つくって、みなおす、デザインシステム——現場での合意形成から設計、運用まで

はじめに

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本書ではWebやアプリケーションのプロダクトデザインにおいて「デザインシステム」がいかに有用で,どのようなステップを踏んで導入すべきかを扱っています。

本書を手に取ってくださった方々はおそらく,日々の機能改善に追われつつも,デザインシステムの必要性を感じていたり,すでに構築に取り組んでいたりすることでしょう。デジタルプロダクトの開発サイクルがますます加速している現代において,さまざまな制約や要件を考慮しながら,すばやく高品質なデザインを生み出すためには,ルールやガイドラインの整備が欠かせません。デザインシステムは,デザインの一貫性を確保し,効率的なデザインプロセスを促進するための重要な仕組みです。

しかし,多くの組織においては目の前の業務に追われ,ルールやガイドラインの整備は後回しにされがちです。デザイン担当者が不在の期間があったり,担当変更の際にルールの引き継ぎが上手くいかず,現状の体制ではどうにもならない状況があったりして,結果として自分たちのデザインに課題を感じることもあるでしょう。迅速に機能改善のサイクルを回し,ユーザーにより良いサービスを提供したいと思いつつも,その土台づくりや調査の時間が取れないことに歯痒さを感じている方も多いのではないでしょうか。

本書は,そんな状況に直面しているデザイナーの力になることを目指しています。

初学者の方々にも理解しやすい事例を多く盛り込んだ構成で,デザインシステムの基礎から実践的な手法まで幅広く取り扱います。

著者プロフィール

株式会社ニジボックス(かぶしきがいしゃにじぼっくす)

ニジボックス は「Grow all」を合言葉に,企業やサービスの成長に向き合い続けるリクルートグループのデザイン会社です。「本質をつかむ創造を 期待を超える共創を」私たちはこの言葉を企業のVisionとしています。クライアントのサービスに向き合いつづけ,その先にいるカスタマーの本質的なニーズをとらえること。期待を大きく超える新たな価値を共に創り出すこと。皆さまがサービスの成長を志したときに,真っ先にニジボックスを思い浮かべていただけることを目指しています。