幾何で見える 必ずわかる一般相対性理論

[表紙]幾何で見える 必ずわかる一般相対性理論

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B5判/400ページ

定価3,960円(本体3,600円+税10%)

ISBN 978-4-297-13040-4

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この本の概要

本書は相対性理論を幾何学的な観点からアプローチします。幾何学的解釈(ユークリッド,非ユークリッド)を踏まえることで,アインシュタインが何をしようとしたのかをより具体的に知ることができます。「時間」が絡む前の幾何をまず押さえます。そして「時間」を取り入れた場合の特殊相対性理論へと進み,さらに一般相対性理論,リーマン幾何時空,軌跡の計算まで試みます。

アインシュタインが10年がかりで見つけたという重要な項の存在についても詳しく触れます。時空が重力で影響を受けた場合,三平方の定理が変形します。空間の歪みがどのように記述されるのか,丁寧に読み解きます。

オールカラーで図や写真を多く掲載し,式や物理現象などをイメージしやすい構成にしているので,相対性理論を勉強し始めたばかりの方,幾何学をこれまでやってこなかった方にも抵抗なく読み進めていただくことができます。

こんな方におすすめ

  • 相対性理論を理解したい人
  • 理工系学部学生
  • 将来エンジニアになりたい人

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知的好奇心を刺激する3冊!
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著者プロフィール

見城尚志(けんじょうたかし)

1940年静岡市生まれ。

東北大学工学部修士課程を経てTEACに入社。職業能力開発大学校教授,日本電産株式会社モーター基礎研究所所長などを歴任,現在はTechnical Adviser。

東北大学では教養課程の数学と物理に新鮮・深遠さを感じ,新設された電子工学科を選び,そこで知ったアインシュタインの光電子理論を契機に相対性理論に刺激を受けた。モーターと発電機の電磁界理論から特殊相対論に入り,非ユークリッド幾何の側面から一般相対論を追究し続け,その集大成が本書である。相対論は思考の視野を広げるツールであり,文明史,経済,行政に関心をもつ読者も想定して書いた。産業のコメとされるモーターはまさに相対論の産物であるが,啓蒙を超える領域は未完であり割愛した。


佐野茂(さのしげる)

1949年東京生まれ。

修士課程までは東京工大で数学を専攻し,職業訓練大学校に就職。1983年半単純対称空間の調和解析の研究で理学博士(東京大学),フランスのストラスブールの高等数学研究所に進み,欧米の数学者との親交を深めた。帰国後,所属大学のほか母校の東京工大など5大学で理工向けの数学を教えた。また,北海道職業能力開発大学校の校長などを歴任,現在は職業能力開発総合大学校名誉教授。

専門は表現論と調和解析であり相対論に近い。本書では工学者との共同作業によって時空の新しい幾何学を提唱し,物理学者とは異なる論法で新相対性理論を創作した。文系の読者にも本質が伝わるように,数式だけでなく豊富な幾何図形にも工夫を凝らした。