この本の概要

私たち日本人は桜が好きです。
他の樹木とは比べようがないほど鮮やかに咲き誇る桜の花は,爆発的な春の喜びを感じさせてくれます。
同時に,花の盛りが短く,散り急ぐ花びらに,人の世の無情を感じとらせてくれます。
歓喜と無情・・・・・・日本人の心を強く揺さぶる桜を,桜の側から,いわば桜の本音として語らせたらどうなるのでしょう。

本書は,植物学的知識を用いて,桜とはいったいどういう存在なのかに迫ってみます。
植物としての桜,人間の文化的側面と桜の生き様,世界の桜と日本の桜の系統などなど,さまざまな角度描かれる桜の本音とは?
生物としての桜の本音を察してみると,人間が桜を観賞して感じる世界とは違ったものが見えてきます。
貴重で美しい桜の写真と繊細なイラストをふんだんに用い,資料としての価値も併せ持つ価値ある1冊。
存分にお楽しみ下さい。

こんな方におすすめ

  • 桜が大好きな方
  • “生物”としての桜に興味のある方
  • 桜を植物学的に見つめ直す1冊。今までにない価値ある1冊です

著者プロフィール

近田文弘(こんたふみひろ)

1940年生まれ。国立科学博物館名誉研究員。国内外の調査や自然教育の指導に従事し,最近は皇居吹上御苑の植物調査と自然観察会の指導を担当 。『ずかんたね』(技術評論社),『葉実木のかたちで調べる 樹木の名前大事典』(くもん出版),『皇居吹上御苑,東御苑の四季』(NHK出版)など多くの著書・監修書がある。