図解即戦力
図解即戦力
証券業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書
- 土信田雅之 監修
- 定価
- 1,650円(本体1,500円+税10%)
- 発売日
- 2021.4.21 2021.4.16
- 判型
- A5
- 頁数
- 224ページ
- ISBN
- 978-4-297-11878-5 978-4-297-11879-2
サポート情報
概要
証券業は、株式・投資信託・債券・デリバティブなど扱う商品は幅広く、金融の知識に加え、経済の動きを読む力が求められます。仕事はリテール・ホールセールから投資銀行業務まであり、専門性も異なります。低金利下で資産運用が注目されており、証券業の役割はますます高まっています。本書では、証券ビジネスの基本としくみから始め、業界地図、多様な金融商品、証券会社の仕事といった内側まで理解できます。知っておきたい専門用語もわかりやすく説明しています。
こんな方にオススメ
- 証券業界に就職・転職を考えている方
- いまの証券業界の事情を知りたい方
- 今後の証券ビジネスの展開に興味がある方
目次
Chapter 1 証券業界を取り巻く環境
- 01 日本の証券業界をけん引する大手総合證券
- 02 総合証券化に活路を見い出す準大手証券
- 03 独自色で生き残りを図る地場証券
- 04 アベノミクスでセルフ層の需要が回復しつつある?
- 05 日本取引所グループの誕生
- 06 普及が進む非課税制度のNISAやiDeCo
- 07 小売業やカード会社などの異業種からの参入が増加している
- 08 老後2,000万円問題が世の中に与えた衝撃
- 09 コロナショックで証券会社の口座開設数が増加している?
- COLUMN1 LINE証券が証券業界に与えた衝撃
Chapter 2 証券業界の基礎知識
- 01 日本の証券業の始まり~世界恐慌や終戦までの歴史~
- 02 直接金融の担い手である証券業界
- 03 高度経済成長とバブル崩壊~失われた20 年~
- 04 金融ビッグバンとネット証券の躍進
- 05 金融業界から見る証券業界の市場規模
- 06 証券業界の金融ビジネスとほかの金融業界との違い
- 07 さまざまな証券会社の種類と特徴
- 08 国内における証券取引所の役割
- 09 証券会社が扱う「証券」ってそもそもどういうもの?
- 10 証券の売買のしくみと証券会社の仕事
- 11 証券会社が担う4大業務
- 12 証券業界における絶対のオキテ! 金融商品取引法とは?
- COLUMN2 業界をまとめる日本証券業協会
Chapter 3 ⽇本の証券会社
- 01 証券会社の変遷
- 02 証券会社の時価総額と預かり資産ランキング
- 03 証券業界で金融コングロマリット化が進む
- 04 証券業界をけん引する国内5大証券
- 05 現在、国内準大手証券は2社のみとなっている
- 06 個人投資家相手に営業する中堅・地場証券
- 07 シェアを拡大し続けているネット専業証券
- 08 プライベートバンキングに力を入れ始めた外資系証券
- 09 デリバティブ取引をけん引する先物取引系証券会社
- 10 ホールセール専業の証券会社も存在する
- COLUMN3 増加する独立系フィナンシャル・アドバイザー
Chapter 4 証券会社のビジネスのしくみ
- 01 証券会社の収益源
- 02 顧客本意の業務運営が促す収益モデルの転換
- 03 アンダーライティング業務ってなに?
- 04 株式公開(IPO)は証券会社の収入源の1つ
- 05 投資銀行業務の代表的な業務であるM&A
- 06 マーケット調査の専門である「リサーチ」部門
- 07 顧客と証券会社の資産は別々に保管・管理されている
- 08 顧客の資産の管理と運用を行うアセットマネジメント
- 09 証券会社ではさまざまなリスクを管理する必要がある
- 10 証券会社における社会貢献活動
- COLUMN4 証券業界に求められるコンプライアンス
Chapter 5 証券業界が取り扱うさまざまな⾦融商品
- 01 金融商品にはリスクとリターンがある
- 02 企業や国が資金調達を目的に発行する「有価証券」
- 03 証券取引所で取引する上場株式
- 04 手元資金以上の売買が可能となる「信用取引」
- 05 商品ラインナップが充実している「投資信託」
- 06 投機性の高さが人気の「先物取引」と「オプション取引」
- 07 個人投資家からの人気が急上昇中の「FX」
- 08 証券会社の収益を支える債券
- 09 投資と保険を融合させた「年金保険」
- 10 資産運用を行いながら資金調達できる「証券担保ローン」
- 11 不動産を証券化した商品「REIT」
- 12 投資一任契約で運用から管理まで行う「ラップ口座」
- COLUMN5 日本市場のカギを握る外国人投資家
Chapter 6 証券会社の仕事と組織
- 01 証券会社の組織の全体像
- 02 証券業界の基本データ~給与から福利厚生まで~
- 03 証券業界のキャリアパス
- 04 証券業界が力を入れる人材開発と研修制度
- 05 証券会社の花形「リテール営業」部門
- 06 大企業や機関投資家が相手の「ホールセール」部門
- 07 企業の買収・合併や資金調達に関わる「投資銀行業務」部門
- 08 金融商品の開発・組成を行う「ストラクチャリング」部門
- 09 資金を投じて自己売買を行う「ディーリング」部門
- 10 市場に影響を与える証券会社の「調査部門」
- 11 証券会社の数字・統計の専門家「クオンツ」
- 12 顧客の信頼を高める「カスタマーサポート」
- 13 信用を維持する監視役「法務」「コンプライアンス」部門
- 14 証券会社の生命線である「システム」部門
- COLUMN6 証券業界は、今も男社会のまま?
