tanQブックスシリーズ気候科学の冒険者
―温暖化を測るひとびと

[表紙]気候科学の冒険者―温暖化を測るひとびと

四六判/240ページ

定価(本体1,580円+税)

ISBN 978-4-7741-4094-0

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書籍の概要

この本の概要

地球温暖化問題の研究には多くの日本人研究者が関わっている。その中でも選りすぐりの人々が,サイエンスカフェという場で,フランクに語った,自身の研究のこと,研究者としてのあり方などをオムニバス形式でまとめたのが本書である。東京大学気候システム研究センター長,中島映至氏がホストを務める「CCSRサイエンスカフェ」での対話記録を土台に,気候変動,気候システムの分野で活躍中の研究者・ジャーナリストが語る人間ドラマから,考えるヒントを探る。

こんな方におすすめ

  • 気候変動,地球温暖化に関心のある人
  • 科学者の生き方や考え方に興味のある人

目次

序章 サイエンスカフェに出かけよう

第1章 気候研究のサムライ――中島映至

  • 書家の2代目になるのがイヤで,物理の道へ/気候センターの立ち上げに誘われて,東大へ/センターとして最初の成果を出すまでには10年がかり/学際研究を阻んでいるのは縦割り官僚組織の厚い壁/「役に立たない研究」とコンピューターの発達が転換期/多様な分野の中心で研究のエンジンとなりつつある気候モデル/10年,20年後の重要課題に応える優れた研究者育成を目指したい/環境だけでなくあらゆる対象にポジティブ思考で挑戦したい

第2章 ミスターCO2――中澤高清

  • CO2が増加すると,地球の気温が上がるワケ/台風によって導かれた地球物理学への道/運命を決めた図書館での出会い/世界トップクラスの計測機器を手作りで製作/世界的権威キーリング博士の研究室で学ぶ/飛行機や船を駆使して多地点観測/東アジアの化石燃料の影響/南極が発する地球からの危険信号/南極の氷が教えてくれる地球の歴史/10万年周期の変化を超える速さで進む,CO2濃度の増加/常に新しいことをやり続けるということ

第3章 サステナの天秤――住明正

  • 観念論の世界を脱出して気象庁へ/きっかけは伊勢湾台風との遭遇/人間に対する価値観が変わってしまった東大闘争/度量が広かった気象庁/ハワイ大学へ留学/東京大学地球物理学科に呼ばれて/日本の気象学のルーツを作った人々/人材集めから始まった気候システム研究センターの立ち上げ/気候再現モデルから見る地球温暖化の傾向/2100年には真夏日が3倍に増加/地球温暖化問題を考えるにはバランス感覚が必要/人を管理して育て,組織として成果を上げるということ

第4章 水文学者――沖大幹

  • スポーツ,科学,音楽で明け暮れた高校時代/過去を清算するために東京大学へ進路変更/理系と文系の中間を目指し土木工学科を選択/じゃんけんで負けて,河川水文研究室へ/気候モデルに影響を与える大陸の河川網/年中降る雨で恵まれた日本の気候/タイで調べた森林伐採による影響/サイエンスとテクノロジーによって可能になる水循環解析/最初は拒絶されるような画期的な研究にかかわるということ

第5章 わらしべの旅は続く――枝廣淳子

  • 朝2時起きの生活を実践して同時通訳者に/活動の原点は,野生児として過ごした幼少時代/環境問題への目覚めはレスター・ブラウンとの出会い/環境に関心を持たせる「トロイの木馬作戦」/言葉以外のものも伝えられる通訳者に/エコノミストが警告する温暖化対策/だれもが理解できる言葉で伝えるということ/人間が作ったものは人間が変えることができる/バックキャスティング手法で目的意識を持つ/1000人集める環境問題の語り部

著者プロフィール

中島映至(なかじまてるゆき)

1950年生まれ。1977年東北大学地球物理学専攻博士課程修了,1981年理学博士。1994年から東京大学気候システム研究センター教授。2004年より同センター長。IPCC第3次報告書主執筆委員,ADEOS-II/GLI衛星センサー,EarthCARE衛星計画などの研究に従事。専門は雲およびエアロゾルの気候影響,大気放射。監訳書に『変わりゆく地球 衛星写真にみる環境と温暖化』マイケル・D・キングほか編(丸善)。