「気持ちいい」から考えるゲームアイデア講座

書籍の概要

この本の概要

ゲームクリエイターを志してゲーム業界を目指す学生や現在ゲーム業界で働く社員,個人のゲーム制作者を対象に,「アイデアの種を見つける」方法とその育て方,鍛え方を扱う書籍です。

ゲームクリエイターとしてのプロとアマチュアの差は「アイデアを考える」部分ではなく,その先にある「アイデアを遊びやゲームにする」部分に生じます。

そこで重要な考え方が「気持ちいい」を見つけてそれを軸に考えることです。「気持ちいい」を常に中心に置くことで,「うまく膨らまない」「目的が見えない」「単なる作業に終始してしまう」といった躓きがちな落とし穴を避け,多くの人に楽しんでもらえる肉厚で骨太な企画になるでしょう。

前半で「気持ちいい」をどう見つけるか,見つけた「気持ちいい」をどうゲームにしていくかを丁寧に扱い,後半では実際の企画を想定した講評形式でより具体的なポイント,問題点,改善点もしっかり解説。

これまで数多くの人気作品・シリーズを手掛け,指導経験,講演経験も豊富な著者の実体験に基づくポイントを実例と共にまとめることで,ゲームだけにとどまらない「クリエイターとしての思考法」と「アイデアの膨らませ方」を身に付けられるようになります。

こんな方におすすめ

  • アイデアや発想法を知りたいエンタメ・ゲーム系業界の若手社員,個人のゲーム開発者,ゲーム業界志望者の学生

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目次

Chapter1 ゲームは「気持ちいい」から考える

  • 1-1 プロクリエイターとしての心構え
    • 1-1-1 プロとしての意識
    • 1-1-2 エンターテインメントは“おもてなし”
    • 1-1-3 おもてなしの精神とは
    • 1-1-4 陥りがちな落とし穴
    • 1-1-5 アイデアの前ではプロもアマチュアもない
  • 1-2 「気持ちいい」からゲームを分析する
    • 1-2-1 ゲームを見て考える?
    • 1-2-2 ジャンルから考える?
    • 1-2-3 よいゲームに共通するのは「気持ちいい」こと
    • 1-2-4 既存のゲームやジャンルから何を学ぶか
    • 1-2-5 「スーパーマリオブラザーズ」の「気持ちいい」
    • 1-2-6 ゲームの「気持ちいい」を分析する
    • 1-2-7 「気持ちいい」を生み出すゲームの構成要素

Chapter2 「気持ちいい」を「遊び」にする

  • 2-1 「気持ちいい」を考える
    • 2-1-1 「気持ちいい」を探す
    • 2-1-2 ゲームの中の「気持ちいい」
    • 2-1-3 「気持ちいい」が繰り返し起これば「遊び」にな
    • 2-1-4 プチプチ遊びを考える
  • 2-2 「気持ちいい」の見つけ方
    • 2-2-1 アイデアとは「新しい組み合わせ」である
    • 2-2-2 「行為」から考える
    • 2-2-3 「操作」から考える
    • 2-2-4 「感情」を変えてみる

Chapter3 「気持ちいい」を「ゲーム」にする

  • 3-1 「気持ちいい」を「ゲーム」にするには
    • 3-1-1 「ゲーム」になる要件
    • 3-1-2 「ゲーム」に必要な「目的」と「課題」
    • 3-1-3 じゃんけん大会を「ゲーム」にするには
    • 3-1-4 課題を設定する
    • 3-1-5 目的を設定する
  • 3-2 「ゲーム」になったアイデアこそが「核になるアイデア」である
    • 3-2-1 「塊魂」の「課題」と「目的」
    • 3-2-2 「Hole.io」の「課題」と「目的」
    • 3-2-3 「気持ちいい」を「核になるアイデア」まで高める方法

Chapter4 アイデアの3要素から「気持ちいい」を考える

  • 4-1 核になるアイデアの3つの要素
    • 4-1-1 テーマ,コンセプト,システム
    • 4-1-2 「気持ちいい」を最大化するテンポを探る
  • 4-2 3つの要素からアイデアを考える
    • 4-2-1 テーマから発想する
    • 4-2-2 コンセプトから発想する
    • 4-2-3 システムから発想する

