SEのための「経験則的」要件定義の極意
2009年2月21日紙版発売
隈 正雄 著
A5判/288ページ
定価2,618円(本体2,380円+税10%)
ISBN 978-4-7741-3768-1
ただいま弊社在庫はございません。
書籍の概要
この本の概要
本書で取り上げる方法論は,システム設計の過程で,SE個人の能力に依存するビジネスプロセスおよびIT機能の決定に関し,ベテランSE(実力者)の暗黙知を形式知化したものです。企業情報システムという複雑なシステムを的確に設計できるのは,企業活動の構造とシステム設計のポイントを体得しているからで,すべての業務に習熟しているからではありません。本書で扱うのは,既存のシステム設計方法論でも経営学の業務知識でも対象としていない方法論,つまり誰も書かなかった「企業情報システム要件定義の極意」ともいえるものです。
こんな方におすすめ
- 仕事で要件定義をしなければならないSE
- いろいろと方法を試したが,どうもうまくいかないという方
- 理論は知っているのに結果に結びつかないという方
本書のサンプル
本書の一部ページを,PDFで確認することができます。
- サンプルPDFファイル(412KB)
目次
第1章 なぜ要件定義は難しいか?
- 1 要件定義が難しい理由
- 1.1 要件定義のために用いられる2つのアプローチ
- 1.2 ユーザニーズそのものに潜む問題点
- 1.3 効率化という視点の限界
- 1.4 業務知識の不足
- 2 既存のシステム設計技法の空白域
- 2.1 既存のシステム設計技法のアプローチ方法
- 2.2 既存のシステム設計技法の問題点
- 3 経営学的アプローチの難しさ
- 3.1 経営学からの支援の可能性
- 3.2 業務知識補足の可能性
- 3.3 経営学の空白域
- 4 空白域を埋める第3 のアプローチ
第2章 「要件定義の極意」とは?
- 1 「要件定義の極意」開発の経緯
- 2 「要件定義の極意」の概要
- 2.1 “極意”による3段階のシステム機能選定
- 2.2 第1段階―情報化対象業務の選択
- 2.3 第2段階―その1:業務効果によるIT機能選定
- 2.4 第2段階―その2:経営効果によるIT機能選定
- 2.5 第3段階――その1:能力条件によるIT機能選定のチューニング
- 2.6 第3段階――その2:風土条件によるIT機能選定のチューニング
- 2.7 “極意”の基盤「極意知識ベース」
- 3 「要件定義の極意」の特長
- 4 「要件定義の極意」がもたらすもの
- 4.1 「要件定義の極意」を活用すると……
- 4.2 「要件定義の極意」を応用すると……
第3章 企業情報システムの対象業務
- 1 「要件定義の極意」が扱う業種・業務の体系
- 2 「要件定義の極意」のモデルケース――卸売業
- 3 卸売業に見る一般企業モデル
- 4 企業情報システムの特性と対象業務
- 4.1 企業情報システムが可能にすること
- 4.2 システムの効果による対象業務の絞り込み
- 5 一般企業モデルと一般企業情報システムモデル
- 5.1 一般企業情報システムモデルへの機能絞り込み
- 5.2 一般企業情報システムモデル(卸売業)
第4章 「要件定義の極意」による要件定義の実際
- 1 情報化対象業務の選択
- 1.1 情報化対象業務選択の考え方
- 1.2 選択詳細業務の選択方法
- 2 業務効果によるIT 機能の選定
- 2.1 業務効果によるIT機能選定の考え方
- 2.2 業務効果によるIT機能選定方法
- 3 経営効果によるIT 機能の選定
- 3.1 経営効果によるIT機能選定の考え方
- 3.2 IT機能の内部統制ポイントの選定方法
- 3.3 IT機能の株式公開ポイントの選定方法
- 3.4 IT機能の経営戦略ポイントの選定方法
- 3.5 経営効果によるIT機能選定についてのまとめ
- 4 IT 機能選定のチューニング
- 4.1 IT機能選定のチューニングの考え方
- 4.2 能力条件によるIT機能選定のチューニング
- 4.3 風土条件によるIT機能選定のチューニング
- 5 「要件定義の極意」設計手順
- 5.1 情報化対象業務の選択
- 5.2 IT機能選定のための現状調査
- 5.3 業務効果によるIT機能選定
- 5.4 経営効果によるIT機能選定
- 5.5 IT機能選定のチューニングのための調査
- 5.6 IT機能選定のチューニング
- 5.7 「要件定義の極意」設計手順のまとめ
第5章 “極意”の基盤「極意知識ベース」
- 1 「極意知識ベース」構築の考え方
- 2 「極意知識ベース」の構造
- 3 「極意知識ベース」の使い方
第6章 「要件定義の極意」による演習
- 1 演習の進め方
- 2 演習企業の概要と演習の対象範囲
- 2.1 演習企業の概要
- 2.2 演習の対象範囲
- 3 機能選定のためのヒアリング
- 4 選択詳細業務の選択
- 4.1 課題
- 4.2 解答例
- 5 業務効果によるIT 機能選定
- 6 経営効果によるIT機能選定
- 6.1 IT機能の内部統制ポイントの選定
- 6.2 IT機能の株式公開ポイントの選定
- 6.3 IT機能の経営戦略ポイントの選定
- 7 IT 機能選定のチューニングのためのヒアリング
- 8 IT 機能選定のチューニング
- 8.1 課題
- 8.2 解答例
付録 極意知識ベース
- [主要業務]販売管理
- [主要業務]仕入管理
- [主要業務]在庫管理
- [主要業務]会計
- [主要業務]統計・分析
この本に関連する書籍
-
エンジニア養成講座[実例で覚える]顧客への対応、文章の表現
SEが上流工程で作成する,顧客を読み手とする「提案書」「要件定義書」「契約書」の作成法を,具体例を使って紹介・解説します。それらの作成過程では顧客とのコミュニ...
-
SEのための 「構造化」文書作成の技術
SEの仕事に占める文書作成の割合は小さくありません。実際,要求仕様書や提案書などといった初期文書から取扱説明書や各種報告書に至るまで,必要な文書類は山のように...
-
SEのための 「どこでもやれる力」の付け方
最近の開発は個人ではなくチームで行われますが,本書には,そういった環境で仕事をする際に重要になることがまとめられています。技術力だけではないその種のスキルは...
-
SEのための 図解の技術、文章の技術
顧客に向けて文書の作成をすることがSEには求められています。中心となるのは要求定義書(要求仕様書)ですが,その他にも提案書や画面仕様書,運用テスト仕様書,ユー...