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“REAL IT PLATFORM”を実現するNECのミドルウェア

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高品質で安全なユビキタス社会を実現する次世代の情報ネットワーク「NGN(Next Generation Network⁠⁠」の登場により,あらゆるビジネスのリアルタイム化が加速しています。その時流に取り残されないために,NECは,ITとネットワークを活用して新しいビジネス革新を推進する経営スタイル「Dynamic Collaboration」を提唱してきました。さらに,ユビキタス社会を支え,Dynamic Collaborationを実現するITプラットフォームビジョン「REAL IT PLATFORM」を策定しました。このビジョンを基に,革新的なテクノロジーを継続して開発されているのが,NECのミドルウェア製品群なのです。

ユビキタス社会とNGNを実現する新しいIT基盤

インターネットの普及に伴い,あらゆるビジネスはITとネットワークの利用なくして実現できない世の中になりました。今後もその傾向はさらに強まり,企業活動はもちろん,公共の社会インフラから私たちの生活までのすべてがITとネットワークの活用が不可欠になっていくものと考えられます。このように,あらゆる領域においていつでもどこでもITとネットワークが利用される来るべき世の中を「ユビキタス社会」と呼びます。

そのユビキタス社会にいち早く備えるために,NECは2003年に新しい経営スタイル「Dynamic Collaboration」を提唱してきました。これは,企業の枠内だけでビジネスを考えるという手法ではなく,複数のパートナー企業のそれぞれが得意とする事業分野を組み合わせ,新しいビジネス価値をすばやく創造するものです。そして,ユビキタス社会を支え,Dynamic Collaborationを実現するために,新しいIT基盤の構築の必要性が高まっています。

一方で通信事業者が中心となって推し進められているのが,次世代IPネットワーク「NGN(Next Generation Network⁠⁠」です。NGNは,ユビキタス社会への潮流を加速し,ITとネットワークを社会インフラ化するものとして期待されており,NGNへの対応も新しいIT基盤の構築を必要とする大きな要因といえます。

新しいIT基盤に求められる3つの要件

では,構築すべき新しいIT基盤は,どのようなものでしょうか。NECは,さまざまなニーズに対応するIT基盤は,以下の3つの要件を満たすべきだと考えています。

まず挙げられるのが,ITリソースの変更要求に対する迅速・容易な対応力,つまり⁠柔軟(Flexible)⁠なIT基盤であるという要件です。高性能なNGNが登場すれば,ビジネスを遂行するIT基盤には,今まで以上に高い処理能力が求められます。同時に,急激なビジネスの拡大にも対応できるスケーラビリティ,ビジネスの変化に即応してITリソースを再利用できるフレキシビリティも求められます。これを満たすことが,新しいIT基盤の第一の要件です。

二つ目は,高信頼システムの経済的な構築力,つまり⁠安心(Dependable)⁠できるIT基盤であるという要件です。NGNを利用するIT基盤には,24時間/365日の連続稼働とともに非常に高い安心性の確保が求められます。そのためには,システム障害による停止を確実に回避する高可用性,災害に見舞われてもデータを消失することなく迅速にサービスを再開する安全性,外部からの攻撃に対処するセキュリティなど,さまざまな要件に対応しなければなりません。

そして,三つ目が多様なITリソースの容易な運用,つまり⁠快適(Simple)⁠なIT基盤であるという要件です。現在の企業システムは,業務単位に個別最適化されたため,マルチベンダー環境の多種多様なITリソースが混在し,複雑になっています。これにより,ITリソースの運用管理は困難になり,運用コストの増大化を招く結果になってしまいました。だがらといって,すでに個別最適化されたITシステムをすべてリプレースするのは現実的でありません。そうではなく,複雑化したITリソースであっても,快適に運用できることが新しいIT基盤には求められます。

IT基盤のための統一ビジョン「REAL IT PLATFORM」

NECは,これら⁠柔軟⁠⁠安心⁠⁠快適⁠の3つの要件に対応する新しいIT基盤を実現する統一ビジョンを策定しました。それが,⁠REAL IT PLATFORM」です。REAL IT PLATFORMの⁠REAL⁠には,2つの意味が込められています。

一つは,状況に合わせた最適化を実現する⁠現実解⁠を意味します。企業が必要とするIT基盤のあり方は,過去のIT投資の状況や今後のビジネスの方向性によって大きく異なっています。NECは,これまでにサーバコンピュータ,ストレージ,各種ソフトウェアなどIT基盤を構成するあらゆる製品群を提供してきた実績があります。こうした実績をベースに,個々の状況に合わせた最適な製品をタイムリーに提供するというのが⁠REAL⁠の第1の意味です。

もう一つは,⁠真⁠のIT基盤を追求していくという意味です。NGNなど最先端のネットワーク技術を活用してビジネスを進化させることが企業の重要な経営課題ですが,NECはそうした課題を解決するために,⁠真⁠のIT基盤を実現する革新的なITテクノロジーを開発,提供します。これが第2の⁠REAL⁠の意味です。