知りたい!サイエンスシリーズ痛みと鎮痛の基礎知識[上]基礎編
―脳は身体の警告信号をどう発信するのか
―脳は身体の警告信号をどう発信するのか
2010年2月5日紙版発売
小山なつ 著
四六判/256ページ
定価1,738円(本体1,580円+税10%)
ISBN 978-4-7741-4157-2
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書籍の概要
この本の概要
痛みとは,からだの異常を感知する感覚です。単なる感覚ではなく,不快な情動を伴うことによって,警告信号を発信する重要な役割を果します。しかし,からだの異常がないのに,慢性的に続くやっかいな痛みもあります。痛みを抑える治療は古代から試みられ,発展してきました。また,神経科学や分子生物学などの発展により痛みそのものの研究もすすみ,多くのことがわかってきました。本書(上巻)では,痛みの概念にはじまり,痛みに関する研究の歴史,痛みと痛みの抑制のメカニズムを詳しくみていきます。
こんな方におすすめ
- 痛み,鎮痛のメカニズムを知りたい方
- 痛みの研究やその歴史,治療に関心のある方
- 生理学に関心のある方
目次
第1章 痛みは警告信号?
- 1-1 ホメオスタシスとストレス
- 1-2 侵害受容と防御反射
- 1-3 痛みの学習と無痛症
- 1-4 痛みは感覚?
- 1-5 痛みは情動?
- 1-6 急性痛と慢性痛
- 1-7 痛みの定義
第2章 痛みのメカニズム
- 2-1 神経における情報伝達機構
- 2-2 痛みを伝える情報伝達機構
- 2-3 関連痛
- 2-4 痛みの異常のメカニズム
- 2-5 内因性疼痛抑制系
第3章 痛みに関連する物質と受容体
- 3-1 イオンチャネル型受容体と代謝型受容体
- 3-2 発痛物質・炎症メディエーター
- 3-3 カプサイシンと温度受容体
- 3-4 神経成長因子と侵害受容ニューロン
- 3-5 神経伝達物質と受容体
- 3-6 ニューロペプチド
- 3-7 内因性オピオイドペプチドとオピオイド受容体
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