21世紀の知を読みとく ノーベル賞の科学 【生理学医学賞編】
- 矢沢潔 著
- 定価
- 2,750円(本体2,500円+税10%)
- 発売日
- 2009.12.8[在庫なし]
- 判型
- A5
- 頁数
- 336ページ
- ISBN
- 978-4-7741-4059-9
サポート情報
概要
創立40周年記念出版の1冊。生活に直結する重要な発見が多い医学生理学賞には、発見に至る経緯や人間関係に数々のドラマが存在する分野だ。テーマはピロリ菌の発見、神経成長物質の発見、たんぱく質プリオンの発見など流行にも左右されやすい。1980年代には免疫が注目され、90年代には細胞間や細胞内の分子生物学がしばしば対象となった。最近ではDNAに関連したものがとりわけ重視される。なかにはバイアグラの登場を可能にした循環器系の情報伝達物質の発見のような業績もある。このようなノーベル賞の内容と受賞者にスポットをあて、受賞内容と、なぜ彼らが栄誉に輝いたのかに迫る。
こんな方にオススメ
- 科学に興味を抱いている人
- 最近の生物学や医学の動向を知りたい人
目次
第1章 2008年ノーベル生理学医学賞:リュック・モンタニエ
- エイズウイルスの真の発見者を見極める長い道程
第2章 2008年ノーベル生理学医学賞:ハラルド・ツア・ハウゼン
- 子宮頸がんを引き起こすパピローマウイルスを発見
第3章 2007年ノーベル生理学医学賞:マリオ・カペッキ
- 「遺伝子操作」の道を切り拓いた寓話の主人公
第4章 2005年ノーベル生理学医学賞:バリー・マーシャル/ロビン・ウォレン
- 自らピロリ菌の実験台となった研究者の執念
第5章 2001年ノーベル生理学医学賞:リーランド・ハートウェル
- 細胞分裂の周期のしくみを解明する
第6章 2000年ノーベル生理学医学賞:アルヴィド・カールソン
- ドーパミン:脳内のメッセンジャーの発見
第7章 1998年ノーベル生理学医学賞:ロバート・ファーチゴット
- バイアグラ誕生を導いた情報伝達物質としての一酸化窒素の発見
第8章 1997年ノーベル生理学医学賞:スタンリー・プルシナー
- BSE(狂牛病)とクロイツフェルト・ヤコブ病の病原体プリオンを追い求めて
第9章 1995年ノーベル生理学医学賞:クリスティアーネ・ニュスライン–フォルハルト
- “生命の奇跡”を解き明かした女性科学者
第10章 1987年ノーベル生理学医学賞:利根川 進
- 抗原抗体反応の謎を遺伝子レベルで解明
第11章 1983年ノーベル生理学医学賞:バーバラ・マクリントック
- “動く遺伝子”を発見した細胞遺伝学の女性パイオニア
第12章 1981年ノーベル生理学医学賞:デヴィッド・ヒューベル/トルステン・ヴィーセル
- 脳は視覚信号をどうやって映像化するか?
第13章 1981年ノーベル生理学医学賞:ロジャー・スペリー
- 「分離脳」の研究から脳の秘密を探る
ノーベル生理学医学賞・全受賞者一覧(1901~2009年)
プロフィール
矢沢潔
1970年代に科学雑誌Cosmo創刊編集長を経て1982年より科学情報グループ「矢沢サイエンスオフィス((株)矢沢事務所)」主宰。内外の科学者・研究者、科学ジャーナリスト、編集者、翻訳者などのネットワークをつくり、アメリカ、ヨーロッパの取材を行いながら自然科学、エネルギー技術、医学、未来文明論、科学哲学、テラフォーミング等に関する情報執筆活動を続ける。「最新科学論シリーズ」37冊(学研)、世界の第一線科学者へのインタビュー集『知の巨人』(学研)、『ニューサイエンティスト群像』(勁草書房)などの一般科学書のほか、『ビームディフェンス』(時事通信社)、『巨大プロジェクト』『B1戦略爆撃機』(談講社)、『経済学のすべてがわかる本』(学研)、『薬は体に何をするか』『地球温暖化は本当か?』『原子力ルネサンス』(技術評論社)、『日本人の精子力』(学研)、『始まりの科学』(ソフトバンククリエイティブ)などの編著書を送り出してきた。がん医学書や動物医学書、科学図鑑も多い。
