スッカリ忘れていました
はい、そういうわけでございまして!
サルでき流企業サイトの作り方、第41回をお届けしております。予定ではこの連載もあと10回。ボチボチラストスパートです。前回までで、一応ひと通りなが~い基礎編が終わりましたので、今回からは実践編になります。
基礎編で山ほどの知識や技術を学んで覚えてもらいましたので、実践編は気楽に楽しみながら行きましょう。座学ではなく、ロールプレイって感じで、ね。
そうそう、記事の中にわからない(記憶に無い)単語が出てきたときは、慌てずに基礎編を読み返してくださいね。どこかの記事には詳しい説明が必ず書いてありますので。
「全部読み返すのが面倒」という現代っ子のアナタのために、特にポイントになりそうな部分には、「関連記事のリンク」を貼っておきます。そちらでコッソリ思い出してきてくださいませ。
……妙にワタシが優しいですと?
……まあまあ、「ど忘れ」って誰にでもありますからね。
そう言えば、今回のウミネココーポレーション仮設広報部では、そんな「ど忘れ」の中でも、特大級の「ど忘れ」が巻き起こっております。おっとー。いましたね。彼女。もとい、ロボジョのミナちゃん。
コンスタントに登場させていたと思っていたのですが……気付けばなんと10回分以上のご無沙汰でした(写真で登場した回を除く)。
「ロボは人と違って気配が無いから、敵に気付かれにくいんだぜ」、ということにしておきましょう。そうしましょう。いえ、決してワタシが描くのが面倒だったとかそういうわけではなく。あ、ハンマー構えるのをやめていただけますか。
ではでは、実践編の最初の一歩は、「イマドキのテーマの導入」を行います。標準テーマでは味わえない、ホントの最先端の世界に、一緒に足を踏み入れていきましょう。
ハンマーで殴られないように、今までのこともチョイチョイ思い出しつつ……ドキドキワクワクの近未来世界へゴー!
ここまでのおさらい
さてさて!
あらためましてここまで基礎編の長旅、おつかれさまでした。
今までどんなことをやってきたのか、さすがに40回ともなると、最初の頃のお話は完全に遠い昔の記憶になってしまいますね。ほらほら、覚えていますか?あの「ステーキとトンカツはどっちが肉料理の王様か」っていう話(しましたっけ?)。
ラストスパートに入る前に、一度ここでザックリとおさらいをしておきますね。
第1回から第40回まで、この連載ではこんなことをお話してきました。
- Webサイト入門いろいろ
- サーバーやデータベースの準備
- WordPressのインストール
- WordPressの画面の見方、基本的な使い方
- プラブグインを使ったカスタマイズの方法
- SEOやSEMについてのアレコレ
- Google Analyticsを使ったWebサイトの分析
- Webサイトを使ったお金稼ぎ
- TwitterやFacebookなど、外部システムとの連携
……おや?
書いてみると意外とサッパリしているような気がしますね。
- Q:どうしてこの程度の内容で40回分になったのですか?
- A:想像を絶するほど雑談余談が多いからです
企業サイトを作ることをテーマに、これだけの内容、もとい雑談余談を延々書き続けられる人もなかなかおりますまい。はっはっは、やりますな、ワタシ。
そしてそれを延々読んでくれる人もなかなかおりますまい。ほっほっほ、やりますな、アナタ。この後一緒にビールでも飲みに行きませんか。
……とは言えね。
すべての基本としての「Webサイトを作る考え方」、革新的なWebサイトプラットフォームである「WordPressの使い方」、そして「Webサイトを運用していくための様々な周辺環境の知識」。
この辺りのお話は必要以上にしてきましたので、企業サイトを作る上での下半身の筋トレは、イイ感じにできているのではないかと思います。
当初のみなさんがまったくのWeb初心者であっても、「専門の初級Webデザイナーさんと比べて、なかなかどうして負けないくらいの知識」は身についたのではないかと。もう仕事としてデキるレベルになってるんじゃないかと!きっとモテ度50%増しくらいにはなってるんじゃないかと!
