知りたい!サイエンスシリーズ人の健康は腸内細菌で決まる!
―善玉菌と悪玉菌を科学する-―
2011年3月19日紙版発売
2013年6月25日電子版発売
光岡知足 著
四六判/232ページ
定価1,738円(本体1,580円+税10%)
ISBN 978-4-7741-4576-1
書籍の概要
この本の概要
健康に関する予防医学と民間療法で“バイオジェニックス”が注目を浴びています。西洋医学の薬や成分不明の漢方薬を使うのではなく,いまある体の複雑なバランスを再調整し,自然治癒力を促す物質を利用する方法論です。その中において,人の体に有益な働きをする生きた微生物=プロバイオティクスについての研究の第一人者でもあり,善玉菌・悪玉菌という用語を世に広めた光岡知足さんが,腸内細菌と健康についての科学をやさしく語ります。人は腸内細菌と共存なしでは生きられないことが本書を通じてよくわかります。
こんな方におすすめ
- 食事や生活改善によって健康になりたい方
- 自分の健康に関心のある方
この書籍に関連する記事があります!
- 腸から健康レベルを高めよう!―ヨーグルトの次に到来した「バイオジェニックス」健康法―
- 「ヨーグルトを食べると生きた菌が腸に届き,それが増殖して悪玉菌を抑える」。今では誰もが耳にしたことのあるヨーグルト健康論ですが,じつは必ずしも正しいとは言えないようです。
目次
第1章 腸内細菌が教えてくれたこと
- 1-1 細菌はいかにして発見されたか?
- 1-2 細菌研究を飛躍させた純粋培養法
- 1-3 菌には様々な種類がある?①細胞壁による分類
- 1-4 菌には様々な種類がある?②形状による分類
- 1-5 細菌とウイルスの違いは?
- 1-6 なぜ腸内細菌が重要なのか?
- 1-7 腸の健康に欠かせない善玉菌=乳酸菌の働き
- 1-8 悪玉菌が体に害を及ぼす理由
- 1-10 腸内細菌は年齢によって変化する
- 1-11 赤ちゃんと大人の腸内フローラの違い
- 1-12 腸内フローラの「個性」はどう生じるか?
- 1-13 健康を左右する腸内細菌のバランス
- コラム 「発酵」と「腐敗」の違いは何か?
第2章 腸内細菌学はこうして生まれた
- 2-1 ニワトリの腸内フローラから研究スタート
- 2-2 新発見の連続だった初期の研究
- 2-3 腸内細菌学のパイオニアとして
- 2-4 腸内細菌の培養法をたどる
- 2-5 研究を飛躍させた腸内菌の検索装置の開発
- 2-6 分子生物学的手法による解析を導入
- 2-7 分子生物学的手法の問題点
- コラム 動物は無菌でも生きていける?
第3章 腸内フローラを改善する食事
- 3-1 腸内フローラ研究から生まれた「機能性食品」
- 3-2 健康食品・サプリメントをどう分類するか
- 3-3 発酵乳・乳酸菌飲料はなぜ体にいいのか?
- 3-4 日本人は発酵乳・乳酸菌飲料とどう関わってきたか?
- 3-5 プロバイオティクス研究史?①メチニコフの「ヨーグルト不老長寿説
- 3-6 プロバイオティクス研究史?②ヨーグルトが体にいい理由
- 3-7 プロバイオティクス研究史?③免疫活性という新しいキーワード
- 3-8 腸内フローラを改善するヨーグルトの摂り方とは?
- コラム 私の食事健康法
第4章 バイオジェニックス健康法の提唱
- 4-1 プレバイオティクスの2つの特長
- 4-2 食物繊維が腸内フローラに与える影響
- 4-3 食物繊維の種類と多様な働きを検証する
- 4-4 食物繊維で病気はどこまで防げるか?
- 4-5 オリゴ糖はなぜ腸内フローラを改善するのか?
- 4-6 オリゴ糖研究はいかにして始まったか?
- 4-7 オリゴ糖で腸内フローラを改善するにはリゴ糖をどう摂ればいいか?
- 4-8 バイオジェニックスと免疫活性~①腸管免疫と腸内細菌の関わり
- 4-9 バイオジェニックスと免疫活性~②乳酸菌生産物質の重要性
- 4-10 バイオジェニックスと生理活性物質
- 4-11 健康長寿を実現する秘訣とは?
- コラム 抗生物質を摂りすぎると…?
第5章 顕微鏡から見えてきた生き方の哲学
- 5-1 腸内における「善玉」と「悪玉」の意味~①大事なのは「バランス」
- 5-2 腸内における「善玉」と「悪玉」の意味~②腸内フローラと人間社会
- 5-3 腸内における「善玉」と「悪玉」の意味~③菌と人間の違いは?
- 5-4 「便」から健康の答えが見えてくる~①便が汚いのはなぜ?
- 5-5 「便」から健康の答えが見えてくる~②便の状態をチェックしよう
- 5-6 腸内環境から見たエコロジーの本質
- 5-7 次代の研究者たちへのメッセージ~独創的研究を可能にするもの
この本に関連する書籍
-
自律神経を整えるスマホアプリ100選
ストレスの多い現代社会ではついつい自律神経が乱れがち。するとホルモンバランスが崩れ,代謝が悪くなり,肩こりやイライラ,不眠などさまざまな症状が起きてしまいま...
-
Q&Aでよくわかるアレルギーのしくみ―アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、花粉症、気管支ぜんそくの最新科学―
いまや日本人の国民病と言ってもいいアレルギー。衛生環境の整った都市的な生活が広がりを見せるなか,著者は「アレルギーはこれからの時代を生きる人たちの標準体質に...
-
人のアブラはなぜ嫌われるのか −脂質「コレステロール・中性脂肪など」の正しい科学−
脂肪,とくにコレステロールはみんなの嫌われ者です。健康診断ではコレステロール値や中性脂肪値が気になります。その一方で脂質は三大栄養素には違いなく,体に必要な...
-
腸内細菌と共に生きる ---免疫力を高める腸の中の居候---
1994年に刊行したベストセラー「笑うカイチュウ」から,昨今,再ブレークした「脳はバカ,腸はかしこい」まで,免疫・腸内細菌・寄生虫・アレルギーなどの分野で幅広く...
-
タンパク質はすごい! 〜心と体の健康をつくるタンパク質の秘密
タンパク質には様々な顔があります。よく知られているのは食べ物に含まれている栄養素としてのタンパク質。しかしそれだけにとどまらないことをご存じでしょうか。本書...
-
薬のルーツ”生薬” ―科学的だった薬草の効能―
身近な植物の中には,体にいい影響を与える「薬効」をもつものがあります。昔の人は,これをよく心得ていて,日常生活にうまく取り入れてきました。「薬のルーツ」をた...
-
自然免疫力を高める! ―生命の底力がわかる新しい健康論―
医学の世界で近ごろ話題を集めているのが,体にはじめから備わる自然免疫の力です。そのしくみが分かってきたことで,がぜん注目を浴びています。免疫力をつけると言え...
-
食べ物はこうして血となり肉となる ―ちょっと意外な体の中の食物動態―
野菜を食べると体によい。牛肉を食べるとハッピーな気分になる。 食べ物は食べるだけで,健康に影響を及ぼし,気分にまで作用します。なんの変哲もないふつうの食べ物...