tanQブックスシリーズパンデミック・シミュレーション
―感染症数理モデルの応用―
―感染症数理モデルの応用―
2009年8月7日紙版発売
大日康史/菅原民枝 著
四六判/200ページ
定価1,738円(本体1,580円+税10%)
ISBN 978-4-7741-3940-1
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書籍の概要
この本の概要
現代の日本社会において新型インフルエンザはどのように拡がっていくのでしょうか?それに対する対策はどの程度有効で,その費用はどれぐらいに見積もられるのでしょうか?
こうした疑問に答えるのが「数理モデル」です。
数理モデル駆使してコンピューター上でシミュレートされたパンデミック。導き出された結果は,私たち日本人に新たなる警鐘を鳴らしていました。その警鐘とは一体何なのでしょう?全国規模の感染症を封じ込むためには,社会全体でどのような選択肢をとるべきなのでしょう?
こんな方におすすめ
- 大規模感染症が蔓延するプロセスについて知りたい方
- 数理モデルの感染症対策に興味のある方
- 新型インフルエンザの拡大予測を視覚的に見てみたい方
目次
第1章 新型インフルエンザとは
発生メカニズム
- インフルエンザウイルスの種類と「新型インフルエンザ」
- 冬のインフルエンザの患者数と超過死亡者数/インフルエンザの医療費/過去のパンデミックとそのインパクト/「種の壁」/「種の壁」を越えるのは,いつになるのか/新型インフルエンザの感染速度
- パンデミックフェーズ/WHO確認による鳥インフルエンザA型H5N1の感染例
- 罹患率と致死率の推論/疾病負担/パンデミックによる被害のまとめ
- 新型インフルエンザを予測する数理モデル/静学的なモデル/SIRモデル/ibm(individual based model)/ibmと対策の事前評価
- 国際的な感染拡大を予測するには/感染拡大の対象となる国々/日本での検疫による隔離/航空機による感染の拡大/インドネシアが初発国の場合/中国が初発国の場合/日本に到着するまで
- ibmモデルの限界/実際のデータを用いたibm/新しい方法――パーソントリップ調査を用いたモデル
- 新型インフルエンザ感染拡大シミュレーション(全圏版)/モデルとパラメータ/シミュレーションのシナリオ/シミュレーションの結果(何も対策をしなかった場合)/今後の展開
- 地域封鎖とは/地域封鎖の現実的問題
- 首都圏での地域封鎖/福岡での地域封鎖/地方都市での地域封鎖/地域封鎖のまとめ
- 新型インフルエンザに有効な対策とは/外出自粛の法的根拠
- 休校と就業者の外出自粛/休校の効果/外出自粛の効果/外出自粛のまとめ
- 抗ウイルス剤の予防投薬/シミュレーションによる検討/新型インフルエンザに「タミフル」は本当に効くの?
- 新型インフルエンザ対策の費用は?/外出自粛の経済的損失/新型インフルエンザの健康被害の評価
- 対策を行った場合の費用対効果の試算
- 初発例の発見が遅れる場合/地域の流行状況をいち早く探知するには/症候群サーベイランス/サミットにおける症候群サーベイランス/薬局サーベイランス/救急車搬送サーベイランス/学校欠席者サーベイランス
- ワクチン
- マスク
- すべての対策の同時実施
季節性インフルエンザ
現在の状況
予想されるインパクト
第2章 新型インフルエンザの拡大予測モデル
数理モデル
第3章 新型インフルエンザの拡大予測――国際的な拡がり
東南アジア発の感染予測
第4章 新型インフルエンザの拡大予測――国内での拡がり
モデルの概要
国内の感染拡大シミュレーション
第5章 新型インフルエンザへの対策――地域封鎖
地域封鎖の有効性と現状
地域封鎖のシミュレーション
第6章 新型インフルエンザへの対策――休校と外出自粛
外出自粛の可能性
外出自粛の有効性
第7章 新型インフルエンザへの対策――抗インフルエンザ剤
抗ウイルス剤の使用
第8章 新型インフルエンザ対策の費用対効果
新型インフルエンザに関わる費用
新型インフルエンザ対策の費用対効果の検証
第9章 新型インフルエンザへの対策――早期探知
早期探知への現実的な対応
第10章 新型インフルエンザへの対策――その他
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