新刊ピックアップ
いまを生きるための切実な課題に答えるテキスト
フランス現代思想の研究者にして武術家である内田樹先生は,
その内田樹先生の
話題は,
本書の内容からいくつかご紹介します。
「私たちの学びへの意欲がもっとも亢進するのは,
これから学ぶことへの意味や価値がよくわからないけれども, それにもかかわらず何かに強く惹きつけられる状況においてです。自分の手でノブを回したものだけにしか扉の向こうは開示されない」
「自分の知的身体的なパフォーマンスを最高レベルに維持しなければならないとき,
判断力や理解力を最大化するためには方法は一つしかないんです。それは<上機嫌でいる>ことです。にこやかに微笑んでいる状態, 目の前にある現実をオープンマインドでありのままに受け容れる開放的な状態, それが一番頭の回転がよくなるときなんです」
「微かなノイズのざわめきに<パターン>を感じとって反応する能力,
それは自然科学の世界でも人文科学の世界でも, あるいは探偵の推理とも同じものです。<パターン感知力>が知的なイノベーションには必須なんです」
「資源の乏しい環境で,
支え合って共に生きるための生活原理はわりとシンプルなものです。エコロジカル・ ニッチ,<生態学的地位>をできるだけばらけるようにすることです。限られた資源を複数の個体で分け合うためには, 行動パターンを変えなくちゃいけない」
「敵を想定し,
それとの強弱勝敗に固執すると, 人間の心身の能力はあらわに低下する。強くなろうと思うと弱くなる。強くなろうと思わないと強くなる。これは長く武道をやってきた人間にとっては, ほんとうに当たり前のことなのです」
……などなど,
なお,
記事中で紹介した書籍
-
最終講義―生き延びるための六講
人間はどのように欲望を覚えるのか,どうやって絶望するのか,どうやってそこから立ち直り,どうやって愛し合うのか……。2011年1月22日,神戸女学院大学で行なわれ,多く...
この記事に関連する書籍
-
キッパリ生きる!仏教生活 ― すこやかであるための仏教メソッド
瞑想する,念仏をとなえる,深く呼吸する,お布施する,巡礼する……仏教の教えのなかには「身心を調える技法」として使えるものが膨大に含まれています。ひとつひとつは...
-
日本を再生!ご近所の公共哲学―自治会から地球の裏側の問題まで
私たちはいま,地球規模の問題からご近所のもめごとまで,「簡単には答えが出ないむずかしい問題」に囲まれて生きています。このような時代こそ哲学の出番。ということ...