……そんな根拠の無い自信ってとっても大事だと思います。
そう!ですから今からなのですよ!楽しくなってくるのは。
今まで身につけてきた、有り余る知識(雑学)を土台に、「ちょっとわかった感じ」で、自信を持って「イマドキの企業サイト作り」をはじめていきましょう!大丈夫、みなさんならきっとできますって。
イマドキじゃない企業サイトの成り立ち
全国400万人の中小企業経営者のみなさま、こんにちは。
「中小企業サイトよろず相談屋」をもうかれこれ10年以上に渡って行っている、相談屋プチベテランのカワサキです。
この連載の中で、ずーっと前に、「一般的な企業サイト」のイメージ(ここでは主に中小企業のWebサイトのイメージ)は、ある程度ドコも似通った感じがありますね、なんていうお話をしました。覚えていますか?
……覚えてない、ですか。
……えーと。わかりました。繰り返しましょう。
良く言えばドコのサイトも、「安心できる」というイメージを持っていて、悪く言えばドコのサイトも、「面白味がない」というイメージを持っている気がするのです。ワタシ的な主観ですが。
「コンテンツ」はドコかで見たようなものが並んでいること、「デザイン」もドコかで見たような雰囲気になっていること、何より、「技術」的に一世代~ニ世代前のものが、ドコかと同じようにバリバリの現役で使われていること、などがその主たる理由です。
あ、もちろん、中小企業であっても斬新で面白いサイトを運営されている会社さんはたくさんあります。新規事業者さんのサイトは、むしろピッカピカの最先端であるほうが当然ながら多いですし。
「それが悪い」というよりも、「何でそうなってしまうのか」ということが、相談屋のワタシ的には興味深いところでして、お客さまの中でそんなケースに出くわすと、経営者さんにいろいろと聞いてみるようにしてきました。
その結果をザクッとまとめると、こんな感じになります。
社長の気分でどうぞ。
「我が社はウミネココーポレーションという。従業員30名程度の会社だ。
21世紀に入り、インターネットが普及してきたことを受けて、我が社もホームページを作ることになった。しかし、正直コンピューターについては社長の私もよくわからない。
どうも聞いたところによると、ホームページを作るためには、場合によっては数百万円もかかる場合があるらしい。
ビジネスへの効果がよくわからないホームページにそんなお金はかけられないと困っていたら、都合がいいことに若手スタッフにホームページを作った経験者がいた。よし、これで高い費用をかけずにホームページを作ることができる。
内容については後々考えていくとして、とりあえず他社のホームページを参考に作るように指示した。完成品を見たが、なかなかキレイに作られているようだ。フラなんとかという技術で作られたアニメーションにより、我が社のロゴがクルクルと回っていて面白い。
これで大丈夫だ。私は出来上がったばかりのホームページをひとしきり眺めて、ほっと安堵のため息を漏らすのであった。」
何やらドコかにありそうなお話ですね。
若手スタッフに経験者がいない場合は、「知り合いに」とか、「スタッフの誰かの息子に」とか、「インターネットで安い業者を検索して」とか、そういう代替案が出てきます。
ここまでは別に問題はありません。最初から大手の制作会社に高額で任せるより、小さく作ってから手直しをしていくほうが良いサイトになることも多いですので。
では、少し時間を経過させましょう。
再び社長の気分でどうぞ。
「我が社はウミネココーポレーションという。従業員50名程度の会社だ。
ホームページを作って6年ほどの歳月が経った。この間、私も我が社のスタッフも懸命に働き、その甲斐もあって我が社の業績は年々伸びた。
しかし、我が社のホームページは、残念ながらそこまでの効果を発揮しなかったように思われる。せっかく苦労して作ったのに、アクセスが思ったほど集まらなかったのだ。担当のスタッフには、毎月レポートを出させていたのだが、いつしかそれも形式的なものになってしまった。
盛り上がらないこともあって、あれから私自身、ホームページの内容の見直しについて、さほど積極的に関わってこなかった。元々私がその方面に対して苦手意識があったこともあり、担当のスタッフに任せてしまったことを少々反省している。
