バク論シリーズ人の死なない世は極楽か地獄か

[表紙]人の死なない世は極楽か地獄か

紙版発売

A5判/184ページ

定価1,738円(本体1,580円+税10%)

ISBN 978-4-7741-4908-0

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書籍の概要

この本の概要

どんな生き物にも“寿命”がある。しかしヒトだけは例外だ。医療が進歩し,生活水準があがると平均寿命はどんどん延びてくる。医学はあらゆる病気を根絶することを目指しているが,生まれた者が死なずに人が増え続けたらどうなるだろうか? また生き物は自分が死ぬ代わりに子孫を残すことで進化させてきたのでは? 医療行為による延命は是か非か? このように人間の寿命は,医療の進歩や老化防止だけを目指していればいいというわけにはいかない,さまざまな側面がある。ヒトは何歳まで生きるべきか,何歳で死ぬのがよいのか,寿命の問題を,日本を代表する論客により,いろいろな角度から掘り下げる。

こんな方におすすめ

  • 長寿化と生活・医療の発展などについて社会的な視点で興味のある方
  • 自分の健康に関心のある方なら誰でも

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人の死なない世は極楽か地獄か?
日本人の平均寿命(0歳時の平均余命)は,平成22年現在で,男79.64歳,女86.39歳に及びます。

目次

巻頭言

  • 【池田清彦】潔よさの寿命論-「寿命」の常識・非常識

第1章 「生物」としてどう生きていくか?

  • 【本川達雄】「人工長寿」の人生をいかに生きるか?
  • 【武田邦彦】「脳情報」の呪縛から自由になる武田流・生き方哲学
  • 【安保 徹】「低酸素・低体温」からの脱却が健康長寿のカギ!

第2章 「少子高齢化」のゆくえ

  • 【古田隆彦】「5つの人口波動」から解く日本の人口が上昇する条件
  • 【鬼頭 宏】人口史の研究から見えてきた新しい文明の展開
  • 【石川英輔】現代社会の行き詰まりのヒントに?「大江戸人口事情」

第3章 「寿命」とは何か?

  • 【高木由臣】生物の生き残り戦略「寿命」はこうして生まれた
  • 【団まりな】「細胞」の進化からたどる生物が「寿命」を選択した理由
  • 【八代嘉美】再生医療がめざす「潔くない」寿命論

第4章 潔さの「生き方」論

  • 【大津秀一】終末期医療の現場から見えてきた「幸せな死生観」
  • 【久坂部羊】病気になっても早死にしてもいい生き方
  • 【上田紀行】病むからこそ癒しがある「内的成長」をうながす生き方

まとめ

  • 【養老孟司】「生きるためのあがき」の中で

著者プロフィール

池田清彦(いけだきよひこ)

早稲田大学国際教養学部教授。1947年東京生まれ。東京教育大学理学部生物学科卒。東京都立大学大学院で生物学を専攻。山梨大学教育人間科学部教授を経て現職。専攻は構造主義生物学。

【著書】『構造主義生物学とは何か』(海鳴社)『構造主義科学論の冒険』(講談社)『環境問題のウソ』(筑摩書房)『寿命はどこまで延ばせるか』(PHP)『やがて消えゆく我が身なら』(角川書店)『ほんとうの環境問題』『ほんとうの復興』(新潮社,養老孟司との共著)など


池田清彦(いけだきよひこ)

早稲田大学国際教養学部教授。1947年東京生まれ。東京教育大学理学部生物学科卒。東京都立大学大学院で生物学を専攻。山梨大学教育人間科学部教授を経て現職。専攻は構造主義生物学。

【著書】『構造主義生物学とは何か』(海鳴社)『構造主義科学論の冒険』(講談社)『環境問題のウソ』(筑摩書房)『寿命はどこまで延ばせるか』(PHP)『やがて消えゆく我が身なら』(角川書店)『ほんとうの環境問題』『ほんとうの復興』(新潮社,養老孟司との共著)など


本川達雄(もとかわたつお)

東京工業大学大学院教授。1948年宮城県生まれ。東京大学理学部生物学科卒。東京大学助手,デューク大学客員助教授,琉球大学助教授を経て91年より現職。専攻は生物学。

【著書】『ゾウの時間 ネズミの時間』(中央公論社)『「長生き」が地球を滅ぼす』『世界平和はナマコとともに』『歌う生物学必修編』(阪急コミュニケーションズ)『生物学的文明論』(新潮社)など


武田邦彦(たけだくにひこ)

1943年生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業。専門は資源材料工学。工学博士。中部大学 総合工学研究所 教授。


安保徹(あぼとおる)

新潟大学大学院医歯学総合研究科教授。1947年青森県生まれ。東北大学医学部卒。東北大学歯学部助手を経て,90年より現職。専攻は国際感染医学・免疫学・医動物学分野。

【著書】『免疫革命』(講談社インターナショナル)『医療が病いをつくる』(岩波書店)『「薬をやめる」と病気は治る』(マキノ出版)『疲れない体をつくる免疫力』(三笠書房)『体温免疫力』(ナツメ社)『人が病気になるたった2つの原因』(講談社)など


古田隆彦(ふるたたかひこ)

