知りたい!サイエンス
原子力ルネサンス
―エネルギー問題の不可避の選択―
- 矢沢潔 著
- 定価
- 1,738円(本体1,580円+税10%)
- 発売日
- 2008.8.21[在庫なし] 2013.5.17
- 判型
- 四六
- 頁数
- 256ページ
- ISBN
- 978-4-7741-3582-3 978-4-7741-5686-6
サポート情報
概要
エネルギー問題はいまや人類の大問題である。われわれは石油価格の高騰に端を発したエネルギー危機の只中に投げ込まれたかのようだ。ある人々は再生可能エネルギーが有効だと言い、ある人々は脱温暖化や人間の生き方の転換を説いている。だが地球規模で見たとき、どこに有効な解決策があるというのか。そんな中、国際社会は原発の新設計画に次々と着手し始めた。21世紀の世界に何が起こっているのか。
こんな方にオススメ
- 地球環境や資源、エネルギー問題に関心のある人
- 原子力発電について知りたい方
目次
プロローグ スリーマイル島原発の記録と記憶
- ニューヨーク発スリーマイル島行き
- スリーマイル島原発事故の際の最高責任者の判断
- コラム◆スリーマイル島(TMI)原発事故
第1章 脱原発と原子力ルネサンス
- 原発批判はどこまで結実したか
- 原発の発電量はTMI事故当時の3倍増
第2章 批判者と推進者のクロスロード
- 反原発の戦士が原子力のチャンピオンに
- 「ガイア仮説」を提唱した科学者と環境学者の新たな原子力観
第3章 原子力ルネサンス、それとも悪夢?
- アメリカ、フランス、中国、ロシア、インドの原発計画
- アメリカ:超大国が必要とする原発の数
- フランス:電力の80パーセントを原発で供給
- 中 国:2030年には86基、計画中141基の原発超大国へ
- ロシア:エネルギー資源大国のエネルギー不足
- インド:2050年には現在の100倍の原子力発電?
- 図解◆原子力発電所の概念図
第4章 スウェーデンとドイツ:脱原発はどこへ行ったか
- スウェーデンは「国民投票」で何を決めたのか?
- ドイツの「緑の党」はどこまでエネルギー政策を動かせるか?
第5章 エネルギー戦略と現実のギャップ
- 原子力回帰の最大の理由
- アメリカ、中国、ロシア&ヨーロッパのエネルギー戦略
第6章 原子炉は「第3世代」「第3プラス世代」へ
- 原子炉の進化を眺める
- 安全思想の大転換の時代に入った原子炉設計
- コラム◆ソ連型(チェルノブイリ型)の黒鉛減速炉
第7章 ウラン資源は 年分か1万年分か
- 原子炉の燃料を供給する国と必死に求める国
- ウランは売り出しと同時に言い値で完売?
エピローグ
- 日本のエネルギー戦略の行方
- 石油依存からの脱却のプロセス
- 日本を月面の「静かの海」から眺める
補遺
- アメリカの新しいエネルギー計画「宇宙太陽光発電所」まもなく出現?
- チェルノブイリ原発事故の始まり
- 原子炉燃料になぜ「濃縮ウラン」が必要か
プロフィール
矢沢潔
科学雑誌コズモ創刊編集長を経て1982年より科学情報グループ矢沢サイエンスオフィス(株式会社矢沢事務所)主宰。内外の科学者・研究者・科学ジャーナリスト・編集者などのネットワークを構築し自然科学、生物学、核エネルギー技術、医学、科学哲学、未来文明論等に関する情報・執筆活動を続ける。編書・著書に「最新科学論シリーズ」30数冊(学習研究社)、『経済学はいかにして作られたか?』(同)、世界のノーベル賞学者などへのインタビュー集『知の巨人』(同)、『日本人の精子力』(同)、『巨大プロジェクト』(講談社)、がんや糖尿病などの一般向け医学解説書、動物医学書、『始まりの科学』(ソフトバンク・クリエイティブ)、『薬は体に何をするか』『地球温暖化は本当か?』(技術評論社)など多数。