イノベーションの世界地図
――スタートアップ、ベンチャーキャピタル、都市が描く未来

[表紙]イノベーションの世界地図 ――スタートアップ、ベンチャーキャピタル、都市が描く未来

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A5判/472ページ

定価2,200円(本体2,000円+税10%)

ISBN 978-4-297-14091-5

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この本の概要

未来の世界を牽引するイノベーションは,どこで,どのようにして生まれるのでしょうか?

コロナ禍,相次ぐ戦争,米中対立など,この数年の世界情勢の先行きは予測困難を極めました。メタバースや生成AIなどの新技術が人々を驚かせた時期でもありました。一方で眼前の日本社会には少子高齢化や経済の低迷などの課題が山積したままです。停滞する現状を打破すべくイノベーションに期待する声は小さくありませんが,「未来」を想像することが困難な時代において,イノベーションの行く末をどのように見定めればよいのでしょうか。

本書では「ベンチャーキャピタル(VC)」と「都市」の二つに注目し,イノベーションの原動力となる「スタートアップ」がいかにして生まれ成長してきたか解説します。VCとスタートアップはともに成長を重ねた存在であり,リスクをとって投資先を見極めるVCの動向は技術の未来を示す道標となります。そしてスタートアップ,なかでも評価額が巨額な“ユニコーン”は特定の都市に偏在する性質があります。ユニコーンが生まれる都市には“生態系”の秘密があるのです。

イノベーションはどのようにして生まれたのか。

未来はどこに向かうのか。

そして日本はいかにすべきなのか。

本書はその秘密と疑問を解き明かします。

こんな方におすすめ

  • イノベーションの動向を知りたい人
  • 各国のスタートアップやベンチャーキャピタルについて知りたい人
  • 日本経済・社会の課題について考えている人

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本書のサンプル

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著者プロフィール

上原正詩(うえはらまさし)

1987年,東京大学教養学部卒。1989年,同大学院総合文化研究科広域科学専攻,学術修士。1991~92年,英マンチェスター大学留学,工学・科学政策研究(PREST,現マンチェスター・イノベーション研究所)で科学修士。1989年,日本経済新聞社に入社,エレクトロニクス,メディア,環境・エネルギー,農業・食品などのビジネスを取材。1997~2000年,シンガポール,バンコクに記者として駐在。2015年,日本経済研究センターのエコノミストに転じ,アジア経済予測などを担当。アジア研究本部部長などを経て,2024年に投資家として独立。主な著書に「農を変える企業:ビジネス化が拓く100兆円市場」(日本経済新聞出版,1996年),「ドキュメント知財攻防:著作権ビジネスを支配するのは誰か?」(日本経済新聞出版,2003年)など。