現代社会研究所所長。前・青森大学社会学部教授。1939年岐阜県生まれ。名古屋大学法学部卒。八幡製鉄(現・新日本製鉄),社会工学研究所を経て,84年より現職。専攻は応用社会学,消費社会学,人口社会学,未来社会学。

【著書】『人口減少 日本はこう変わる』(PHP)『日本人はどこまで減るか』(幻冬舎)『凝縮社会をどう生きるか』(NHK出版)『人口波動で未来を読む』(日本経済新聞社)など


鬼頭宏(きとうひろし)

上智大学経済学部教授。1947年静岡県生まれ。慶応義塾大学院経済学研究科博士課程満期退学。慶應義塾高等学校教諭,上智大学経済学部助教授を経て現職。専攻は歴史人口学,経済史。

【著書】『環境先進国江戸』(PHP)『人口から読む日本の歴史』『文明としての江戸システム』(講談社)『2100年,人口3分の1の日本』(メディアファクトリー)など


石川英輔(いしかわえいすけ)

作家。1933年京都府生まれ。国際基督教大学および東京都立大学理学部中退。SF小説『大江戸神仙伝』の発表を機に専業作家として活躍。

【著書】『大江戸えねるぎー事情』『大江戸テクノロジー事情』『大江戸リサイクル事情』『大江戸えころじー事情』『江戸と現代―0と10万キロカロリーの世界』(講談社)など


高木由臣(たかぎよしおみ)

奈良女子大学名誉教授。理学博士。1941年徳島県生まれ。静岡大学卒。京都大学大学院理学研究科修士課程修了。同博士課程中退。京都府立医科大学教養課程助手,講師を経て,奈良女子大学理学部助教授,教授。専攻は発生遺伝学,細胞生物学。

【著書】『寿命論―細胞から「生命」を考える』(NHK出版)『生物の寿命と細胞の寿命』(平凡社)『生き延びること―生命の教養学Ⅴ』(慶応義塾大学出版会)『複雑系の科学と現代思想 生命システム』(共著・青土社)『ゾウリムシの遺伝学』(共著・東北大学出版会)など


団まりな(だんまりな)

階層生物学研究ラボ責任研究者。1940年東京生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。大阪市立大学理学部助手,同大学教授を経て退官後現職。専攻は発生生物学,理論生物学,進化生物学。

【著書】『動物の系統と個体発生』(東京大学出版会刊)『生物の複雑さを読む』(平凡社)『生物のからだはどう複雑化したか』(岩波書店)『性のお話をしましょう』(哲学書房)『細胞の意思』(NHK出版)など


八代嘉美(やしろよしみ)

東京女子医科大学先端生命医科学研究所特任講師。医学博士。1976年愛知県生まれ。東京大学大学院医学系研究科病因・病理学専攻修了。慶應義塾大学総合医科学研究センター特別研究助教を経て現職。専攻は幹細胞生物学。

【著書】『iPS細胞 世紀の発見が医療を変える』『増補iPS細胞』(平凡社)『再生医療のしくみ』(共著・日本実業出版社)


大津秀一(おおつしゅういち)

緩和医療医。1976年茨城県生まれ。岐阜大学医学部卒。笹川医学医療研究財団ホスピス緩和ケアドクター養成コース修了。内科専門研修後,日本最年少のホスピス医(当時)として勤務。現在は東邦大学大森病院緩和ケアセンター副センター長。

【著書】『死ぬときに後悔すること25』『死ぬときに人はどうなる 10の質問』『ありがとう生きることそのすばらしさ』(致知出版社)『死と不安を乗り越える』(筑摩書房)『余命半年―満ち足りた人生の終わり方』(ソフトバンクリエイティブ)など


久坂部羊(くさかべよう)

医師。作家。大阪人間科学大学社会福祉学科教授。1955年大阪府生まれ。大阪大学医学部卒。同大学付属病院で消化器外科・麻酔科を研修後,大阪府立成人病センター,神戸掖済会病院医師を経て,在外公館で医務官として勤務。2003年作家デビュー。

【著書】『大学病院のウラは墓場』『日本人の死に時』(幻冬舎)。小説作品として『廃用身』『破裂』『無痛』(幻冬舎)『神の手』(NHK出版)など


上田紀行(うえだのりゆき)

東京工業大学大学院社会理工学研究科准教授。1958年東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科文化人類学専攻博士課程修了。愛媛大学助教授を経て現職。専攻は文化人類学。

【著書】『生きる意味』(岩波書店)『がんばれ仏教!』(NHK出版)『ダライ・ラマとの対話』(講談社)『今,ここに生きる仏教』(平凡社)『「肩の荷」をおろして生きる』(PHP)『慈悲の怒り』(朝日新聞出版)『生きる覚悟』(角川書店)など


養老孟司(ようろうたけし)

解剖学者。東京大学名誉教授。北里大学大学院教授。医学博士。1937年神奈川県生まれ。東京大学医学部博士課程修了。専攻は解剖学。

【著書】『唯脳論』(筑摩書房)『涼しい脳味噌』(文藝春秋)『バカの壁』『死の壁』『養老孟司の大言論』『養老訓』(新潮社)『いちばん大事なこと―養老教授の環境論』(集英社)『私の脳はなぜ虫が好きか?』(日経BP出版センター)など