理
——「推論」に効く数学の力

[表紙][速習]ベイズの定理 ——「推論」に効く数学の力

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電子版発売

A5判/192ページ

定価2,860円(本体2,600円+税10%)

ISBN 978-4-297-13413-6

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書籍の概要

この本の概要

実用につながる基本を学びたい方々に向けた「ベイズの定理」の入門書。

幅広い領域で,あるデータの発⽣要因や特性を探りたいという場面は頻発します。そんなとき,ベイズの定理およびその発展であるベイズ推定は,一度理解できれば応用が効く強⼒なツールです。とくに,昨今のシステム開発で重要な位置を占めるデータ分析や機械学習において,得られたデータからその背後にある原因や特性を推定したいというケースは多く,ベイズの定理は欠かせない基礎知識の一つとなっています。

本書は,ベイズ理論の重要部分を「短期間」で押さえたい方々のために,身近でシンプルな例から徐々に⼀般性を⾼めていくボトムアップのアプローチをとり,事前分布/事後分布,MAP推定をはじめ基本事項を一気に解説。基礎理論から実践の入口をつなぐコンパクトな1冊で,豊富な例を通してテンポの良く学べます。ベイズの定理の発祥地である英国(イギリス)発の入門書。

こんな方におすすめ

  • ベイズ理論の重要部分を「短期間」で押さえたい方々
  • ベイズ分析の基礎となるベイズの定理について知りたい初学者の方々
  • いまどきのデータ分析や機械学習を基礎から学習中のエンジニアや学生の方々
著者プロフィール

James V Stone, Ph.D(ジェイムス・ブイ・ストーン)

University of Sheffield(英国国立大学)Honorary Associate Professor(名誉准教授)。情報理論,ベイズ推定,統計に関する執筆多数。

監訳者プロフィール

岩沢宏和(いわさわひろかず)

1990年東京大学工学部卒業。1990-1998年,信託銀行勤務(年金アクチュアリー)。2004年から日本アクチュアリー会などで講師。おもに損害保険数理,データサイエンスを教える。早稲田大学客員教授,東京大学非常勤講師など。日本保険・年金リスク学会理事。『損害保険数理(第2版)』(日本評論社,2022,共著),『入門 Rによる予測モデリング』(東京図書,2019),『分布からはじめる確率・統計入門』(東京図書,2016),『ホイヘンスが教えてくれる確率論』(技術評論社,2016)など著書多数。

翻訳者プロフィール

西本恵太(にしもとけいた)

2012年同志社大学理工学部卒業,2014年名古屋大学大学院情報科学研究科博士前期課程修了。同年NTT入社。2018-2019年,米国Open Networking Foundationにて訪問研究員。ネットワークのソフトウェア制御,顧客行動データの分析・モデリングに関する研究開発に従事。

須藤賢(すどうまさる)

2014年名古屋大学大学院情報科学研究科博士前期課程修了。2020年英グラスゴー大学 統計学修士コース修了。ITインフラ会社を経て,現在コンサルティング会社にて顧客データ分析の業務に従事。

本書のサンプル

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目次

1章 ベイズの定理への招待

はじめに ベイズの定理について

  • 基本原則
  • 安心して使うための保証

1.1 [例1]病気の診断

  • 患者の観点
  • 医師の観点
  • 医師の観点 数式あり
  • 最良推論エンジン
  • 診断
  • ベイズの定理 仮説とデータ
  • より簡潔な記法の導入
  • パラメーターと変数
  • モデル選択,事後オッズ,ベイズ因子
  • 周辺尤度について

1.2 [例2]言葉の聞こえ方

  • 尤度
  • 事後確率
  • 事前確率
  • 推論

1.3 [例3]コイントス

  • 1回のコイントス
  • 2回のコイントス
  • コインの偏りごとの尤度
  • コインの偏りごとの事前確率
  • コインの偏りごとの事後確率

1.4 [例4]クレーターか,丘か

1.5 順確率と逆確率

1章のまとめ

2章 図解でわかるベイズの定理

2章のはじめに

2.1 確率変数

2.2 確率の法則

  • 独立事象の同時確率
  • 和の法則
  • 積の法則

2.3 同時確率とコイントス

2.4 確率を面積で捉える方法

  • 面積を用いた和の法則の表現
  • 面積を用いた事後分布の表現
  • 面積を用いた積の法則の表現
  • 面積を用いた尤度の表現
  • 面積を用いたベイズの定理の表現

