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LaTeX入門書として定番としてのご評価をいただいております「LaTeX2ε美文書作成入門」に,待望の改訂第4版が登場しました! ご好評いただいている丁寧な解説はそのままに,標準ディレクトリの改定やUnicodeへの対応など,最新の情報を取り込んでいます。
これからTeXを学ぼうとして方はもちろん,既にTeXを使っている人にも役立つ情報満載です。
そもそもTeXってなんだ?
TeXはスタンフォード大学のDonald E. Knuth教授が作った組版ソフト(DTPソフト)です。フリーソフト(オープンソース)で,あらゆる種類のコンピュータで利用でき,高精度で高度な組版技術が組み込まれています。
TeXはHTMLなどのように原稿中にコマンドを埋め込んでいくことでページを組んでいきます。オリジナルのTeXは基本的な機能しか提供していませんが,高度なマクロを組むことができ,一般にTeXを使っているといっても今ではLaTeXというマクロパッケージの,2εというバージョンを組み込んだものを使用していることがほとんどです。
図1 LaTeXでの基本的な原稿の例
\documentclass[a4paper]{jarticle}
\begin{document}
\section{章見出し}
文章
\subsection{節見出し}
文章
:
\end{document}
LaTeXはLeslie Lamport氏が開発したマクロパッケージで,文書の論理構造と視覚的なレイアウトを分離して考えることができるように工夫されています。さらには目次や索引,ページ・章・節・図表番号の自動生成機能など,ほかのワープロ/DTPソフトでは簡単にはできないようなことが標準でサポートされています。
LaTeXで出来る!あんなことこんなこと
TeX,LaTeXについては簡単に説明しましたが,それ以外にLaTeXではどんなことが出来るのか,気になりませんか?
組版ソフトですから,ワープロやDTPソフトのように文書をレイアウトできるのは当然として,TeXといえばやっぱり数式です。最近はワープロ/DTPソフトでも高度な数式を組めるものも増えてきていますが,やはり昔から数式の美しさに定評のあるTeXに一日の長があります。
図2 LaTeXで組んだ数式の例
また最近では,各国の有志の方々による環境の整備が進んだこともあり,ほかでは見られないような多くの国の言語・文字を正確に扱えるようになっていることも注目に値します。フランス語,ドイツ語,ロシア語,ギリシア語などのラテン系言語ばかりでなく,アラビア語やインド系で使われるデーヴァナーガリー,さらにはルーン文字やアラム文字まで用意されています。
図3 デーヴァナーガリーの例
もちろん,これらの言語を使いこなすにはそれなりの環境設定をしなければなりませんが,特殊な言語を扱いたい場合には,ほかのソフトにはない魅力ではないでしょうか。
そのほかにも,TeXの原稿ファイルはすべて標準的なテキストファイルなので,XMLやデータベースからTeXの原稿を自動的に書き出し,PDFに変換するなど,バッチ処理にも使用されています。
もしかしたらあなたが普段目にしているPDFファイルにも,TeXで書き出されたものがあるかもしれませんね。
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ワープロソフトとは違った思想のソフトなので,使いこなすにはちょっと学習が必要ですが,本書を片手にTeXを始めて見てはいかがでしょうか。
図4 誌面サンプル