ウェブ立地論
“来てほしい人にアプローチする”集客につながる顧客目線のウェブの作り方

[表紙]ウェブ立地論 ~“来てほしい人にアプローチする”集客につながる顧客目線のウェブの作り方

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A5判/464ページ

定価2,970円(本体2,700円+税10%)

ISBN 978-4-297-12064-1

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書籍の概要

この本の概要

いまや企業がWebサイトを持つことはあたりまえとなりましたが,そのWebサイトが業務や業績に結びついているかというと厳しいというのが現実です。そこでWebのPV向上とかSEOといったテクニックやノウハウに走りがちですが,数字ばかりを追って,本来の目的を忘れてしまいがちです。そこで本書は,Webにおける動線を「立地」と捉え,情報の出し方(選び方)に問題がないか,どうやって伝えたい相手を誘導するのか,どのような情報を用意すべきか,を解説していきます。特に,集客対策やテクニックに走る前に定めておくべき「ノウワット(Know-WHAT)」の調査と準備に注力し,本当に伝えたい相手(顧客)の目に触れ,仕事につながるWebサイトにどのように落とし込むかを実践的に解説します。

こんな方におすすめ

  • 企業のWeb担当者
  • 特に,本業(総務,広報,情シスなど)との兼任でWebも任されているような方たち

目次

第1章 ウェブにとって「立地」とは何か?

  • 1-1 だれと出会わなければいけないか
    • ウェブにも立地がある
    • 企業にとってのウェブの意義
    • 集客は、多ければ良いというものではない
    • だれを何人呼ぶのが適切か
    • 顧客が解決策を求めてさまよう大通りに立地する
    • ウェブの専門家は、製品の専門家ではない
    • 成功体験がないからウェブへの期待値は低いまま
  • 1-2 専門家を連れてくる前にすべきこと
    • 制作会社の作るスケジュールでは絶対にうまくいかない
    • 素人が仕事をするには、手順書が必要
    • 初めての人でも飲食店開業の手順は理解できる
    • ウェブでも、事前に立地を調べることが不可欠

第2章 ウェブの立地と商圏

  • 2-1 ウェブ立地に必要な因子とは何か
    • 「立地」と「商圏」の定義
    • リスティング広告やSEOで多く起こる「すれ違い」
    • リスティング広告ではカバーできないこと
    • 商圏調査は自分で行う
    • ウェブではベテランの勘に頼ることができない
    • 立地選定の「因子」分析
    • ウェブの動線とは
    • 動線の効果についての検証
    • 要因の貢献度と必要な目標獲得量から、サイトを計画できる
    • 集客チャネルの主動線「TG(交通発生源)」をとらえる
    • コストをかけなくても情報は集められる
    • 対象者の関心に寄り添う「情報発信カレンダー」を作る
    • 商圏をつかんだら、競合分析をスタート
    • あと付け集客ではうまくいかない
  • 2-2 立地論の歴史から学ぶ「お客様との距離を乗り越える魅力度」
    • 辞書的な定義としての「立地」
    • 距離が利益に影響するチューネンの農業立地論
    • 三角形で最適化するウェーバーの工業立地論
    • 中心地を商圏が取り巻くクリスタラーの中心地理論
    • 立地から競争優位を導くポーター
    • 距離で集客シェアを計算するハフモデル
    • イメージしやすさを分解したリンチ「都市のイメージ」
    • ウェブの鉄則的配置と魅力度
    • お客様の動線を把握する
    • ほかの「売り場」が見えることで魅力が増えていく
  • 2-3 ウェブにおける立地と商圏、競合のとらえ方
    • トップにかっこいい写真を掲載しても企業の発信にはならない2つの理由
    • ウェブの商圏
    • ウェブの立地
    • ウェブの競合
    • ウェブのTG(交通発生源)
    • ウェブ立地の構造
    • 商圏との間に敷く「道」
    • ウェブ立地とサイトの価値向上

第3章 立地に基づく基本構想と事業計画の進め方

  • 3-1 どんなサイトにするか、「基本構想」を考える
    • 企業にとってウェブとは何をするものだったか
    • だれに来てほしいのか、ウェブ担当者は意外に知らない
    • ヒアリングして全部門の対象者をリストアップ
    • ヒアリングシートを作って部署を回る
    • 対象者をさらに細分化する
    • ヒアリングからExcelファイルへのまとめ
    • それぞれの対象者の数を記入する
    • 対象者に何をさせるか、目標を決める
    • 社内に伝えるための「文章化」
  • 3-2 サイトからの利益を見積もる「事業計画」
    • 新規契約数と単価で「売上価値」を算出する
    • 制作会社の見積りも売上価値から判断する
    • 売上価値以外のウェブの価値とは

