WEB+DB PRESS plusシリーズ良いFAQの育て方
――サイト作成・改善・効果測定で成果をあげる運営手法
――サイト作成・
2023年11月11日紙版発売
2023年11月11日電子版発売
樋口恵一郎 著
A5判/256ページ
定価3,278円(本体2,980円+税10%)
ISBN 978-4-297-13859-2
書籍の概要
この本の概要
本書では,FAQの運営ノウハウを解説します。前著『良いFAQの書き方』では,FAQコンテンツの質を高める書き方にフォーカスしました。しかし,FAQコンテンツはリリースしたら終わりではありません。変化するユーザーのニーズをとらえ,改善し効果を測定し続ける必要があります。本書では,筆者のFAQ運営ノウハウを理論的・具体的にまとめます。
こんな方におすすめ
- FAQ運営に携わっているオペレーター,スーパーバイザー,マネージャー,エンジニア,ライター
本書のサンプル
本書の一部ページを,PDFで確認することができます。
- サンプルPDFファイル(2,053KB)
本書の紙面イメージは次のとおりです。画像をクリックすることで拡大して確認することができます。
目次
- はじめに
- 謝辞
- 本書の読み方
- FAQの表記
- 用語説明
第1章:カスタマーサポートとFAQ運営の目的
1-1 カスタマーサポートの課題
- 問い合わせの数を軽減したい
- テキストによる応対の量を低減したい
- 応対時間を短縮したい
- 顧客満足度を上げたい
- ユーザーの声を企業のサービスに反映したい
- システムの費用対効果を高くしたい
- 人手不足を解消したい
- カスタマーサポートそのものの業務効率を改善したい
1-2 良いFAQ運営とその数値的効果
- 問題を解決できるユーザーが増える
- コールセンターへの問い合わせ量が軽減される
- コールセンターコストが軽減される
- コールセンターの応答率が高くなる
- 電話の応対時間が短縮される
- メールやチャットの応対時間が短縮される
- カスタマーサポートの顧客満足に貢献できる
- システム導入の費用対効果を高める
- コールセンターの応対品質が上がる
- 売り上げが伸びる
- マーケティングリサーチコストが削減できる
- カスタマーサポート従事者の就業率を改善できる
1-3 企業経営のなかのFAQ運営
- FAQ運営に関わるコスト
- FAQ運営で軽減が期待できるカスタマーサポートのコスト
- 軽減が期待できる具体的なコストの計算
- FAQ運営で期待できる売り上げ
- コールセンターでの営業機会損失を減らし売り上げに貢献
- サブスクの継続はカスタマーサポートの営業ミッション
1-4 CRMとFAQ運営
- カスタマーサポートにおけるCRM
- カスタマーサポートで得られるVOC
- コンタクトリーズン分析と正しいFAQ運営
1-5 FAQ運営が企業の顧客への意識を表す
- FAQサイトをコールセンターと同程度の問題解決レベルにする
- FAQでの応対品質はコールセンターよりも改善しやすい
- 誤ったFAQ運営と正しいFAQ運営
- [Column]よくいただくご質問とその回答
第2章:FAQ運営の準備
2-1 FAQ専任者を任命する
- FAQ専任者の任務と必要性
- FAQ運営責任者
- FAQライター
- FAQ分析責任者
- FAQ運営者ではないメンバーと情報連携するための取り決め
2-2 FAQサイトの前提を決める
- FAQサイトのターゲットユーザーを決める
- FAQリリース時のテーマを決める
2-3 FAQ運営の目標を決定する
- 状況と目標の可視化(数値化)
- 数値の単純カウントとユニークカウント
- 単純カウント
- ユニークカウント
- 基本的なKPIと計算式
- FAQサイトの閲覧数・閲覧率
- FAQごとの閲覧数と順位,閲覧率
- 回答到達率
- 問題(回答)解決率の目安と精緻な値
- 検索キーワードとそれらの入力数
- ゼロ件ヒットワードと入力数