Chapter5 「気持ちいい」を既存のゲームと組み合わせる

  • 5-1 「気持ちいい」を組み合わせる
    • 5-1-1 おもしろいゲームに共通すること
    • 5-1-2 その「気持ちいい」があるとどんな「イイコト」があるか
    • 5-1-3 「普遍的な要素」と「独自性の要素」
    • 5-1-4 同じ要素だけでもゲームになっているか
    • 5-1-5 既存のゲームと違う独自性の要素
  • 5-2 ケーススタディ「ジェミニウイング」
    • 5-2-1 ジェミニウイングの「気持ちいい」
    • 5-2-2 既存のゲームと組み合わせてみる
    • 5-2-3 組み合わせたゲームと差別化する
    • 5-2-4 どんなゲームが実現できたのか
    • 5-2-5 独自のアイデアとして発展させる
  • 5-3 ケーススタディ「風のクロノア」
    • 5-3-1 似た要素を持ったゲームと同じ要素
    • 5-3-2 似た要素を持ったゲームと違う要素
    • 5-3-3 違いからコンセプトを導く
    • 5-3-4 コンセプトを中心に膨らませていく

Chapter6 既存のゲームを「気持ちいい」から分析する

  • 6-1 「モンスターストライク」の分析
    • 6-1-1 「モンスターストライク」の「気持ちいい」
    • 6-1-2 本企画の独自性
    • 6-1-3 コンセプトに貢献するように考えていく
    • 6-1-4 「モンスターストライク」の分析まとめ
  • 6-2 他のゲームの場合
    • 6-2-1 「忍者龍剣伝」の場合
    • 6-2-2 「ミスタードリラー」の場合
    • 6-2-3 「キャプテン翼」の場合
    • 6-2-4 「スプラトゥーン」の場合

Chapter7 アイデアを完成させる

  • 7-1 アイデアを検証する
    • 7-1-1 新しいアイデアとコンセプトの完成
    • 7-1-2 「遊び」が物足りなくて仕様を足す場合
    • 7-1-3 「核になるアイデア」の3 要素とテンポ
  • 7-2 核を支えるアイデア
    • 7-2-1 「ミスタードリラー」のアイデアの欠陥
    • 7-2-2 アイデアの方向
  • 7-3 核を膨らませるアイデア
    • 7-3-1 アイデアの再検証
    • 7-3-2 コンセプトをより楽しませるアイデア
    • 7-3-3 「風のクロノア」のコンセプト

Chapter8 アイデア会議

  • 8-1 アイデアを会議で膨らませる
    • 8-1-1 テーマを決める
    • 8-1-2 アイデアはたくさん出す
    • 8-1-3 他人のアイデアを尊重する
    • 8-1-4 考えなしに同調しない
  • 8-2 ブレインストーミングでアイデア出ししよう
    • 8-2-1 ブレストの準備
    • 8-2-2 個人ワーク
    • 8-2-3 発表
    • 8-2-4 振り返りと評価
  • 8-3「それいけ!ランナーくん」のブレスト
    • 8-3-1 ブレストの開始
    • 8-3-2 個人ワーク
    • 8-3-3 発表
    • 8-3-4 ブレストに役立つアプリ

Chapter9 ゲームアイデアの傾向と対策

  • 9-1 箱を運べばいいんじゃない?
  • 9-2 色を混ぜたらいいんじゃない?
  • 9-3 色のパワーを使ったらいいんじゃない?
  • 9-4 色で変身したらいいんじゃない?
  • 9-5 ギリギリで避けたらいいんじゃない?
  • 9-6 影踏まずにしたらいいんじゃない?
  • 9-7 追いかけられたら怖くていいんじゃない?
  • 9-8 敵に憑依できたらいいんじゃない?
  • 9-9 世界観を楽しんでもらえればいいんじゃない?
  • 9-10 集めてつくれたらいいんじゃない?
  • 9-11 火を使ったらいいんじゃない?
  • 9-12 レースの車が変形したらいいんじゃない?
  • 9-13 ロボットならカッコいいんじゃない?
  • 9-14 バカゲーならいいんじゃない?
  • 9-15 シミュレーションすればいいんじゃない?
  • 9-16 直接操作できた方がいいんじゃない?
  • 9-17 VR ならいいんじゃない?
  • 9-18 パーツ探して組立てればいいんじゃない?

付録 ゲームアイデアチェックシート

    • 『ミスタードリラー』紹介
    • 『風のクロノア door to phantomile』紹介

著者プロフィール

𠮷沢秀雄(よしざわひでお)

テクモ,ナムコ,バンダイナムコゲームス,バンダイナムコスタジオにて,ディレクター,プロデューサーとして様々なジャンルのゲームを制作。
2016 年フリークリエイターに転身し,全国の大学や専門学校等で講演活動を行なう。
2020 年東京工芸大学芸術学部ゲーム学科の教授に就任,現在に至る。
代表作は「マイティボンジャック」「忍者龍剣伝」「風のクロノアdoor to phantomile」「ミスタードリラー」他50 本以上。