2.5 ベン図によるベイズの定理の表現

  • ベイズの定理の表現

2.6 ベイズの定理と医学検査

  • 同時確率を利用した検査

2章のまとめ

3章 離散パラメーターの推定

3章のはじめに

3.1 同時確率分布

  • 同時確率分布の標本抽出

3.2 患者に関する問い

  • 各要素の名称 尤度と事後分布
  • [問い①]患者が病気θ2に感染しており,かつ症状x3が現れている同時確率p(x3, θ2)はいくらか
  • [問い②]患者に症状x3が現れている確率p(x3)はいくらか
  • 和の法則
  • [問い③]患者が病気θ2に感染している確率p(θ2)はいくらか
  • 条件付き確率
  • [問い④]患者が病気θ2に感染しているという条件の下で,症状x3が現れている条件付き確率p(x3|θ2)はいくらか
  • 尤度関数
  • 分布同士の演算
  • 尤度関数は確率分布ではない
  • [問い⑤]患者に症状x3が現れているという条件の下で,その患者が病気θ2に感染している条件付き確率p(θ2|x3)はいくらか

3.3 ベイズの定理の導出

  • 各確率値に対応するベイズの定理
  • 確率分布に対応するベイズの定理
  • 周辺尤度の計算
  • 事前分布と周辺分布

3.4 ベイズの定理を使う

3.5 ベイズの定理と同時分布

3章のまとめ

4章 連続パラメーターの推定

4章のはじめに

4.1 連続尤度関数

  • 最尤推定値の求め方
  • 「データの発生確率」とは何か
  • 確率密度関数と確率関数

4.2 二項分布の事前分布

4.3 事後分布

4.4 事前分布を設定する合理的な根拠

4.5 一様事前分布

  • MAP推定値は定数に影響されない

4.6 MAPの解析的な求め方

4.7 事後分布の更新

  • 二項分布の場合の誤差
  • 逐次推論

4.8 参照事前分布

  • ブートストラップ法

4.9 損失関数

  • 0-1損失関数
  • 二乗損失関数
  • 絶対損失関数

4章のまとめ

5章 正規分布のパラメーター推定

5章のはじめに

5.1 正規分布

5.2 母平均の推定

  • 尤度関数
  • 事後確率密度
  • 事後確率密度から最小二乗推定まで

5.3 正規分布のパラメーター推定における信頼度

  • エラーバーと平均の分布
  • 中心極限定理

5.4 パラメーター推定としての回帰

5章のまとめ

6章 ベイズの定理に対する鳥瞰図

6章のはじめに

6.1 同時正規分布

6.2 同時確率分布の鳥瞰図

6.3 ベイズの定理の鳥瞰図

6.4 同時分布の切断

6.5 統計的独立性

6章のまとめ

7章 ベイズ論争

7章のはじめに

7.1 確率の性質

  • 情報としての確率
  • 100個のボール
  • 2個のボール
  • 主観確率

7.2 ベイズ論争

7.3 ベイズの定理の歴史

まとめ

ステップアップに向けて 参考図書の紹介

Appendix

Appendix A 基本用語の整理

Appendix B 数式に登場する文字や記号

Appendix C 確率の法則

  • 独立事象の同時確率
  • 条件付き確率
  • 和の法則と周辺化
  • ベイズの定理

Appendix D 確率密度関数

  • ヒストグラム
  • 確率密度
  • ヒストグラムの面積と積分
  • 分布の平均
  • 二乗損失関数の評価

Appendix E 二項分布

  • 順列と組み合わせ
  • 二項係数
  • 二項分布

Appendix F 正規分布

Appendix G 最小二乗法

Appendix H 参照事前分布

Appendix I MATLABのサンプルコード

  • コインの偏りの推定
  • 回帰分析