なぜ、いま学校でプログラミングを学ぶのか
―はじまる「プログラミング教育」必修化
2020年1月23日紙版発売
2020年1月23日電子版発売
平井聡一郎,利根川裕太 著
四六判/232ページ
定価1,650円(本体1,500円+税10%)
ISBN 978-4-297-11087-1
書籍の概要
この本の概要
「結局どんなことを,どこまでやればいいの?」
「うちの学校,まだICT環境も十分整っていない……」
そんな先生や学校,自治体を救うべく,日本全国を飛び回り,プログラミング未経験の先生方への指導や授業づくりの支援に力を尽くす識者二人が語る直前対策の書です。
ときには自らも教壇に立ち,アイデアあふれる授業づくりの実践を重ねる元校長の平井聡一郎氏。
「すべての子どもがプログラミングを楽しむ国」を目指し,先生の支援に取り組む「みんなのコード」代表理事の利根川裕太氏。
現場を知り尽くした二人の実践者が「必修化の背景」から「授業で実際に取り組む方法」までくわしく解説。
教育関係の方々はもちろん「これから小学校でどんなことを学ぶのか?」と不安な保護者の方も,バッチリ理解できます。
必修化が直前に迫る現場の今と課題,プログラミング教育にかける想いを「本音」で語りあった対談も必読です!
こんな方におすすめ
- 小学校の先生や校長、各自治体の教育委員会などの学校教育関係者
- 民間のプログラミングスクールの講師
- 「プログラミング教育」に関心を持つ方
著者の一言
[平井先生から]
私は,茨城県で小・中学校や教育委員会に勤める中で,長年プログラミング教育を実践してきました。現在は文部科学省や総務省の教育ICTに関わるアドバイザーを務めるほか,全国の自治体や公立・私立の小中学校などで,プログラミング教育を現場に普及させる活動をしています。本書では,特定非営利活動法人「みんなのコード」の利根川裕太氏とともに,これまで教育現場で取り組んできた知見をまとめました。利根川氏はみんなのコードの設立者であり,企業と連携しながら,プログラミング教育の指導教員の養成や,プログラミング教材の開発を通して,小学校からのプログラミングの普及に取り組んでいます。
本書では,2020年度から小学校で必修化となるプログラミング教育について,必修化の背景というそもそもの話から,実際の事例をまじえた授業への落とし込みまでを,わかりやすく解説していきます。いまだプログラミング教育について不安に感じている方,漠然とした疑問をお持ちの方も多いと思います。そうした学校現場の先生だけでなく,自治体の方,民間の教室を運営している方,そして保護者の皆様に向けて,プログラミング教育の持つ意味をお話していきたいと思います。
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本書のサンプル
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目次
序章 「プログラミング」にどんなイメージを持っていますか? ―2020年度の教育改革に向けて(平井聡一郎)
- 教育関係者の持つ「プログラミング教育」のイメージからわかること
- AIやビッグデータで社会が大きく変わる
- 今ある職業の半分がAIに置き換わる!?
