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デボン紀,石炭紀,ペルム紀,マイナーな時代も面白い!

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魅惑的な古生物たちの世界。知的好奇心をくすぐり,知的探究心を呼び起こし,そして何よりシンプルに面白い。そんな世界を,みなさまにお届けします。

シリーズ3作目はデボン紀の生物⁠。たくさんの魚類化石が出現することで知られるデボン紀。海のハンターといわれるサメ,現生の大部分が属する硬骨魚類が登場し,水中は"大魚類時代"へと変貌を遂げます。一方,陸上ではついに昆虫類が誕生。現世を謳歌する虫たちの祖先が闊歩し始めます。本書では,魚類を中心にデボン紀を俯瞰。最新の研究成果をもとに,魚類はなぜ多様化したのか,前時代から生き延びた水中生物はどうなったのか,また陸上の生態系はどう変化したのか,そんな疑問に迫りつつ,デボン紀末の大量絶滅までを見ていきます。

シリーズ4作目は石炭紀・ペルム紀の生物⁠。石炭紀になると,陸上の多くは1年中湿潤な熱帯気候に覆われ,時代は大森林の世界に移ります。前時代に登場した昆虫類,両生類が,鬱蒼と茂る木生シダの間を闊歩し,生物たちは陸上の楽園を謳歌します。しかし,地球は氷河時代へと突入。石炭紀は終わりを告げます。ペルム紀になると二つの大陸が衝突,パンゲア超大陸が形成。両生類の時代が勃興し,爬虫類が拡散。生物たちの楽園は再び絶頂を迎えるが……。恐竜時代の前の時代に当たる石炭紀とペルム紀。二つの紀の化石をひもときながら,この時代を懸命に生きた古生物の姿に迫ります。

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読者からのFAQ

古生物シリーズを始めてから,読者から質問を頂くことが増えました。ここで,よく聞かれる質問について,少し話しをしてみたいと思います。

生物の色はどう決めているのですか?

本書には,化石の復元イラストが多数掲載されています。カラーで掲載される美しいイラストは本シリーズのウリでもありますが,色は全て想像です。ほぼ全ての化石において,色に関する情報は残っていません。もちろん,監修の先生方もわかりません。なので,イラストの色は"現生の生物を参考に"着色しています。

着色は想像ですが,姿形は厳密です。しれっと載せてありますが,デボン紀に登場する魚類の鱗の形と並び,鰭の形などは,相当な見応えです。こういった部分も,大いにお楽しみ下さい。

なぜペルム紀のようなマイナーな時代まで?

古生物のシリーズを立ち上げる際に思ったのが,マイナーな時代の情報が圧倒的に少ない,ということでした。アノマロカリスで有名な「カンブリア紀」と恐竜が生きた「中生代」の情報は豊富なのに,他の時代はなぜ? オルドビス紀とかペルム紀なんて,字面だけで楽しそうなのに……。情報がないなら,本を作るしかないでしょ! という緻密な理念の元に生み出されたのが,本シリーズです。マイナーな時代にこそ面白さがある! 実際,石炭紀やペルム紀も最高に面白い時代です。

全部で何巻出るのですか?

この質問もよく受けるのですが,実はまだ決まっていません。おそらく8~10巻の間と思われます。現在作業を進めているのは,恐竜時代三部作。

No.5 ⁠三畳紀の生物⁠⁠,No.6『ジュラ紀の生物⁠⁠,No.7『白亜紀の生物』

恐竜はもちろん,恐竜以外の生物にも注目しながら,中生代全体を俯瞰していきます。出版時期は2015年初夏,3冊同時発売です。既刊本以上の読み応えを目指し,鋭意制作中。こちらもこうご期待下さい。