さて、我が社のホームページは、今どうなっているのだろう。時代の流れにちゃんとついていけているのだろうか。
久しぶりにホームページを見にいくと、そこには昔と変わらず、クルクルと回る我が社のロゴの姿が。」
……少し極端ですが、こんな感じ。
なんと言いますか……中小の会社さんの場合、Webサイトは一旦作ってしまうと、作り直すことをしないケースが多いように見えます。
もちろん費用的な問題が大きいのですが、それよりも「費用に見合った効果が得られないという印象」をガッツリ持っている経営者さんが多い気がします。
せっかく(自分たち的には)苦労して作ったのに、日々増え続ける「低価格量産型Webサイト」の影響でSEO的に埋もれてしまい、期待はずれのアクセスしか得られなかった経験があると、ついそんな考え方になってしまうのも仕方がないのかもしれません。
ですが、そこで相談屋のワタシから一言。
「せめて、基盤となるWordPress(CMS)だけは、今から頑張って導入してみませんか?」
確かに、導入しただけではアクセス数はたいして変わりませんし、新しく覚えなければいけないことは増えますし、いずれ新しい技術でWordPressが淘汰される日だって来るかもしれません。
でも、それでも。
数年に渡って放置されている企業サイトは、やっぱりちょっと切ないです。以前の手作りサイトは「更新するのにHTMLの技術が必要」でしたので、それをWordPressにすることで「更新の面倒さから開放される」だけでも、十分メリットはあると思います。
この連載を含め、インターネット上に山ほど情報は転がっていますし、頑張れば自力(自社若手スタッフ)で導入から運用までできますし、今後の技術の進歩にはWordPressが勝手についていってくれますし。
怖くなったらワタシに相談してみるという手がありますしねっ!
心ならずも自社サイトを放置してしまっている中小企業経営者のみなさん、ここはひとつ、イマドキの企業サイト作りに挑戦してみませんか!?
イマドキのテーマを導入してみよう!
ではでは!
なんとな~く、全社的に企業サイトの作り直しに前向きになったところで。「イマドキの企業サイト作り」、はじめていきましょう。
ここまでの基礎編を順にたどってくれば、WordPressの基本的な設定は既に終わっていますので、今回は「イマドキのテーマの導入」から行います(まだWordPressが導入できていない、というかサーバーの準備もできてない、という方は、第6回あたりからチェックしてくださいね)。
テーマについては、第12回のときに「非常にクオリティの高い無料のテーマ」についていくつかご紹介しました。ドレもコレも「ホントにコレが無料!?」というくらい優秀なテーマ達だったのですが、今回は無料テーマは使いません。
有料テーマを導入します。ドッキドキです。
そのテーマがこちら。
わおー、なんかとってもビューティフォー。おまけにパソコンからでもスマホからでもタブレットからでもバッチコーイ。
有料テーマを使う理由は色々あるのですが、ワタシ的には「アップデートの早さ」をポイントにしています。
ボチボチバージョン4に切り替わると言われているWordPressですが、同じバージョンの中でも、小刻みなバージョンアップは頻繁に行われています。
そうすると、それに併せてテーマもバージョンアップ(動作保証)をしていかなければならないのですが、無料テーマの場合はここがちょっと心配でして。
「タダなのにそんなに全力で開発してくれるかしら?」とか、思っちゃったりするわけです。
対象が個人ブログではなく企業サイトですからね、何かトラブルが起こった時に、「テーマのバージョンアップ待ちです。時期は不明です」とはなかなか言えません。
そうは言ってもたった数十ドルです。それでキチッと開発してもらえるなら、そっちを選びましょう。このテーマも、コレだけステキなのにたった58ドルです。安い安い。
ちなみに、数ある有料テーマの中からワタシがこのテーマを選んだ理由は、「iOS7っぽい雰囲気が心に響いたから」です。ほら、ワタシ、一応腐ってもiPhoneアプリ開発者ですし。この雰囲気には思い入れがあるんですよ。
