生物ミステリー(生物ミステリー プロ)
おっぱいの進化史
- 浦島匡,並木美砂子,福田健二 著
- 定価
- 2,068円(本体1,880円+税10%)
- 発売日
- 2017.1.25
- 判型
- A5
- 頁数
- 216ページ
- ISBN
- 978-4-7741-8679-5 978-4-7741-8753-2
サポート情報
概要
哺乳類は,読んで字のごとく「乳で哺くむ(はぐくむ)動物」。
おっぱいこそ,哺乳類の証!!
でも,よーく考えてみると,鳥類,爬虫類,両生類,魚類・・・・・・ほかの脊椎動物のグループにはおっぱいがありません。
なにゆえ哺乳類だけがおっぱいを持っているのだろう?
ある日突然,哺乳類のご先祖さまの体に乳房が現れ,乳汁を出したわけではないはずです。
おっぱいは,いつどこから現れたのか?
どのように進化してきたのか?
そして,おっぱいという機能を哺乳類はどう活用してきたのか?
このミステリーに,気鋭の生物学者たちが果敢に挑みます。
おっぱいのつくりや成分を通して見えてくる「おっぱいの進化史」。
それは一体いかなるものなのでしょう。
本書では,ほかにも,
おっぱいの中には何が入っているのか?
人間以外の動物のおっぱいの成分は?
おっぱいを我々はどのように利用してきたのか?
「乳」と名がつく乳酸菌のひみつ
などなど,おっぱいを総合的に掘り下げます。
まさに「おっぱい本の決定版」にふさわしい1冊。
ぜひご一読ください。
こんな方にオススメ
- おっぱいに興味のある方
- 哺乳類の進化に関心のある方
- おっぱいにおける哺乳類たちの生存戦略を知りたい方
- ※なぜ哺乳類だけが「お乳」を出すのか知りたい方にオススメです
目次
PROLOGUE おっぱいとは何か?
CHAPTER1 おっぱいの中には何がある?
- 1-1 おっぱいのしくみと主要な成分
- 1-2 おっぱいのタンパク質
- 1-3 おっぱいに含まれる脂肪
- 1-4 おっぱいの糖=乳糖(ラクトース)
- 1-5 ミルクオリゴ糖
- 1-6 微量で大切なミネラル
CHAPTER2 哺乳類のおっぱい
- 2-1 哺乳類のくらしとおっぱい
- 2-2 ミルクオリゴ糖のちがい
- 2-3 さまざまなおっぱい物質
CHAPTER3 おっぱいで育つ動物の誕生 ~哺乳類の進化~
- 3-1 おっぱいは哺乳類に繁栄をもたらした
- 3-2 哺乳類の誕生
- 3-3 おっぱいの誕生
- 3-4 原初,おっぱいは皮膚を通して卵に送られた?
- 3-5 骨に見るおっぱいの進化
- 3-6 おっぱいタンパク質の獲得
- 3-7 ミルクオリゴ糖から哺乳類の祖先を知る
- 3-8 乳糖を消化する進化
- 3-9 おっぱい脂肪の進化
CHAPTER4 発酵乳のふしぎ
- 4-1 乳酸菌って何だろう?
- 4-2 乳と乳酸菌の切っても切れない関係
- 4-3 乳+乳酸菌=発酵乳
- 4-4 チーズ作りと乳酸菌
- 4-5 ヒトと乳酸菌
- 4-6 おなかに住む乳酸菌とヒトの健康
- 4-7 乳酸菌の潜在的健康リスク
- 4-8 ヒトと乳酸菌の未来
CHAPTER5 乳利用の歴史
- 5-1 おっぱいを与えてくれた動物たち
- 5-2 どうやっておっぱいをいただいたのか?
- 5-3 乳利用の移り変わり
- 5-4 乳製品の製法と歴史
- 5-5 日本の乳利用
- 5-6 乳にまつわるアラカルト
- 5-7 現在日本の乳製品とその利用法
- おっぱいはどこにある?
- オスは子育てに参加する?
- 動物園の人工哺育
- おっぱいの神様
COLUMN
プロフィール
浦島匡
帯広畜産大学畜産学部畜産衛生学部門教授。
1957年広島県生まれ。
1980年東京農工大学農学部卒業。
1986年東北大学大学院にて博士課程修了。
1986年帯広畜産大学畜産学部の助手に。以後,助教授,教授を歴任。
専門はミルク科学,糖質科学,畜産物科学。哺乳類のおっぱいに含まれるミルクオリゴ糖の研究を続け,ミルクオリゴ糖から哺乳動物の進化と環境への適応戦略,腸内細菌との共生などを見続ける。
妻と二人で毎年海外に出かけ,当地の文化財を見ておいしいものを食べるのを楽しみにしている。
並木美砂子
帝京科学大学アニマルサイエンス学科教授。
東京農工大学卒業後,千葉市職員となる。動物公園建設室,動物公園飼育課勤務を経て,2013年より現職。
博士(学術)。
動物園での動物介在教育に関心をもつとともに,任意団体「ShoeZ」代表として,保全教育の実践をさまざまな動物園で行っている。
福田健二
帯広畜産大学畜産学部畜産衛生学部門准教授。
1972年兵庫県姫路市生まれ。
2002年北海道大学大学院農学研究科博士後期課程修了(農学博士)。
同年カールスバーグ研究所生化学部門博士研究員。
2005年帯広畜産大学畜産衛生学専攻助教,2010年同畜産衛生学研究部門准教授,現在に至る。
専門は乳タンパク質化学と食品微生物学。趣味は渓流釣りとテレマークスキー。