初歩からのメディカルシリーズ医療従事者のための 痛みガイドブック
2015年9月12日紙版発売
2015年9月14日電子版発売
小川節郎 編著
B5変形判/192ページ
定価2,728円(本体2,480円+税10%)
ISBN 978-4-7741-7634-5
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書籍の概要
この本の概要
患者さんは日常生活でさまざまな痛みを感じています。痛みは,患者さんの生活の質(QOL)に大きな影響をあたえるため,患者さんと向き合っている医療従事者にとって,患者さんの痛み対策は特に重要なテーマです。痛みについての知識を学習し,かつ痛みの特殊性を理解し,患者さんの痛みの訴えに対する対応力を習得することは,確実に患者さんの苦痛緩和につながります。
最近ではペインクリニックという痛みを専門に扱う病院も増えて,ますます痛みの理解の必要性が高まっています。本書は,痛みのスペシャリストである小川節郎先生が,看護師やコメディカル関係者向けに,現場で役立つように,痛みのしくみや最新の痛みの知識を分かりやすく簡潔に解説したガイドブックです。痛みに興味のある人に役立ちます。
こんな方におすすめ
- 痛みとは何かという基礎知識を得たい人
- 医療従事者で,最新の痛みのメカニズムと対処法を知りたい人
目次
はじめに
第1章 痛みのコントロール
- 1-1 痛みにどう対処したらいいのか
- 1-2 痛みに関わる主な疾患
- 1-3 痛みを抑える治療手段
- 1-4 神経ブロックの鎮痛機序
- 1-5 薬物療法
- 1-6 その他の治療法
第2章 痛みの分類
- 2-1 痛みの原因による分類
- 2-2 痛みの部位による分類
- 2-3 痛みの感覚による分類ー速い痛み(一次痛)と遅い痛み(二次痛)ー
- 2-4 自発痛と誘発痛
- 2-5 原発痛と異所痛(関連痛)
- 2-6 痛みの表現による分類
第3章 痛みの主な原因疾患
- 3-1 CRPS(複合性局所疼痛症候群)
- 3-2 神経障害性痛
- 3-3 非特異的顔面痛
- 3-4 筋・筋膜性(疼)痛症候群.
- 3-5 頭痛
- 3-6 翼口蓋神経痛
- 3-7 舌痛症
- 3-8 頸部の痛み
- 3-9 腰痛症
- 3-10 梨状筋症候群
- 3-11 むずむず脚症候群
- 3-12 閉塞性血栓血管炎
- 3-13 閉塞性動脈硬化症
- 3-14 がんによる痛み
- 3-15 末梢性顔面神経麻痺
第4章 痛みの評価
- 4-1 痛みの強さの評価
- 4-2 痛みの質的評価
- 4-3 痛みの診療に用いられる主な心理検査
第5章 痛みの診察ー問診・理学的所見ー
- 5-1 診察の進め方
- 5-2 検査
- 5-3 QOL への影響の評価
- 5-4 神経学的診察
第6章 痛みを検査する
- 6-1 知覚・痛覚定量分析装置による痛みの強さの測定
- 6-2 マギル痛み質問表
- 6-3 SF-36
- 6-4 SDS
第7章 痛みと鎮痛法ー薬物療法ー
- 7-1 鎮痛薬のとらえ方
- 7-2 非ステロイド性抗炎症薬
- 7-3 アセトアミノフェン
- 7-4 抗けいれん薬
- 7-5 抗うつ薬
- 7-6 オピオイド
- 7-7 ケタミン
- 7-8 メキシレチン
- 7-9 ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液
- 7-10 漢方薬
- 7-11 トリプタン製剤
- 7-12 鎮痛薬,および鎮痛補助薬の併用について
第8章 痛みの予防
- 8-1 慢性痛の現状と対応
- 8-2 慢性痛と中枢神経の関係・ペインマトリックス
- 8-3 痛みと情動
- 8-4 なぜ痛みが慢性化するのか
- 8-5 慢性痛への対応:体を動かすことの重要性
- Column 腰痛治療の最新情報
- 8-6 水泳・水中運動が痛みの改善や身体によい理由
- 8-7 筋力低下の予防
第9章 痛みへの対処法ー薬物以外ー
- 9-1 リハビリテーション療法
- 9-2 リハビリテーションの方法
- 9-3 精神医学的療法.
- 9-4 神経ブロック療法
- 9-5 神経刺激療法
- 9-6 低反応レベルレーザー照射療法.
- 9-7 鍼治療
- 9-8 そのほかの療法
第10章 痛みのメカニズム
- 10-1 痛みとは何か
- (1) 痛みの定義
- (2) 痛みの分類法とその臨床的意義
- (3) 侵害受容性の痛みの伝達
- (4) 痛みの伝達経路から鑑別する痛みの種類
- (5) 生体の痛み伝達抑制機構.
- (6) 神経障害性痛の特徴とメカニズム:異常な痛みの伝達系
- 10-2 痛みが痛みをよぶー痛みの悪循環
- (1) 痛みの悪循環の引き金
- (2) 末梢性感作と中枢性感作が痛みを複雑にする.
- (3) 交感神経,運動神経,精神機能も関与
- (4) 下行性疼痛抑制機構の障害
- (5) 痛みの悪循環の治療
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