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iOS 7時代のアプリ開発事情

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2013年9月18日にiOS 7がリリースされました。iOS 7ではUI(ユーザインターフェース)が変わり,それに従って開発環境も変化してきています。

見かけの変化

iOS 7では,いわゆる「フラットデザイン」になり,ボタンのように表示されていたものが,枠だけになったり,文字だけが表示されている部分は,タップすべきなのか,スライドするべきものなのか,すぐには判りにくくなったりしています。

またiOS 7の発表と同時に,iPhone 5sやiPad Air,iPad mini retinaが発売になって,iOS 7対応の機種ほどんどがretina画面になっています。新機種が増え,その画面の解像度なども多岐に渡るようになってきました。アプリ開発という視点から見ると,旧機種や旧OSへのサポートなどもあり,大変になってきた感があります。

開発上の変化

iOS用のアプリを開発するためには,Mac上でXcodeと呼ばれるIDE(統合開発環境)を使用します。iOSがiOS 7になったのと同時に,Xcodeは大幅に変更されてXcode 5になりました。また,iOS 7のアプリ開発ではiOS 7 SDK(ソフトウェア開発キット)が利用できるようになりました。

Xcode 5の変化

Xcode 5では,数々の機能が追加されています。目立ったものを挙げてみます。

  • アプリの画面を作成するインターフェースビルダーのオートレイアウトが機能強化され,ビジュアルなインターフェースを作りやすくなった。
  • デバッグゲージに,CPUやメモリの状態など種々のリソースの使用状況が表示され,より深いデバッグができる。
  • ビジュアルデバッガでは,クイックルック機能の追加やブレークポイント切り替え,プログラム中のソース中の画像の図示など,使い勝手が良くなった。
  • テストナビゲータによって,テストの作成やコード解析,パフォーマンスのチェックなどが楽に行える。
  • ソースコントロールメニューが独立し,クイックアクセス機能によってソースコード管理が楽になり,Gitなども使いやすくなっている。
  • テストナビゲータによって,テストの作成および実行,コードの解析,パフォーマンスの監視が簡単になった。

iOS 7 SDKで追加された機能

iOS 7 SDKには,ゲーム用の機能が追加されています。たとえばハードウェアアクセラレータを使った複雑なアニメーションが扱いやすくなり,別途接続したゲームコントローラが使えるようになりました。また簡単に物理現象(重力や衝突など)を処理できるようになっています。

また,文章や写真などを共有できるピアツーピア接続や,iCloudとの同期機能,マップ表示などの新機能も追加されています。

iOS 7アプリ開発のススメ

Xcodeは開発環境ですが,その上でObjective-Cと呼ばれるプログラミング言語によってアプリが作られます。実際にアプリを作るためにはXcodeによる操作を覚え,オブジェクトやクラス,データ型などの言語仕様を覚え,その上でiOS 7の機能を呼び出すためのiOS 7 SDKや各種のフレームワークを覚えなくてはなりません。

しかし,アプリを作るのに最初からこれら全部を覚える必要はありません。これらを学ぶために入門書がたくさん出ています。手始めにわかりやすそうな入門書を用意し,少しずつ動かしてみてはいかがでしょうか。