21世紀の知を読みとく ノーベル賞の科学 【経済学賞編】
- 矢沢潔 著
- 定価
- 2,750円(本体2,500円+税10%)
- 発売日
- 2010.2.27[在庫なし]
- 判型
- A5
- 頁数
- 296ページ
- ISBN
- 978-4-7741-4176-3
サポート情報
概要
創立40周年記念出版の1冊。他の部門よりずっと遅れて1969年に新設された経済学賞に対しては異論、反論が少なくない。理由のひとつは、経済学はノーベル賞が対象とする科学と呼ぶには実証性や普遍性が不十分であり、また「人類の前進」に寄与しているかどうか疑わしいというものだ。最近では金融経済が露呈した危機的側面に対して経済学がどう寄与してきたかについても意見が分かれるところだろう。それほどに経済学の理論構築は難しい。しかし経済学は現代社会を生きる誰もが目を向けるべきダイナミックな世界であり、ノーベル賞経済学者の理論をざっと知っておくことは現代人の常識として不可欠である。
こんな方にオススメ
- 経済、経済学に興味がある人
目次
ノーベル経済学賞受賞者・単独インタビュー
- 1 ヴァーノン・スミス教授(2002年受賞)
実験経済学でわかること、わからないこと - 2 ダニエル・カーネマン教授(2002年受賞)
“非合理的な”人間行動が経済を動かす
第1章 1976年ノーベル経済学賞
- ミルトン・フリードマン 金が、金のみが経済のすべてである
第2章 1981年ノーベル経済学賞
- ジェームズ・トービン ケインズ経済学をげんだいに蘇らせたチャンピオン
第3章 1987年ノーベル経済学賞
- ロバート・ソロー パワフルな経済成長理論の開拓者
第4章 1988年ノーベル経済学賞
- モーリス・アレ ドグマを拒否し続ける孤高の経済学者
第5章 1994年ノーベル経済学賞
- ジョン・ナッシュ ゲーム理論を経済学に導入した輝ける頭脳と狂気
第6章 1998年ノーベル経済学賞
- アマルティア・セン 「厚生経済学」を深化させた最初のアジア人受賞者
第7章 2002年ノーベル経済学賞
- ダニエル・カーネマン 合理的な意思決定に逆らう人間行動の実験研究
- ヴァーノン・スミス
第8章 2005年ノーベル経済学賞
- ロバート・オーマン 新しいゲーム理論で戦争と人間社会を読む
- トーマス・シェリング
第9章 2008年ノーベル経済学賞
- ポール・クルーグマン 貿易理論の現代的マスターマインド
- ノーベル経済学賞・全受賞者一覧
- 人名索引
- 用語索引
- おもな参考文献・資料
プロフィール
矢沢潔
1970年代に科学雑誌Cosmo創刊編集長を経て1982年より科学情報グループ「矢沢サイエンスオフィス((株)矢沢事務所)」主宰。内外の科学者・研究者、科学ジャーナリスト、編集者、翻訳者などのネットワークをつくり、アメリカ、ヨーロッパの取材を行いながら自然科学、エネルギー技術、医学、未来文明論、科学哲学、テラフォーミング等に関する情報執筆活動を続ける。「最新科学論シリーズ」37冊(学研)、世界の第一線科学者へのインタビュー集『知の巨人』(学研)、『ニューサイエンティスト群像』(勁草書房)などの一般科学書のほか、『ビームディフェンス』(時事通信社)、『巨大プロジェクト』『B1戦略爆撃機』(談講社)、『経済学のすべてがわかる本』(学研)、『薬は体に何をするか』『地球温暖化は本当か?』『原子力ルネサンス』(技術評論社)、『日本人の精子力』(学研)、『始まりの科学』(ソフトバンククリエイティブ)などの編著書を送り出してきた。がん医学書や動物医学書、科学図鑑も多い。