現場のPython ──Webシステム開発から、機械学習・データ分析まで

著者の一言

この記事を読むのに必要な時間:およそ 1 分

『現場のPython』を手に取っていただき,ありがとうございます。私たちビープラウドは2008年からPythonを使用して開発してきました。そして,実際のプロジェクトの開発をしているうちに,現場で培ったノウハウや実践的な知識が増えてきました。今回,私たちはそれらを共有するために本書を執筆しました。

本書は雑誌『WEB+DB PRESS』に連載していた「現場のPython」の記事をまとめ,2024年4月時点での最新バージョンに更新し,一部加筆した内容となっています。

本書の対象読者

本書の対象読者は次のような方です。

  • 脱初心者を目指す方
  • Pythonの入門を終えた中級者の方
  • すでに趣味の開発ではPythonを使っており,実務レベルにステップアップしたい方
  • Pythonがソフトウェア開発の業務にどのように使えるのかを知りたい方
  • 経験2,3年目で基本的なコードを書けるようになっているが,その先に進む方法がわからない方
  • エキスパートな内容は難しいと感じるが,入門よりは難しい内容を知りたい方

本書の構成と読み方

本書は3部構成となっており,各部や各章が独立した内容になっているため,気になる箇所から自由に読み進められます。また,実務で必要になったときや迷ったときに,つまみ食いのような形での活用もできます。

第1部 基礎編

第1部では,Python開発の基礎を固めるための情報をお伝えします。最新のPython環境構築から始まり,型ヒントとmypyによるコード品質の向上,pytestを使ったテストの書き方,structlogを使った効率的な構造化ログの出力方法,そしてリリース管理の方法までをカバーします。

第2部 Webシステム開発編

第2部では,実際のWebアプリケーション開発で必要となるスキルを身に付けることができます。Webシステム開発に焦点を当て,アプリケーションの品質向上のための技術,DjangoやFastAPIを用いたAPI開発,GraphQLの基礎,そしてDjango ORMの速度改善やトラブルシューティングについて詳しく解説します。

第3部 機械学習・データ分析編

第3部では,機械学習とデータ分析に関連する技術を取り上げます。データ分析プログラムの品質改善,データ分析レポートの作成,pandasを使った処理の高速化,日本語の形態素解析のためのJanomeとSudachiPyの利用方法,データ分析のためのテスト入門,そして数理最適化について学びます。

ビープラウドについて

ビープラウドは,主にWebシステムの開発や運営を行っている企業です。受託開発の割合が大きいですが,IT勉強会支援プラットフォームのconnpassやオンラインPython学習サイトのPyQ,システム開発者向けドキュメントサービスのTraceryといった,自社サービスの運用も手掛けています。また,開発者が多く在籍し,日々コードの読み書きを行っています。私たちが手がけるWebシステムには,大量のトラフィックをさばく必要があるコンシューマ向けのものや,ビジネス向けの業務システムなどもあります。ほかにも,データ分析や数理最適化といった分野もカバーしています。

本書がみなさんのPythonスキルの向上に貢献し,より良い開発ができることを心より願っています。それでは,現場のPythonの世界へ,ようこそ。⁠はじめに」より)

著者プロフィール

株式会社ビープラウド(かぶしきがいしゃびーぷらうど)

2008年にPythonを主言語として採用し,Pythonを中核にインターネットプラットフォームを活用したシステムの自社開発・受託開発を行う。優秀なPythonエンジニアがより力を発揮できる環境作りに努め,Pythonに特化したオンライン学習サービス「PyQ」,システム開発者向けクラウドドキュメントサービス「TRACERY」,研修事業などを通して技術・ノウハウを発信する。また,IT勉強会支援プラットフォーム「connpass」の開発・運営や勉強会「BPStudy」の主催など,コミュニティ活動にも積極的に取り組む。

著書・監修書に『いちばんやさしいPythonの教本 第2版』(インプレス,2020年),『徹底攻略Python 3 エンジニア認定[基礎試験]問題集』(インプレス,2023年),『Pythonプロフェッショナルプログラミング 第4版』(秀和システム,2024年),『pandasデータ処理ドリル』(翔泳社,2023年)『Pythonで学ぶ数理最適化による問題解決入門』(翔泳社,2024年),『自走プログラマー』(技術評論社,2020年)など。

https://www.beproud.jp/


altnight(あるとないと)

ビープラウド所属。Web 2.0でなんやかんやした結果,現在は業務でWebアプリケーションを開発している。

X(旧 Twitter)@altnight


石上晋(いしがみすすむ)

ビープラウド所属。System Creator。業務ではWeb案件,データサイエンス案件の要件定義,開発,ディレクションを担当。

共著書に『Pythonでチャレンジするプログラミング入門──もう挫折しない! 10の壁を越えてプログラマーになろう』(技術評論社,2023年)がある。

メイドさんが好き。趣味は歩き旅。

X(旧 Twitter)@susumuis


delhi09(でりーぜろきゅう)

2020年からビープラウド所属。バックエンドエンジニア。前職でJavaの大規模システムに関わった後,現職ではPython × Djangoで中小規模の開発案件に複数関わる。設計の話が好き。


鈴木たかのり(すずきたかのり)

2012年3月よりビープラウド所属。前職で部内のサイトを作るためにZope/Ploneと出会い,その後,必要にかられてPythonを使い始める。現在の主な活動は一般社団法人PyCon JP Association 代表理事,PyCon JP 2024共同座長,Python ボルダリング部(#kabepy)部長,Python mini Hack-a-thon(#pyhack)主催など。

共著書に『Pythonプロフェッショナルプログラミング 第4版』(秀和システム,2024年),『いちばんやさしいPython機械学習の教本 第2版』(インプレス,2023年),『Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書 第2版』(翔泳社,2022年),『Python実践レシピ』(技術評論社,2022年)などがある。

フェレットとビールとレゴが好き。趣味は吹奏楽(トランペット)とボルダリング。

X(旧 Twitter)@takanory
https://slides.takanory.net


斎藤努(さいとうつとむ)

東京工業大学大学院理工学研究科情報科学専攻修士課程修了。

2024年現在,ビープラウドにてPyQや数理最適化案件などを担当。

技術士(情報工学)。