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AndroidスマートフォンやタブレットにはUSBコネクタが用意されていますが,パソコンのUSBコネクタのようにプラグアンドプレイで簡単に接続とはいかず,これまでは特定のUSB機器しか接続することができませんでした。このため,スマートフォンに連携する自作機器をつくるためには,さまざまな工夫が必要でした。
しかし,Google社の発表した「USB API」「Android Open Accessory」により,スマートフォンやタブレットなどのAndroid機器に,USBスレーブとなるUSBデバイスとして,あるいはUSBホストとなるアクセサリとして,いろいろな外部機器を簡単に接続できるようになりました。
これにより,自作機器の制御装置や表示操作機器として,パソコンのかわりに,Android機器が使えるようになったわけです。スマートフォンやタブレットの特徴であるコンパクトさ,美しく精密な液晶画面,タッチパネルによる直感的な操作性などを生かすことができるので,さまざまな応用が考えられます。
書籍「PICで楽しむAndroidアクセサリの自作」では,PICマイコンを使ったAndroid用の外部機器のハードウェア・ファームウェア,Andoroid側のアプリの自作について,具体的な製作例を通じて詳しく解説しています。
本書で作っているのは,例えば温度,湿度,気圧,照度の各種センサをボードとしてまとめ,センサの情報をスマートフォンに表示するといったものや,タブレットのタッチ画面で操作するラジコンシステムなどです。これらは,みなさんのアイディアでアプリを作り込んだりすることで,気圧の変化から天気を予測してツイートさせたり,Androidの音声認識機能を使ったラジコンに改造して,「発進!」の声で前進するように作り込んだりなど,夢が広がります。
なお,アクセサリの場合はAndroid 2.3.4以降,USBデバイスの場合はAndroid3.1以降となりますが,実際にサポートするかについてはタブレット/スマートフォンのメーカーが決めるので,お手持ちの機種で使えるかどうかは確認する必要があります。本書では,スマートフォンでは「Nexus S」を,タブレットでは「ICONIA TAB A500」を使用しています。
最近は激安の中華パッドも売られています。自作機器専用のディスプレイ兼インタフェースとして,中華パッドを利用するというのも,それほど贅沢な行為ではなくなりました。
これからの電子工作では,Androidの利用も選択肢として考慮にいれてはいかがでしょうか。