高校数学からのギャップを埋める 大学数学入門
- 蔵本貴文 著
- 定価
- 2,640円(本体2,400円+税10%)
- 発売日
- 2023.8.7
- 判型
- A5
- 頁数
- 240ページ
- ISBN
- 978-4-297-13605-5 978-4-297-13606-2
サポート情報
概要
高校まで数学が得意だった人が、大学の数学になった途端に躓いてしまうことがあります。なぜ難しいと感じてしまうのか、どう取り組んでいけばよいのかを、現役のエンジニアライターが実体験をもとに解説していきます。捉え方をちょっと変えれば、意外とすんなりと先へ進むことができるかもしれません。
こんな方にオススメ
- 大学の数学の授業についていくことができない人
- 専門ではないけれども数学をやらないといけない人
- 数学が何の役に立つのか知りたい人
- 工学系で数学を使う人
- 数学の応用を知りたい人…など
目次
第1章 なぜ大学数学は難しいのか
- 大学の数学が難しい理由
- 高校の数学と大学の数学の違い
- 役に立つ数学とは?
- 数学の3つの性質
- 数学界の絶対的なルール「0で割ってはいけない」
- ε-δ論法がなぜ必要なのか?
- 無限なんて現実には存在しない
- 大学数学を学ぶ時の心構え
第2章 高校数学の学びなおし
- f(x)とは何か?(関数)
- 関数とは
- 逆関数、合成関数、陰関数
- f(x)がわかると因数定理が理解できる
- 大きい数/小さい数を扱う(指数・対数)
- 数学は拡張の学問
- 対数グラフの使い方
- 指数や対数を使った単位
- 有効数字を意識する
- 実は三角でなくて、波を表す関数(三角関数)
- 数学は拡張の学問
- 三角関数を波と考えると視点が変わる
- 「i2=-1」を忘れた後に残るもの(複素数)
- 虚数とは次元の違う数
- 複素数で平面を表せる
- なぜ、わざわざ複素数で平面を表すのか?
- さらなる次元の拡張
- 微分=傾きの概念をしっかりと(微分)
- 導関数は傾きの関数
- 微分の定義の意味を理解しておく
- dy/dxは分数ではないが、分数のように扱える
- 積分=面積の概念をしっかりと(積分)
- 積分で面積を求める仕組み
- 原始関数とは面積の関数
- 体積や曲線の長さの計算も重要
- 置換積分を根本的に理解する
- スカラーより便利なことに気づいて欲しい(ベクトル)
- 2次元と3次元を別々に考えない
- 一次独立を拡張してみる
- 直交するとは何か?
- 「同様に確からしい」の本質(確率)
- 数学的確率と統計的確率
- 何が独立なのか?
- 条件付き確率は母集団が変わっている
第3章 大学数学の学び方
- 本格的な大学数学に進む前に
- 広義積分とは
- 関数を展開する方法
- 3次元の極座標
- 行列を変換と考える(線形代数)
- 行列はベクトルの演算を行うもの
- 行列のかけ算はなぜ複雑なのか?
- 行列のわり算、逆行列と行列式
- 連立方程式を行列で解く
- 行列を対角化するために
- ∂とdは何が違うのか? (多変数関数)
- 偏微分と全微分
- 重積分で体積を求める
- 線でも面でも積分できる
- ラグランジュの未定乗数法の意味
- ネイピア数の大事さがわかる(微分方程式)
- 微分方程式とは何か?
- 微分方程式と線形性
- 微分方程式の数値解を得るオイラー法
- 微分系ではなく積分系で考えよう(ベクトル解析)
- ベクトル関数とは何か?
- ベクトルの微分の意味は?
- ベクトルの勾配・発散・回転
- 実は実関数の積分で活躍する(複素関数論)
- 複素数に拡張された関数の世界
- 複素関数の微分とは
- 複素関数の積分は留数定理がゴール
- フーリエ級数とフーリエ変換
- 現実世界の数字を理解する(数値解析)
- マクローリン展開を使って関数を近似する
- ニュートン・ラフソン法で方程式を解く
- 数値微分と数値積分
- 統計学は標準偏差が8割
- 標準偏差σとは何を表す量か?
- 正規分布はなぜ重要なのか?
- INDEX(さくいん)
プロフィール
蔵本貴文
香川県丸亀市出身、1978年1月生まれ。関西学院大学理学部物理学科を卒業後、先端物理の実践と勉強の場を求め、大手半導体企業に就職。現在は微積分や三角関数、複素数などを駆使して、半導体素子の特性を数式で表現するモデリングという業務を専門に行っている。
さらに複業として、現役エンジニアのライター、エンジニアライターとしての一面も持つ。サイエンス・テクノロジーを中心とした書籍の執筆(自著)、ビジネス書や実用書のブックライティング(書籍の執筆協力)、電子書籍の編集・プロデュースなど、書籍のライティング中心に活動している。
著書に『数学大百科事典 仕事で使う公式・定理・ルール127』(翔泳社)、『解析学図鑑 ―微分・積分から微分方程式・数値解析まで―』(オーム社)、『「半導体」のことが一冊でまるごとわかる』(共著、ベレ出版)、『意味と構造がわかる はじめての微分積分』(ベレ出版)、『学校では教えてくれない!これ1冊で高校数学のホントの使い方がわかる本』(秀和システム)がある。