テック・ライブ!シリーズ最新ケータイを支える技術
〜超薄型・高性能の裏側をのぞく
2009年9月5日紙版発売
西田宗千佳 著
A5判/216ページ
定価1,738円(本体1,580円+税10%)
ISBN 978-4-7741-3982-1
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書籍の概要
この本の概要
手のひらに収まるサイズなのに,ネットが使えて,音楽が聴けて,写真も撮れて,テレビも見れる。そんな“あたりまえの高性能”の裏には,こんな技術とこだわりがある ――
普段なにげなく持ち歩いている“小さなハイテク機器”ケータイの舞台裏を,家電ジャーナリスト・西田宗千佳が徹底取材。なかなか聞けない現場のプロフェッショナルの“生の声”から
- 「作っているのは端末メーカーだけじゃない」
- 「どうして金属ボディにできないのか」
- 「作りやすい色,作りづらい色」
- 「“気持ちよさ”を左右する決め手とは」
- 「待ち受けと通話の時間にここまで大きな差が出る理由」
- 「ケータイカメラと普通のデジカメの差はどこにあるか」
- 「日本のケータイとiPhone,GoogleケータイはXXXXXXが“最も”違う」
など,意外と知らない秘密が見えてくる!
こんな方におすすめ
- 身近なものの裏側にある「なぜ」を知りたい方
- ものづくりの現場に興味のある方
目次
はじめに 携帯電話には日本の「ものづくり」のこだわりが詰まっている
1章 携帯電話はこうして作られる ―商品企画から内部構造まで―
1 すべての始まりは商品企画から
- あなたのケータイはだれが作るのか
- 携帯電話というビジネスに求められること
- 花形・フラッグシップモデルの企画はこうして詰められる
- メーカーの想いが企画をリードする
- リスクを飲んで革新を狙う
- 異なる市場で勝負をかける
2 携帯電話の内側をのぞく
- ケータイはあらゆる技術の結晶
- 内側で繰り広げられる競争
- 「基盤ソフト」が開発を支える
- 「きちんと動くサービス」を作る難しさ
- 携帯電話は「合作」であり「総力戦」
2章 感性をゆさぶる「デザイン」と「機構」の秘密 ―こだわりと技術の狭間で―
1 デザイン以前に考えておくべきこと
- そのデザインは本当に「商品化」できるのか
- 「あたりまえ」の上で〝驚き.を演出する努力
- ユニークさは「品質を落とす言い訳」にならない
- 同じ結果を,別のアプローチで,よりシンプルに実現する
2 デザインを形にする技術
- 「薄型でも強く」するために
- 見栄えと電波と耐久性のせめぎ合い
- 「割れない」「きれい」の矛盾を超えろ
- 犠牲になった空間をいかにカバーするか
- 設計はまるでテトリス!?
- つなぐ空間さえももったいない
- 閉じ込められた熱をいかに逃すか
- 浸水を防ぐ「両面テープ」の秘密
3 感性を形にする舞台裏
- 塗料1つにさまざまな問題が
- 明るい色ほど難しい
- 細かい配慮で「20色同時発売」をまとめ上げる
- 「音の品位」が気持ちよさを決める!?
- 材料ひとつで条件は変わる
- コピーメーカーは提案力で倒せ
- 「ジワッと変わる」のが高品位の秘密
- いかに「感触を量産」するか
3章 手の平に最先端を詰め込む技術 ―「省電力」と「高性能」のせめぎ合い―
1 電気を制するものがケータイを制す
- 「より小さく,より長時間に」への挑戦
- まずは「液晶」を攻めろ
- 絵にあわせて光と色を操る
- 周囲の明るさから「最適な見やすさ」を決める
- 電気はどこかへ「漏れて」いる
- なぜ「待ち受け時間」と「通話時間」に大きな差ができるのか
- 「気づかせないほど速く」電源を制御しろ
- パワーがあっても使わせない
- 進化の秘密はデジタル家電にあり
2 「安全」を勝ちとるために
- どこまでやれば「安全」なのか
- 強度と容量のジレンマを超えて
- 「数の論理」と進化に向き合う
3 手の平で高機能カメラを使える理由
- 「井戸の底で光を受ける」ような状況で
- 画素数だけでは「いい絵」にならない
- 処理は「丸投げ」,結果がわかればそれでいい
- 違う機種でもデジカメ機能が似ている理由
- 「数が出る」から勝負ができる
- メリットは時間軸の長さで変わる
4章 ソフトウエアがすべてを決める ―「開発効率」と「新機能」の矛盾を超えて―
1 ハードの出来もソフトが握る
- 3万件から50万件にもふくれ上がった検証項目
- 「プラットフォーム統一」で乗り切るパナソニック
- 部門の壁を「メリット」で壊す
- 「ブランド借り」ではなく本物を組み込む
- ソフトもLSIも「一緒に開発」
- “先読み開発”が高品質を作る
2 ソフトウェア開発を支える「開発基盤」
- 「UIの抽象化」が自由を生む
- 操作をソフトに「翻訳」する
- 「まったく新しい」からこそ改革できる
- ブラウザが「プラットフォーム」になる
- 「サービスまでの開発環境整備」も必要に
- 「動作検証」「チューニング」は総力戦
5章 変化と成長を生み出すもの ―ケータイの進化とグローバル化と―
1 日本の携帯電話が抱える問題
- 日本はこれまで「さぼっていた」?
- iPhoneショックの秘密
- 過去の「資産」が「足枷」にもなる
- 「古い部品」が最新ハードウエアを殺す
- 「パソコンのルール」と「家電のルール」の違いが変化を阻む
- 安定性をとるか,柔軟性をとるか
- 古い基盤に新しいものを積み上げる難しさ
- 「ゲーム優先」が使いやすさの進化を阻む
- 「スペック重視」が産む問題
2 産業構造の問題をいかに乗り越えるか
- 日本のケータイが高いわけ
- 何が日本を世界から遠ざけたのか
- 割賦制が国内市場を落ち込ませる
- 新たな成長は変化の先に
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