あ、大丈夫ですご安心ください。このテーマ、性能も評価も折り紙つきですので、iOS7とかiPhoneとかにサッパリ興味が無い場合でも、選んで損はありません。
とうことで、このテーマを購入します。
このテーマは「envato」というオーストラリアの会社が運営する「ThemeForest」というテーマ販売サイトで取り扱っていますので、まずはenvatoにアカウントを作ります。
アカウント作れましたか?英語ですので少々緊張感がありますが、まだこの段階ではお金を取られませんのでご安心ください。アカウントが作れたら、ログインします。
欲しいテーマを選んで、購入です。検索枠から「The7」と入力してテーマを探してくださいね。支払いはPayPalで行いますので、PayPalのアカウントを持っていない場合は、先にそちらをどうぞ。
無事にダウンロードできましたか?できたら中身を確認してみましょう。ダウンロードしたファイル群はこんな感じになっています。
無事ファイルの確認が終わったら、WordPressに導入してみましょう。いつものようにWordPressにログインをして、「外観」メニューから「テーマ」画面へどうぞ。
画面上部にある「新規追加」ボタンをポチッとな。
画面上部にある「テーマのアップロード」ボタンをポチッとな。
「ファイルを選択」ボタンをポチッとな。
ファイル群の中にあった、ZIPファイルを選択して、「今すぐインストール」ボタンをポチッとな。
インストールができたら、有効化してみましょう。有料となるとちょっとドキドキしますね。上手く有効化できますように。深呼吸して、ポチッと。
おお~!おめでとうございま~す!無事有効化できました。
どうです?これが「イマドキの有料テーマ」の世界です。標準テーマとも無料テーマとも違った「ソレッポイ雰囲気」が随所に漂っていませんか?
格調高いと言うか、西海岸の香りと言うか。家で食べる焼き肉と焼肉屋さんで食べる焼き肉は脂身からして違うと言うか。
……おそらくそれは気のせいです。
ですが、実際いろいろ変化が見られますね。例えば、管理画面とか。
もちろん、Webサイトもイメージが一新されています。
よーし、まずはここまでできればOKです!画面の上のほうに何やら英語で文章が書かれていますが、とりあえずスルーしておいてくださいね、後の連載の中でしっかり回収しますので。
それよりも、まずはこの素晴らしい「イマドキのテーマ」を、楽しそうなところから順番に見て行くことにしましょう。標準テーマには無かった、とっておきのイマドキ機能群が追加されていますので、ワクワクしながら次回をお待ちくださいませ。
「次回まで待ちきれない!」というせっかちなアナタは、「The7」公式のデモサイトがありますので、一足早く隅から隅まで堪能してみてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?
長い長い基礎編が終わり、ようやく楽しい楽しい実践編のはじまりです。いや~ようやくこの日が来ましたよ。基礎編を書いていて、この連載はドコまで脱線して行くのか、自分でも心配でしたもの。
でもですね。ポジティブに言ってしまえば、そのおかげで、「いろんなことがわかった状態」で実践編を迎えることができました。
第1回のときにも書きましたが、ワタシの持論に「Webサイトはじっくりコトコト育てていくものだ」というものがありまして。
たとえイマドキの有料テーマであっても、「わけがわからないまま導入して、以降放置して終わり」では、結局5年後10年後に生き残れるサイトにはならないと思っています。
それでは、本文中に出てきたウミネココーポレーションのWebサイトと、結局同じ道ですよね。
いろんなことを知っておくことで、ある意味「過剰な期待」も「過剰な失望」もしないで、「のんびり着実」に「安定的」に育てていく。一見地味ですけど、会社もWebサイトも、それが正しいスタイルだと思うのです。
5年後10年後も、みなさまの企業サイトが、自信を持って誰かに見せられるサイトであり続けるために、イマドキの一歩目を踏み出してくださいね。
……おっと。
と、いうところで終了の時間です。
ではでは、今回はここまで!
次回をお楽しみに~。