第4章 ウェブ立地とサイト構造

  • 4-1 ウェブ立地に成果をもたらすための要件
    • 対象者は課題の解決方法を探している
    • 看板を出すだけではない立地の要素
    • 訪問者の7割が自社のことを知らない
    • 対象者が1ページで帰らないサイトには何がある?
  • 4-2 顧客の役に立つ「コンテンツ」を作る
    • コンテンツとはなにか
    • 人の目に留まるコンテンツとは
    • サイト構造に落とし込む

第5章 立地調査の進め方

  • 5-1 自分の手で「概略調査」を始める
    • まずは自社の業種から調査を開始
    • 他社サイトを見るときに大切なパーツ
  • 5-2 キーワードを使った立地調査
    • キーワードプランナーの使い方
    • Ubersuggestの使い方
    • ソーシャルメディアの情報探索
    • キーワード調査結果と立地

第6章 ウェブ立地に不可欠なサイト構成

  • 6-1 サイトはたくさんのページが上下関係をもってできている
    • 自社サイトの「ページ数」を把握していますか?
    • ページ数はウェブ立地に重要な要素
    • サイト構成の基礎知識
    • サイト構成表はウェブ管理、評価に欠かせない道具
  • 6-2 サイト構成表の作成方法
    • (1)制作会社にもらう
    • (2)ゼロから作成する
    • (3)Googleアナリティクスから簡易的に作成する
    • サイト構成表をもっと使いやすく加工する
    • サイト構成表のメンテナンス
  • 6-3 サイト構成表を利用する
    • サイト構成表にアクセス数値を入れればすべてわかる
    • Googleアナリティクスからデータを取り込む
    • Googleアナリティクスから取り込むデータの意味
    • 現状サイトの効果と状況を分析する

第7章 ウェブ設計とコンテンツ作成

  • 7-1 ウェブ設計の進め方
    • 今のサイトにコンテンツを追加してみる
    • サイト構造には2つの流れがある
    • 成長を見越したウェブサイトのフォルダー構造
    • ゼロから考えるリニューアルサイト構成
    • 対象者が求める情報と製品特長の重なり合い
    • 立地から目標への流れをフォルダー構造に整理する
    • リニューアルサイト構成表の完成
  • 7-2 コンテンツ作成のための原稿執筆法
    • ウェブの記事に「上手な文章」など必要ない
    • 原稿作成の手分けの仕方
    • ウェブの文章は「サビあたま」
    • 適切な文章の長さ
    • ウェブの文章にはどんなパーツがあるか?

第8章 サイト評価と改善

  • 8-1 評価のポイントを決める
    • リニューアルはスタートライン
    • ウェブ立地サイトのためのいちばん簡単な評価方法
    • Googleアナリティクスが難しいと考える人が多い理由
  • 8-2 評価と改善の実務
    • ページ遷移についてのビフォーアフター分析方法
    • Googleタグマネージャーでアナリティクスを導入する
    • サイト構成表でチェックポイントを決めておく
    • 目標ページへの誘導力を一括評価する
    • 一度にたくさんのページを改定する
  • 8-3 集客施策とサイト評価
    • 現在の集客力を確認する
    • グラフ化して全体の傾向を把握する
    • 集客シェアを全ページで計算する
    • サイト全体を俯瞰して集客イメージをもつ
  • 8-4 有効な集客を増やす
    • 目標を登録する
    • 目標管理ファイルを用意する
    • 目標画面の使い方
    • お問い合わせへの到達とページを結び付ける
    • セグメントを自分で設定して調べる
    • セグメントを使わず、集客→目標到達の効果を見る方法
  • 8-5 ページは最後まで読まれているのか
    • あまりにもブレが大きい「平均ページ滞在時間」
    • 全ページの読み込みを調べる「スクロール深度」
    • 「精読率」でサイトの評価を行う
  • 8-6 「閲覧価値」の成長でウェブ担当者の評価は決まる
    • ウェブサイトの価値を金額換算で評価する
    • 行動価値の算定
    • 売上価値の算定
    • 閲覧価値の算定
    • サイト価値の変化を評価する
    • サイト構成表に評価データを集合させる

著者プロフィール

石井研二(いしいけんじ)

1961年,神戸生まれ。雑誌編集,通販カタログ企画を経て,95年からウェブプロデューサ。Web黎明期からアクセス解析を使い,多くの企業サイトを成功に導く。2002年からはアクセス解析サービス「サイトグラム」を展開,年間20億ページビュー以上を解析し,「日本一のログ読み男」として知られる。2018年,株式会社ミルズの設立に関わり,主任研究員に。ウェブ運営に欠かせない指標「直帰率」の名付け親としても知られる。
著書に『改訂新版 アクセス解析の教科書』(翔泳社),『集客力を飛躍的に向上させるGoogle Analyticsアクセス解析の極意』(秀和システム),『ガッチリ成果を出すWeb担当者の教科書』(技術評論社)がある。