- 小学校でのプログラミング教育が目指すもの
- 新しい学びで何を育むのか
- まずは自分で体験してみること
第1章 なぜ,今プログラミング教育が必修化?(利根川裕太)
- 身の回りにたくさんあるコンピュータ
- 小学校で学ぶのは,暮らしに関連した身近なこと
- 暮らしに欠かせないコンピュータについて学ぶのが,プログラミング教育
- プログラミングを小学生から学ぶことへの疑問や不安に対して
- すべての子どもにプログラミング教育を
- 学校教育でプログラミングを必修化することの意義
- 身の回りの小さな課題を解決することが大きな活躍につながる
- 2020年度までと,その先へ
- コラム プログラミング教育が必修化になるまで
- コラム なぜコンピュータサイエンスを学ばなければならないのか ―東京大学大学院 情報学環・教授 越塚登先生の講演より
第2章 小学校プログラミング教育の目指すもの ―プログラミング的思考ってなに?(平井聡一郎+利根川裕太)
- コンピュータについて知り,創造力・可能性を広げる
- プログラミング的思考
- コンピュータやプログラミングの重要性に気づき,問題解決に生かそうとする態度
- プログラミング「で」教科の学びを深める
- プログラミング教育の分類
- プログラミング教育はこれからの学びの土台をつくる
- プログラミング的思考を育む授業の流れ
- コラム 創造力と高いIT技術力を持つ若手クリエーターたち ―未踏ジュニア2019年度最終成果報告会
第3章 プログラミング授業の始め方(利根川裕太)
- 学校の先生がプログラミング教育に向いているわけ
- 3ステップでプログラミング教育の準備をしよう
- 授業を行ううえでの4つのポイント
- 完璧を求めず,授業を実践してみる
- コラム 実際に行われた授業の事例満載! ―未来の学びコンソーシアムが運営する「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル」
- コラム すべての子供たちに,テクノロジーを通し自己実現できる環境を! ―石川県加賀市とコンピュータクラブハウス加賀の取り組み
第4章 プログラミング教材の選び方と実践方法(平井聡一郎)
- 教材はあくまでも「ツール」であることを忘れない
- 日常的に取り組める「アンプラグドコンピュータサイエンス」
- 直感的にプログラミングできる「ビジュアルプログラミング」
- リアルのモノと連動させる「フィジカルプログラミング」
- プログラミング教材を選ぶポイント
- はじめは「Start Small」から
- プログラミング体験は3ステップで始める
- できる場があれば,子どもは必ずやる
- 平井先生授業中継 茨城県大洗町立大洗小学校
- [2年生]朝の行動を書き出してみよう!
- [4年生]ビジュアルプログラミングで物語をつくってみよう!
- プログラミング的思考とコミュニケーション ―平井先生の授業を体験してみて 校長 沢畑好朗先生
第5章 さぁ,プログラミング授業を始めよう! ―取り組み最前線
- 事例1 愛知県岡崎市立男川小学校
- 「つべこべ言わずやってみる」から「信じてやっていく」 校長 本間茂夫先生
- 「公開授業」参観してきました
- [4年生]Scratchで『もみじ』の最後のハモリを考えよう
- [5年生]ご飯とみそ汁をつくろう
- 事例2 東京都世田谷区立東玉川小学校
- 児童も先生も,楽しさや面白さ,達成感を大切に 校長 奥山圭一先生
- 「公開授業」参観してきました
- [2年生]プログラミングであそぼう ―めいろをつくってあそぼう
- [4年生]チャレンジバリアフリー
- 事例3 東京都三鷹市立第一小学校
- プログラミングで表現の幅を広げる 図工専科 﨑村紅葉先生
- 「公開授業」参観してきました
- [6年生]The Moving Pictures! ―音楽に合わせて動く絵を描こう
- 事例4 岡山県総合教育センター
- 地道に少しずつ,幅広い地域で ―岡山県でのプログラミング教育への取り組み 情報教育部 指導主事 浅野雄一さん
平井聡一郎&利根川裕太 プログラミング対談 プログラミング教育を本音でトーク
- THEME1:今,プログラミング教育はどうなっているの?
- 民間のプログラミングスクールが増える一方で,広がる地域格差
- プログラミングが小学校の教科書に載ったことの意味
- 外部の人材を巻き込む,外側から声を上げる
- THEME2:学校のプログラミング教育の課題をひも解く
- プログラミング教育の分類ってなに? 学校や先生によって学習内容は異なるの?
- プログラミング教育の時間が足りない?
- ぶっちゃけ,小学校の先生がプログラミングを教えられるの?
- プログラミング教育,小学校よりも中学校のほうが課題多し
- プログラミング教育よりも前に,ICT環境が課題!
- ヘルプの声をあげることも大切!
- THEME3:本当にプログラミングって学ぶ必要があるの?
- テクノロジーの進化で,社会や仕事が変わる未来
- プログラミングの考え方は,生活にも必要
- プログラミングは,子どもたちの可能性を広げる
付録 プログラミング教材リスト
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