「ピタゴラスの定理でわかる相対性理論」
前回は
1.次々と見つかった素粒子と宇宙存在の理由
湯川秀樹の中間子論がきっかけとなって素粒子という言葉ができて,
このあたりのことをやさしく書いた本はいろいろありますが,
1936年にアンダーソンが宇宙線から電子の質量の200倍ほどの粒子を見つけたとき,
ハドロンはクォークの複合体と考えられています。1964年にアメリカのゲルマンとツワイクは別々に究極の粒子クォークのモデルを発表しました。
こういうなか,
2008年のノーベル物理学賞は宇宙存在のためのCP対称性の破れに関するもので,
- 南部陽一郎:粒子の質量起源に関する自発的対称性の破れ
- 小林誠・
益川俊英:CP対称性の破れの起源の発見
ここで,Cはcharge conjugate (荷電共役性, 正に対する負, 電子に対する陽電子のような対称性), Pはparity (波動の山と谷に関連するような対称性)。
前回までに,
CP対称性あるいはCP保存則とは,
- 「粒子と反粒子を入れ替えた世界の物理法則が,
ちょうどわれわれの世界を鏡で見たとき (時空反転) と同じになっているばずだ。」 という命題です。
ところが1964年に,
小林・
益川論文の概要 [※2] In a framework of the renomarizable theory of week interaction, problems of CP-violation are studied. It is concluded that no realistic models of CP-violation exist in the quartet scheme without introducing any other new fields. Some possible models of CP-violation are also discussed.
弱い相互作用の繰り込み理論の枠内でCP-対称性の破れを検討したところ, 4組構造では何か新しい場を導入しないかぎり対称性の破れが起きそうな現実的なモデルがないことがわかった。さらにここでCP対称性の破れの可能性あるモデルをいくつか検討する。
ガウスの複素平面は2次元です。2次元は複素数になじみやすいのですが,
1974年にチャーム,
これは蛇足かと思うのですが,
ちなみに2002年のノーベル物理学賞の一人が小柴昌俊氏で,
現在の有力な説では:物質のすべては6種類のクォークと6種類のレプトンで構成されているといわれています。3つのクォークで中性子あるいは陽子ができて,
しかし宇宙の起源についてはまだ謎が多くて,
アインシュタインの奇跡1905年の論文から100年あまりの今,