- カテゴリごとのクリック数
- KPIの目標値
- KPIを取得する方法
2-4 FAQリリースのスケジュールを決める
- FAQ運営のフェーズ
- ブロッキングイシューとクリティカルパスを意識する
- ブロッキングイシューの例
- クリティカルパスの例
- スケジューリング
- 構築フェーズ
- 推進フェーズ
2-5 ガイドラインを準備する
2-6 FAQサイトとその環境を決定する
- FAQ検索システムを導入するかの検討
- FAQの数で検討する
- FAQ検索システムの機能で導入を検討する
- 予算で導入を検討する
- FAQ検索システムについての基本知識
- FAQ検索システムの提供環境とプラットフォーム
- FAQ検索システムのセキュリティ
- FAQ検索システムの動作速度・許容量
2-7 FAQ検索システムの機能を知っておく
- FAQ検索システムのユーザー向けの機能
- FAQをテキストで検索するワード検索機能
- FAQの同義語検索とメタタグ検索
- カテゴライズとカテゴリ
- FAQの表示と閲覧
- FAQの書式や装飾
- FAQ運営者向けの機能
- FAQの編集・管理
- FAQの検索補助テキストデータの編集・管理
- FAQの利用状況分析
- FAQ検索システムの調整
- AI機能
- ベンダーのサポート
- FAQサイトのデザインと導線
- FAQサイトのビジュアルデザイン
- FAQサイトへの導線
2-8 FAQ運営で目標を達成するための準備
- 目標値のあるロジカルなFAQ運営
- ユーザー本位でFAQ運営準備を行う
- どこに時間を割くべきか
- [Column]よくいただくご質問とその回答
第3章:FAQ運営開始からFAQサイトリリースまでの流れ
3-1 VOCログのコンタクトリーズン分析
- FAQサイトが外部向けの場合に利用するFAQの元データ
- FAQサイトが内部向けの場合に利用するFAQの元データ
- コンタクトリーズン分析で欲しいデータ
- コンタクトリーズン分析からFAQをピックアップする
- マニュアルや商品説明書からのFAQ元データ
3-2 FAQ(質問文と回答文)の制作
- FAQの作文の順番
- 良質なFAQの書き方
- 探しやすいこと(見つけやすいこと)
- わかりやすいこと
- 誤解の余地がないこと
- FAQ検索システムを活用できること
- 最後まで読めること
- 分析やメンテナンスがしやすいこと
3-3 良質なFAQを作文するコツとサンプル
- FAQの言葉遣いはユーザーの視点で
- 企業視点から顧客視点の言葉遣いにする
- 専門家視点からアマチュア視点の言葉遣いにする
- 感覚的視点からロジカルな視点にする
- ユーザーが速やかに選べる書き方
- 一問一答にする
- Qは質問文にする
- 一意に書く
- Aの説明内で場合分けをしない
- Aは箇条書きにする
- Aの情報は必要最小限にする
- イラスト,動画,表は必須の場合に限る
- FAQの検索性を良くする
- 分析性を良くする
3-4 FAQの完全性
3-5 FAQ検索補助テキストの制作
- 同義語辞書を準備する
- メタタグを準備する
- 検索補助テキストの完全性
3-6 FAQのカテゴライズとカテゴリ制作
- カテゴリの数と階層
- カテゴリ名の付け方
- カテゴライズの完全性
3-7 FAQサイトの設置
- FAQサイトの構成
- FAQ検索システムの設定
3-8 FAQコンテンツの搭載とレビュー
- FAQサイトの見ためのレビュー
- ユーザビリティのレビューはWebデザイナーも巻き込む
- ユーザビリティを下げる可能性がある些細な点
- FAQのワード検索のレビュー
- カテゴリ絞り込みのレビュー
- ログや分析値のレビュー
- 編集やメンテナンスのレビュー
- FAQサイトの見た目の微調整レビュー
- バックアップ・リストアのレビュー
3-9 FAQ運営のガイドライン制作
- FAQ運営者と各役割
