2024年8月30日
株式会社ビープラウド 監修,altnight,石上晋,delhi09,鈴木たかのり,斎藤努 著
Python
この記事を読むのに必要な時間:およそ 1 分
『現場のPython』を手に取っていただき,ありがとうございます。私たちビープラウドは2008年からPythonを使用して開発してきました。そして,実際のプロジェクトの開発をしているうちに,現場で培ったノウハウや実践的な知識が増えてきました。今回,私たちはそれらを共有するために本書を執筆しました。
本書は雑誌『WEB+DB PRESS』に連載していた「現場のPython」の記事をまとめ,2024年4月時点での最新バージョンに更新し,一部加筆した内容となっています。
本書の対象読者
本書の対象読者は次のような方です。
- 脱初心者を目指す方
- Pythonの入門を終えた中級者の方
- すでに趣味の開発ではPythonを使っており,実務レベルにステップアップしたい方
- Pythonがソフトウェア開発の業務にどのように使えるのかを知りたい方
- 経験2,3年目で基本的なコードを書けるようになっているが,その先に進む方法がわからない方
- エキスパートな内容は難しいと感じるが,入門よりは難しい内容を知りたい方
本書の構成と読み方
本書は3部構成となっており,各部や各章が独立した内容になっているため,気になる箇所から自由に読み進められます。また,実務で必要になったときや迷ったときに,つまみ食いのような形での活用もできます。
第1部 基礎編
第1部では,Python開発の基礎を固めるための情報をお伝えします。最新のPython環境構築から始まり,型ヒントとmypyによるコード品質の向上,pytestを使ったテストの書き方,structlogを使った効率的な構造化ログの出力方法,そしてリリース管理の方法までをカバーします。
第2部 Webシステム開発編
第2部では,実際のWebアプリケーション開発で必要となるスキルを身に付けることができます。Webシステム開発に焦点を当て,アプリケーションの品質向上のための技術,DjangoやFastAPIを用いたAPI開発,GraphQLの基礎,そしてDjango ORMの速度改善やトラブルシューティングについて詳しく解説します。
第3部 機械学習・データ分析編
第3部では,機械学習とデータ分析に関連する技術を取り上げます。データ分析プログラムの品質改善,データ分析レポートの作成,pandasを使った処理の高速化,日本語の形態素解析のためのJanomeとSudachiPyの利用方法,データ分析のためのテスト入門,そして数理最適化について学びます。
ビープラウドについて
ビープラウドは,主にWebシステムの開発や運営を行っている企業です。受託開発の割合が大きいですが,IT勉強会支援プラットフォームのconnpassやオンラインPython学習サイトのPyQ,システム開発者向けドキュメントサービスのTraceryといった,自社サービスの運用も手掛けています。また,開発者が多く在籍し,日々コードの読み書きを行っています。私たちが手がけるWebシステムには,大量のトラフィックをさばく必要があるコンシューマ向けのものや,ビジネス向けの業務システムなどもあります。ほかにも,データ分析や数理最適化といった分野もカバーしています。
本書がみなさんのPythonスキルの向上に貢献し,より良い開発ができることを心より願っています。それでは,現場のPythonの世界へ,ようこそ。(「はじめに」より)