知りたい!サイエンスシリーズ計算しない数学,計算する数学
―ホントの数学は自分の中にある

[表紙]計算しない数学,計算する数学―ホントの数学は自分の中にある

紙版発売

四六判/200ページ

定価1,738円(本体1,580円+税10%)

ISBN 978-4-7741-3229-7

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書籍の概要

この本の概要

世にいう数学とはやはり計算が主であり,計算ができること=数学ができること,という風潮は否めません。しかし,本来の数学とは何なのでしょうか。本書では,数学=計算だけではない,オルタナティブな数学の魅力を二人の数学者の対談を通じて展開していきます。数学にとって計算とは何か,計算しない数学とは何なのか,そして話は新たなる「数学道」を目指す未来和算塾構想へと。

学校で習った数学は苦手だけど,本当は数学はおもしろいんじゃないだろうか,と気づいている貴方には福音書となるはずです。

こんな方におすすめ

  • 数学に興味がある人
  • 数学的な考え方に興味のある人
  • 学生時代数学が苦手だった人

目次

第1章 「計算する数学」と「計算しない数学」とは?

  • 1-1 「計算する数学」「計算しない数学」ガチンコ勝負
    • 日本人は本来数学が好きな民族
    • 誰もが持っている「計算しない数学」力
    • 論理的思考を経ず,直接的に理解すること
    • 計算の中にあるストーリーやシナリオのおもしろさ
  • 1-2 永遠性を秘めている数学
    • 小学校の算数の教科書を読み切るのは難しい
    • ピタゴラスの定理は古くならない
    • 数学って,けっこう曖昧?
    • 「数学とは,生命の燃焼です」
  • 1-3 なぜ「数学嫌い」の子供が増えていくのか
    • 学校数学の向こう側にある数学
    • 「数学を嫌いなのは,先生が嫌いだから」

第2章 インド式計算法はなぜブームになったか

  • 2-1 計算することは数学的な思考をすることではない
    • インド式計算は癒しの数学
    • 歯が立たなかった数学オリンピック
    • 日本に数学ジャーナリズムは存在しない
  • 2-2 じつはすごい日本人数学者の実績
    • 数学好きは少数派?
    • フィールズ賞を受賞した日本人
  • 2-3 数学のイメージを変えていきたい
    • 数の世界をおもしろがるのがインド式計算
    • 苦手でも数学を楽しめたら
    • インド人が全員数学を好きなわけではない

第3章 数学は神様の存在から独立している

  • 3-1 数学は人間の本来の能力に直結している
    • 自分の頭の中の世界を使いこなす
    • なぜ数学を勉強するのか
    • 数学はおもしろい,なのにどうして授業はつまらない?
  • 3-2 四元数を学ぶと「神さま感」が感じられる
    • 数学は「知恵」の世界の探求
    • 数学は神様がつくったのか
    • 八元数で終わりという現象には深遠な意味がある
  • 3-3 円周率は神様でも変えられない
    • 恐竜時代も「1+1=2」
    • なぜ円周率は「3」になってしまったのか

第4章 数学の魅力を伝えるためには

  • 4-1 計算数学がすべてではない
    • 500ミリリットルのビール缶,縦と胴周りはどちらが長い?
    • 「A×B」と「B×A」は等しくない
    • 計算する数学が浸透することは悪くない
    • 「数は『2』から始まる」
  • 4-2 自分の中にこそ数学がある
    • 自分自身というハードウェアに潜む数学的能力
    • 計算数学が流行するとみんな「暴走族」になってしまう
    • 数学者は車に乗らない
  • 4-3 サイエンスナビゲーターの必要性
    • 「インド式」の次はパターン発見ドリル?
    • 「数学ができるかもしれない」という期待感
    • 学校の先生はサイエンスナビゲーターでなくてはいけない

第5章  数学者は何を求めているのか

  • 5-1 数学は「道」を追求する精神活動
    • 数学を軽視してきた日本のメディア
    • 数学の一部になっているような感覚
  • 5-2 数学と一体化することは宇宙と一体化すること
    • 最初は動作を一生懸命覚えるだけ
    • 数学に関して日本人はかなり得をしている
    • お作法好きな日本人
  • 5-3 円周率の計算に成功した天才・関孝和
    • 和算の発展は筆算によってもたらされた
    • 庶民にとって娯楽だった和算
    • 数学者における四つのタイプ
    • 生の数学者が試行錯誤している姿を見せたい

第6章 和算に導かれる数学の未来

  • 6-1 数学者として生まれなければならない
    • 日本に「数学者」という職業は存在しない
    • 恐怖を克服できないとプロの数学者にはなれない
  • 6-2 「道」としての数学を教える未来和算塾構想
    • 日本人がつくり上げる「新しい数学」
    • 数学的思考を繰り返していけば4次元空間は見える
    • 数学好きが増えるような教え方を構築しよう
  • 6-3 宇宙人との交信も可能な普遍的な「言語」
    • 日本が数学道の中心になる
    • 限りなくある数学の可能性