- FAQ運営の目的と目標
- FAQの作文のルール
- Qの書き方のルール
- Aの書き方のルール
- FAQのカテゴライズのルール
- FAQ利用分析とFAQコンテンツのメンテナンスルール
- 定常業務
- 分析とメンテナンスのルール
- 用語・同義語
- ガイドラインの世代管理,更新のルール
3-10 FAQサイトリリース
- 一般公開用FAQサイトの告知と導線
- 内部用FAQサイトの告知と導線
- トレーニング
- [Column]よくいただくご質問とその回答
第4章:具体的なFAQ分析とメンテナンスの実践
4-1 FAQコンテンツの利用分析とメンテナンスの大前提
- FAQコンテンツを管理する
- ログ(分析元データ)を管理する
- 分析値,KPIを記録し遷移を観察する
- カスタマーサポートコストを計算し観察する
- メンテナンス方針と実践
- FAQ運営に対する周辺の協力と確認
- 分析とメンテナンスを継続する
4-2 分析値(KPI)と判定のしかた
- 分析値の取得方法
- いろいろな分析値と判断
- FAQサイトのPV数による判断とメンテナンス
- FAQ閲覧数による判断
- 回答到達率による判断
- FAQサイトで見る問題解決率による判断
- コールセンターと協力した問題解決率による判断
- Google アナリティクスによる直帰率,離脱率,滞在時間の判定
- ユーザー入力値と判断
- テキスト入力の判定
- ゼロ件ヒットとなった回数による判断
- 選択されたカテゴリによるユーザーニーズの判定
- 商品名,サービス名に対する認知度の把握
4-3 FAQコンテンツのメンテナンス
- FAQの閲覧数を伸ばし回答到達率を上げる
- 一意なFAQにしてユーザーを迷わせない
- FAQを具体的にしてユーザーが確信を持てるようにする
- FAQの見つかる率を伸ばすゼロ件ヒット対応
- 形態素解析の調整によってFAQをさらに見つけやすくする
- 視認性の見直しと更新によってユーザーの見つけやすさを助ける
- 文字数の調整によってユーザーが見つけるまでの時間をさらに短縮する
- FAQに商品名・サービス名を使う場合の文
4-4 問題解決率の判断とAのメンテナンス
- 「役に立たなかった」と反応されたFAQの改善
- Aを熟読して問題点を見いだす
- そもそもAの文の質が低くないかを確認する
- 平均滞在時間の判断とメンテナンス
- Aの短文化によって問題解決率を上げる
4-5 カテゴリのメンテナンス
- カテゴリの評価
- カテゴリを推敲するための準備と環境
4-6 分析とメンテナンスで最も大切な心構え
- コンタクトリーズン分析の定期的な実施とFAQメンテナンス
- 利用分析を正確にするにはコンテンツ(文)が大切
- 早めの判断とメンテナンス,FAQサイトへの反映
- 分析,メンテナンスを継続し,FAQを絶対に放置しない
- [Column]よくいただくご質問とその回答
第5章:FAQ運営の成果を確実にしていく方法
5-1 専門性の高いFAQ運営
- FAQ専任者の必要性
- FAQライターのスキル
- カスタマーサポートの属人化の回避
- FAQ専任者が兼任せざるを得ない場合
5-2 コンタクトリーズン分析は企業としての最重要課題
- 現状のACWとコンタクトリーズン分析の問題
- ACWとコンタクトリーズン分析の解決策
- FAQからのコンタクトリーズン分析で合理的な運営を行う
- コンタクトリーズンの単位(粒度)と分析の精度
- コンタクトリーズン分析で見られる偏りを利用する
- パレート現象を使うとより多くのユーザーに歓迎される
- 56%のユーザーの問題を完全に解決することを最初の目的にしよう
5-3 FAQサイトはスモールスタートで公開したほうが早く効果が出せる
- 一つのテーマを決めFAQサイトに明示する
- テーマを絞ることで運営者にとってもFAQの質を高めやすくなる
- スモールスタートからFAQを増やす方法
- 同じテーマでFAQを増やす
