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データはどうやって送られる?
皆さんは,会社や自宅でインターネットを使っていますか? おそらく,ホームページを見たり,動画を見たり,メールを送ったり,といったことを行っていますよね。いつもなにげなく行っているこれらのことは,そもそも自分と相手が,相互に「データをやり取りすること」によって行われています。
ホームページを見るときは,ホームページのデータを保管しているコンピュータに「データ送って!」と指示を出し,送られてきたデータを自分のパソコンで受け取って,見ています。メールをやり取りするときは,「あの人にメールを出して!」とパソコンに指示を出し,メールのデータが相手のメールを管理しているコンピュータに送られて,相手は自分のパソコンでそれを受け取る,という仕組みです。でも,こうしたデータのやり取りがスムーズに行われているということは,考えてみると不思議ではありませんか?
データの水先案内人
インターネットを介したデータのやり取りは,日本国内という枠に収まるものではありません。海外の友達にメールを送ることもあれば,海外のホームページを見ることもあります。それどころか,日本語のホームページであったとしても,そのデータが海外のコンピュータに保管されていることだってあるのです。このような遠く離れたところとの間でデータをやり取りするための技術に,「ルーティング」というものがあります。ルーティングは,やり取りするデータの「水先案内」を行うことです。
たとえばあなたが知らない町にお使いに行き,目的の家を探しているとします。途中で派出所があったので,目的地に行くための道を聞きます。けれども,遠く離れた町だったので,途中までの道しかわかりません。そこで,教えられた場所まで行って,そこにある別の派出所にまた道を聞きます。こうした「道をたずねるリレー」を繰り返すことで,目的の家までたどり着く。これが,ルーティングの仕組みです。
家にはルーターがあるはず!
こうしたルーティングの役割をするのが,「ルーター」という機器です。ADSLや光ファイバーを使っているご家庭の多くは,このルーターという機器を使ってインターネットに接続しています。なので,一度ご自分の家にルーターがあるかどうか,確かめてみてください。家にルーターがあれば,パソコンでインターネットを見たり,メールを送ったりする際に,そのやり取りに使われるデータの行き先を最初に決めてくれているのがこのルーター,ということになります。
ADSLや光ファイバーが普及した現在,一家に一台,ルーターという「水先案内人」がいる,ということになります。驚きですよね。
ルーティングテーブルという地図
こうした水先案内人であるルーターは,各々が,データを次にどこに送ればよいかが書かれている地図を持っています。この地図が「ルーティングテーブル」と呼ばれるものです。ルーターは,受け取ったデータの宛先を見て,この宛先に送るには,次にどこへデータを送るのが近道なのかを考えます。公園通りを行くのが近いのか,駅前から行くのが近いのか,学校の方から迂回するのが早いのか,といった感じです。そして,この判断を行うために必要なのが,ルーティングテーブルなのです。この地図は,常に最新のものでなければなりません。古い地図だと,まちがった道を教えてしまうかもしれないからです。
こうした一連の行程を経て,インターネットのデータは世界中を移動していきます。あまりに遠い場所だと,どこかでデータが道に迷ってしまいそうな気もしますが,そのようなことのないよう,ルーティングの仕組みがしっかりとできている,というわけなんです。そんなルーティングの仕組みについて,もっと詳しく勉強してみませんか?