Chapter 7 支店証券マンの仕事
- 01 支店全体のスケジュールと動き
- 02 若手社員の1日のスケジュール
- 03 マネジャーの1日のスケジュール
- 04 証券マンに課される目標とは
- 05 重要視される新規顧客の開拓営業
- 06 証券会社のトレーダーの1日のスケジュール
- 07 気になる新人の転勤、異動のタイミング
- COLUMN7 証券会社の離職率は高いって本当?
Chapter 8 グローバルな視野が必要な証券業界
- 01 世界に影響を与える3大証券取引所
- 02 そのほか知っておきたい世界各地の証券取引所
- 03 金融の歴史を揺るがした金融危機ってなに?
- 04 世界の金融をけん引する米国の証券市場
- 05 老舗の名門企業が多い欧州の証券市場
- 06 日本の取引規模を猛追する中国市場
- 07 中国の手が伸びる香港市場と停滞が続く韓国市場
- 08 注目を集めるASEAN市場
- COLUMN8 GAFA中心にIT産業に流れ込む資金
Chapter 9 証券業界の課題と未来
- 01 野村證券が進める構造改革
- 02 進まない日本の投資教育
- 03 ポスト・アベノミクス戦略の模索が続く
- 04 金融シームレス化が加速している
- 05 証券業界で起きているAI革命とは
- 06 東京証券取引所によるフィンテックの取り組み
- 07 売買手数料無料化によるフィー型ビジネスへの移行が必須に
- 08 期待されるIFAと証券業界の今後の関わりかた
- 09 大相続時代に立ち向かう必要がある大手証券会社
- 10 日本の総合取引所は誕生したばかり
付録 押さえておきたい証券業界に関わる専門用語
プロフィール
土信田雅之
監修。
楽天証券経済研究所 シニアマーケットアナリスト
1974年生まれ。青山学院大学国際政治経済学部卒業。国内証券会社にて企画や商品開発に携わり、マーケットアナリストに。2011年より現職。中国留学経験があり、アジアや新興国の最新事情にも精通している。著書に『ど素人でも稼げる信用取引の本』(翔泳社)がある。
著者の一言
ここ数年は、ライフプラン(人生設計)を踏まえた資産運用ニーズの高まりなどもあって、株式・投資信託などへの証券投資に関心を持つ人が増えてきました。実際に、インターネットを通じた取引サービスはすでに当たり前の存在になっていますし、個人投資家のための税制優遇制度であるNISA(ニーサ)や、個人型年金制度のiDeCo(イデコ)といった投資環境の整備も進んでいます。
このように、投資という面では証券会社とかかわる機会が着実に増えているわけですが、その一方で、証券会社および業界が具体的にどのようなビジネスを行っているのかについては、「イマイチよくわからない」という人も多いのではないのでしょうか? また、就活生にとっても、証券会社は毎年一定の人気を誇っていますが、具体的なイメージを描きにくい業界でもあるようです。
金融業界という大きな枠組みのなかで、銀行がメインプレイヤーとなっている「間接金融」とは異なり、証券会社が担っている守備範囲は「直接金融」と呼ばれ、国内外の企業や国が発行する株式や債券を投資家が購入し、その購入資金が企業や国に直接供給されるしくみに携わっています。業務内容が多岐にわたっているほか、世の中の大きな流れや変化に応じて、新たなビジネスも次々と誕生するなど、ダイナミックさも持ち合わせています。
本書は、証券業界の概要やしくみ、基本的な知識、ビジネス環境などについてわかりやすく解説しています。本書を通じて証券業界およびそのビジネスの魅力に触れ、理解を深める一助となれば幸いです。 (「はじめに」より)