- 別のテーマを増やす
5-4 FAQサイトからFAQを削除する
- FAQの掲載数をコントロールする理由
- パレート現象のロジックでFAQを削除する
- 終了が近いサービスのFAQは削除する
5-5 良質なFAQを準備する
- FAQは推敲を惜しまないが完璧は目指さない
- FAQはビジネス文ではない
- FAQの目的は全網羅ではない
- FAQの分析とメンテナンスが面倒な原因を解消する
- 社内承認をスピーディーにする
5-6 FAQサイトのインタラクティブ性
- インタラクティブ性の利用
- FAQサイトはSNS
- FAQサイトのリピーターを意識する
5-7 経営者が理解したほうがよいFAQの価値
- FAQは公文書
- カスタマーサポートの営利視点での可視化
- FAQによるユーザーリサーチの価値を重視する
- インターネット上での企業経営とFAQの親和性
- FAQ運営でのシステムとの付き合い方
- FAQサイトをカスタマーサポートのメインに
- コールセンターへの好感と信頼感を上げる
- [Column]よくいただくご質問とその回答
- おわりに
- 索引
- 著者紹介
- FAQの数で検討する
- FAQ検索システムの機能で導入を検討する
- 予算で導入を検討する
- FAQ検索システムの提供環境とプラットフォーム
- FAQ検索システムのセキュリティ
- FAQ検索システムの動作速度・許容量
- FAQをテキストで検索するワード検索機能
- FAQの同義語検索とメタタグ検索
- カテゴライズとカテゴリ
- FAQの表示と閲覧
- FAQの書式や装飾
- FAQの編集・管理
- FAQの検索補助テキストデータの編集・管理
- FAQの利用状況分析
- FAQ検索システムの調整
- AI機能
- ベンダーのサポート
- FAQサイトのビジュアルデザイン
- FAQサイトへの導線
- [Column]よくいただくご質問とその回答
- 探しやすいこと(見つけやすいこと)
- わかりやすいこと
- 誤解の余地がないこと
- FAQ検索システムを活用できること
- 最後まで読めること
- 分析やメンテナンスがしやすいこと
- 企業視点から顧客視点の言葉遣いにする
- 専門家視点からアマチュア視点の言葉遣いにする
- 感覚的視点からロジカルな視点にする
- ユーザビリティのレビューはWebデザイナーも巻き込む
- ユーザビリティを下げる可能性がある些細な点
- Qの書き方のルール
- Aの書き方のルール
- 定常業務
- 分析とメンテナンスのルール
- [Column]よくいただくご質問とその回答
- FAQサイトのPV数による判断とメンテナンス
- FAQ閲覧数による判断
- 回答到達率による判断
- FAQサイトで見る問題解決率による判断
- コールセンターと協力した問題解決率による判断
- Google アナリティクスによる直帰率,離脱率,滞在時間の判定
- テキスト入力の判定
- ゼロ件ヒットとなった回数による判断
- 選択されたカテゴリによるユーザーニーズの判定
- 商品名,サービス名に対する認知度の把握
- 一意なFAQにしてユーザーを迷わせない
- FAQを具体的にしてユーザーが確信を持てるようにする
- FAQの見つかる率を伸ばすゼロ件ヒット対応
- 形態素解析の調整によってFAQをさらに見つけやすくする
- 視認性の見直しと更新によってユーザーの見つけやすさを助ける
- 文字数の調整によってユーザーが見つけるまでの時間をさらに短縮する
- FAQに商品名・サービス名を使う場合の文
- Aを熟読して問題点を見いだす
- そもそもAの文の質が低くないかを確認する
- [Column]よくいただくご質問とその回答
- 同じテーマでFAQを増やす
- 別のテーマを増やす
- [Column]よくいただくご質問とその回答
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