知りたい!サイエンスシリーズ生物いまどき進化論
―都市化がもたらす人工サバイバル
2009年11月19日紙版発売
藤本和典 著
四六判/208ページ
定価1,738円(本体1,580円+税10%)
ISBN 978-4-7741-4056-8
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書籍の概要
この本の概要
人で溢れかえり,車が走り回る都市。そんな環境の中でも,たくましく生きる生物がいます。
「なんでわざわざ緑の少ない過酷な都市部にいる?」「都市って自然の一部として機能しているのか?」
そんな疑問を感じたら,NHKラジオでおなじみ藤本和典さんの出番。都市の生き物をエッセイで紐解きながら,都市化と生物の可能性について大胆に考察。都市という人工的な環境は,生き物たちに一体何をしているのでしょう?
こんな方におすすめ
- 生物好きな方
- 動物の生態や行動に興味のある方
- 都市も捨てたもんじゃないかも……とお思いの方
目次
Chapter1 都市は生き物にとって幸福なのか?
- 1-1 渡り鳥ツバメで見る都市生活の幸福度
- 1-2 本当に保護鳥? オオタカが都市を選ぶ理由
- 1-3 若きサギ類の快適都市ライフ
- 1-4 山より都会はラク? キジバトと都市生活
- 1-5 快適すぎて生態が変化しまくるカイツブリ
- 1-6 高度経済成長期とバンの奇妙な関係
- 1-7 ハシブトガラスは都市生活をもはや超越したか?
- 1-8 都市のカルガモは本物のカルガモなのか?
- 1-9 無関心が育むハクセキレイの快適すぎる生活
- 1-10 ヒヨドリがカラスに取って代わる日は来るのか?
- 1-11 ゴキブリから考える新しいヤモリの生活
- 1-12 タヌキとキツネ,運命の分かれ道
- 1-13 快適さの代償が住宅難? アブラコウモリの憂鬱
- 1-14 エナガに見る弱者の都市生活
Chapter2 都市は生き物にとって不幸なのか?
- 2-1 スズメの住宅難,阪神・淡路大震災,そしてインコ
- 2-2 巣材がない奴は去れ! 都市の中の厳しい掟
Chapter3 都市の緑は生き物になにをする?
- 3-1 キツツキは江戸の街より東京がお好き?
- 3-2 鳴く虫の女王カンタンの中央分離帯生活
- 3-3 タマムシの都市回帰と第二次世界大戦
- 3-4 カブトムシ採集には都市がオススメ!?
- 3-5 コンクリート・ジャングルにモグラが増える理由
Chapter4 人工の環境は生き物になにをする?
- 4-1 あの鳥は森に住むより別荘に住みたい!?
- 4-2 どっちが生き物パラダイス? スキー場編
- 4-3 どっちが生き物パラダイス? ゴルフ場編
Chapter5 ヒートアイランド現象は生き物になにをする?
- 5-1 “春の鳥”は死語? なぜかメジロがずっといる……
- 5-2 30年前の予測で決まった? アオスジアゲハの運命
- 5-3 アオスジアゲハに続け!? 南国チョウ大進撃
- 5-4 謎多きウスバキトンボ
- 5-5 都市ガエルになったヒキガエル
- 5-6 都市は上にクマネズミ,下にドブネズミ?
Chapter6 人間たちは生き物になにをする?
- 6-1 クマゼミの疑惑
- 6-2 モンシロチョウのそっくりさん
- 6-3 庭に植えた園芸植物に見る新しい進化の潮流
- 6-4 日本にはなぜ外国産の有毒植物が多いのか?
Chapter7 外国からの侵略者は都市になにをする?
- 7-1 あの生物はなぜ侵略者なのか? 鳥編
- 7-2 あの生物はなぜ侵略者なのか? 昆虫編
- 7-3 ミシシッピーアカミミガメが強すぎるお話
- 7-4 ハクビシンが都市に適応しすぎている理由
- 7-5 タイワンリスと空席の生態的地位
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