知りたい!サイエンス 眠れなくなる進化論の話 ―ダーウィン,ドーキンズから現代進化学まで全部みせます―

「眠れなくなる進化論の話」のカバー画像
著者
ハインツ・ホライスHeinz Horeis矢沢潔やざわきよし三中信宏みなかのぶひろ河田雅圭かわたまさかど長野敬ながのけい 著
定価
1,738円(本体1,580円+税10%)
発売日
2011.12.9 2013.12.27
判型
四六
頁数
240ページ
ISBN
978-4-7741-4907-3 978-4-7741-5923-2

概要

地球上の生き物は30数億年の悠久の時間をかけて進化し、今の姿になりました。今の私たちもその末裔です。その進化をたどってきた道筋を科学しようと、ダーウィン以来200年にわたり、あらゆる進化学説が唱えられてきました。そして今の進化論は適応だとか遺伝子のふるまいなど、色々な側面を解明しようとする総合的な「進化学」に発展してきました。ところが21世紀になっても学者の間で共通理解は得られていないのです。本書は、進化論の歩みをたどり、代表的で興味深い説を追いながら、進化論について考えます。

こんな方にオススメ

  • 地球の生命史に興味をもたれた方
  • 進化論をかじってみたい、理解したいとお思いの方

目次

折り込み 進化論マップ

第1章 ラマルキズム(ラマルク進化論)

  • 最初の科学的進化論・誕生と顛末(著/ハインツ・ホライス)

第2章 ダーウィニズム(ダーウィン進化論)

  • ダーウィンの自然選択への道程(著/矢沢 潔)

第3章 ダーウィニズム異見

  • ダーウィニズムに対置するユニーク理論
  • 有望な怪物説/反復説と社会ダーウィニズム/ルイセンコ学説/今西進化論

第4章 現代的総合説はいまどこにいるか?

  • ダーウィニズムは黄昏から再興へ(著/三中信宏)

第5章 ジェイ・グールドの断続平衡説

  • 機が熟したとき、いっきに進化が起こる(著/ハインツ・ホライス)

第6章 ドーキンズの利己的遺伝子

  • 「利己的遺伝子」は進化を説明する上で重要か(著/河田雅圭)

第7章 マーギュリスの細胞共生説

  • 生物は「共生」によって進化する(著/長野 敬)

第8章 進化論を数学で支える2つの理論

  • 進化ゲーム理論/分子進化の中立説

補遺 「エピジェネティクス」の新世界

  • ラマルキズムの現代的復活?(著/ハインツ・ホライス)

第9章 言い遅れた最終章

  • ダーウィニズムは21世紀の進化科学へ(著/矢沢 潔)

プロフィール

ハインツ・ホライスHeinz Horeis

物理学教師から科学ジャーナリストに転向。ドイツの科学雑誌編集長を経て1990年より矢沢サイエンスオフィス・ヨーロッパスタッフを兼ね多数のノーベル賞学者などにインタビュー。たびたび来日して日本の科学技術を取材しドイツのメディアに掲載。2008年インド→中東→ドイツ1万キロをインド製オートバイで走る。2011年10月東北地方被災地取材。

矢沢潔やざわきよし

科学雑誌編集長などを経て1982年より科学情報グループ矢沢サイエンスオフィス(株式会社矢沢事務所)代表。内外の科学者・研究者、科学ジャーナリスト、編集者などをネットワーク化し30年あまりにわたり自然科学、医学(人間と動物)、エネルギー、科学哲学などに関する情報執筆活動を続ける。編著書数十冊。

三中信宏みなかのぶひろ

1958年京都市生まれ。東京大学大学院農学系研究科卒業。現在は独立行政法人農業環境技術研究所生態系計測研究領域上席研究員、東京大学大学院農学生命科学研究科教授(生物・環境工学専攻)および東京農業大学大学院農学研究科客員教授を兼任。専門は進化生物学・生物統計学。現在は主として系統樹の推定方法に関する理論を研究。著書・共著書に『進化思考の世界』(NHK出版協会)、『生物系統学』(東京大学出版会)、『現代によみがえるダーウィン』(共著、文一総合出版)など。訳書にエリオット・ソーバー著『過去を復元する』(勁草書房)など多数。

河田雅圭かわたまさかど

1958年香川県生まれ。1980年帯広畜産大学獣医学科卒業、1987年北海道大学大学院農学研究科博士課程修了。現在東北大学生命科学研究科教授。専門は生態学、進化生物学。著書に『はじめての進化論』(講談社現代新書)、『進化論の見方』(紀伊國屋書店)等。

長野敬ながのけい

1952年東京大学理学部植物科卒業。医学博士。東京医科歯科大学助教授等を経て95年まで自治医科大学教授。現在同大学名誉教授、河合文化教育研究所主任研究員。生物学とくに進化論を中心に執筆・評論活動を行う。著書に『生命の起原論争』『生物学の旗手たち』(いずれも講談社)、訳書に『生命進化8つの謎』(ジョン・メイナード・スミス他著、朝日新聞社)などがある。