知りたい!サイエンスシリーズ生物いまどき進化論
―都市化がもたらす人工サバイバル

[表紙]生物いまどき進化論―都市化がもたらす人工サバイバル

紙版発売

四六判/208ページ

定価1,738円(本体1,580円+税10%)

ISBN 978-4-7741-4056-8

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書籍の概要

この本の概要

人で溢れかえり,車が走り回る都市。そんな環境の中でも,たくましく生きる生物がいます。

「なんでわざわざ緑の少ない過酷な都市部にいる?」「都市って自然の一部として機能しているのか?」

そんな疑問を感じたら,NHKラジオでおなじみ藤本和典さんの出番。都市の生き物をエッセイで紐解きながら,都市化と生物の可能性について大胆に考察。都市という人工的な環境は,生き物たちに一体何をしているのでしょう?

こんな方におすすめ

  • 生物好きな方
  • 動物の生態や行動に興味のある方
  • 都市も捨てたもんじゃないかも……とお思いの方

目次

Chapter1 都市は生き物にとって幸福なのか?

  • 1-1 渡り鳥ツバメで見る都市生活の幸福度
  • 1-2 本当に保護鳥? オオタカが都市を選ぶ理由
  • 1-3 若きサギ類の快適都市ライフ
  • 1-4 山より都会はラク? キジバトと都市生活
  • 1-5 快適すぎて生態が変化しまくるカイツブリ
  • 1-6 高度経済成長期とバンの奇妙な関係
  • 1-7 ハシブトガラスは都市生活をもはや超越したか?
  • 1-8 都市のカルガモは本物のカルガモなのか?
  • 1-9 無関心が育むハクセキレイの快適すぎる生活
  • 1-10 ヒヨドリがカラスに取って代わる日は来るのか?
  • 1-11 ゴキブリから考える新しいヤモリの生活
  • 1-12 タヌキとキツネ,運命の分かれ道
  • 1-13 快適さの代償が住宅難? アブラコウモリの憂鬱
  • 1-14 エナガに見る弱者の都市生活

Chapter2 都市は生き物にとって不幸なのか?

  • 2-1 スズメの住宅難,阪神・淡路大震災,そしてインコ
  • 2-2 巣材がない奴は去れ! 都市の中の厳しい掟

Chapter3 都市の緑は生き物になにをする?

  • 3-1 キツツキは江戸の街より東京がお好き?
  • 3-2 鳴く虫の女王カンタンの中央分離帯生活
  • 3-3 タマムシの都市回帰と第二次世界大戦
  • 3-4 カブトムシ採集には都市がオススメ!?
  • 3-5 コンクリート・ジャングルにモグラが増える理由

Chapter4 人工の環境は生き物になにをする?

  • 4-1 あの鳥は森に住むより別荘に住みたい!?
  • 4-2 どっちが生き物パラダイス? スキー場編
  • 4-3 どっちが生き物パラダイス? ゴルフ場編

Chapter5 ヒートアイランド現象は生き物になにをする?

  • 5-1 “春の鳥”は死語? なぜかメジロがずっといる……
  • 5-2 30年前の予測で決まった? アオスジアゲハの運命
  • 5-3 アオスジアゲハに続け!? 南国チョウ大進撃
  • 5-4 謎多きウスバキトンボ
  • 5-5 都市ガエルになったヒキガエル
  • 5-6 都市は上にクマネズミ,下にドブネズミ?

Chapter6 人間たちは生き物になにをする?

  • 6-1 クマゼミの疑惑
  • 6-2 モンシロチョウのそっくりさん
  • 6-3 庭に植えた園芸植物に見る新しい進化の潮流
  • 6-4 日本にはなぜ外国産の有毒植物が多いのか?

Chapter7 外国からの侵略者は都市になにをする?

  • 7-1 あの生物はなぜ侵略者なのか? 鳥編
  • 7-2 あの生物はなぜ侵略者なのか? 昆虫編
  • 7-3 ミシシッピーアカミミガメが強すぎるお話
  • 7-4 ハクビシンが都市に適応しすぎている理由
  • 7-5 タイワンリスと空席の生態的地位

著者プロフィール

藤本和典(ふじもとかずのり)

1951年東京都生まれ。駒澤大学経営学部卒業。1981~1991年まで日本野鳥の会事業部に勤務。現在,シェアリングアース協会会長。NPO法人生態教育センター副理事長,(財)日本鳥類保護連盟専門委員。NHKラジオ「夏休み子供ども科学電話相談」鳥の回答者を20年。身近な自然を大切にする人を一人でも増やすことを目的とし,五感を活かした「自然感察会」を主催するほか,コスタリカなど地球環境ウォッチングツアーも実施している。

著書に,『都会の生物』(小学館),『新庭に鳥を呼ぶ本』(文一総合出版),『週末自然観察入門』(山と渓谷社),『野鳥を呼ぶ庭づくり』(新潮社),『子どもと楽しむ自然観察ガイド&スキル』(黎明書房)など多数。