付加価値ファースト
〜常識を壊す旭鉄工の経営〜
2024年1月6日紙版発売
2024年1月6日電子版発売
木村哲也 著
四六判/368ページ
定価2,640円(本体2,400円+税10%)
ISBN 978-4-297-13891-2
書籍の概要
この本の概要
- 「収益性が低く,事業を将来も継続していけるか不安だ」
- 「新しい取り組みに着手しようにも社内の抵抗が大きい」
- 「環境への配慮が必要だが,コストを掛ける余裕がない」
そんな会社を経営経験ゼロから変えていき,収益を10億円改善しつつ,CO2排出量を21%削減できた秘密とは?
- 変革に必要なのはIT人材ではなく,経営者がDX人材になること
- 「見ザル」「言わザル」「使わザル」改善を阻む“三ザル”をなくす
- ChatGPTとカイゼンの上位概念「イマドキフキソカチ」でカイゼンを民主化
- 売上が増えても利益は増えない,限られた売上高でも生き残るようにする
- 社長自らSlackで発信,挑戦や情報共有がしやすい風土をつくる
- 利益を増やしてCO2を減らす“儲かるカーボンニュートラル”を実現
- 自社のDXの成果をサービス化,会社の枠を越えてノウハウを共有
トヨタ自動車での18年間にわたる車両開発で培われたエンジニアリングセンス,トヨタ生産方式の知識,現地現物を大事にする姿勢の3つを融合させ,実践で叩き上げた斬新な経営ノウハウを全公開。
こんな方におすすめ
- 企業変革の活きたノウハウを知りたい方
- DXを実現したい方
- 改善の回し方を知りたい方
- カーボンニュートラル推進の方法を知りたい方
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目次
はじめに
- 旭鉄工の2つのDX
- 必要なのはIT人材ではなく経営者自身がDX人材になること
第1章 会社の変革にあたり持つべき3つの視点
付加価値ファースト
- 「今までやってきた=正しい」わけではない
- 考えるべきは付加価値=アウトプットの増大
- 自分が変わる,周囲も変える
- デジタルで楽をする
- トヨタ生産方式はIoTで進化する
- カイゼンの目的は人減らしではない
- 儲からないカイゼン
困難を突破する覚悟を持つ
- 自動車部品製造業の3つの脅威
- 「変革を止める=生き残りを諦める」こと
- 「だれ1人取り残さない」の罠 ~全員が幸福になる施策などない
- DXはDよりX,三ザルを退治する
とにかくやってみる
- やらないと取り残される
- やらない言いわけをしない
- とりあえずやってみるからうまくいく
- 方向を明確に示して任せる
第2章 見える化すべきは数値ではなく問題
問題がないのではなく,見えてないだけ
- 見えない問題は直らない
- 旭鉄工が重視する3つの見えない問題
24時間365日データを自動収集し,問題を見える化する仕組みをつくる
- トヨタと同じようには管理できない
- データの収集と処理はシステムに任せる
- iXacsの基本的な動作アルゴリズム
- 人の手を煩わせず数値を分析し問題を見える化
- IoTは監視ではなく現場のアピールの道具
データ収集にあたっての考え方
- 収集するデータは目的から決める
- 経営的な視点で考える
- データの精度より活用・実行
- 対象ラインは効果が大きそうなところを選び,スモールスタートで効果を出しながら広げる
第3章 儲かるカイゼンの仕組み
経営と現場のカイゼンをつなげる
- デジタルの力を借りてPDCAを高速に回す
- コラム 「カイゼン」と「改善」の違い
- 製造ラインの目標を経営とリンクさせる
- 「ラインストップミーティング」でチームでPDCAを回す
- 横展ボードで進捗とノウハウを共有する
- 「変遷図」で目標と現在の実力との乖離を把握
- 主要4項目の日々の数値をチェックする
- カイゼンで労務費が抑制される仕組み
データでカイゼンの切り口を探す
- 影響の大きい停止要因は何か?
- サイクルタイム遅れか,チョコ停か,ドカ停か?
- 人や時間によるCTバラつきはないか?
- 対策アイテムを積み上げる ~できるまでやる
- 「横展卒業式」で社長に報告する ~カイゼン効果はサチらない
- コラム 在庫の低減は目的ではなく,カイゼンの副次効果
- 収支フォロー会議で月次決算の分析と現場のカイゼン進捗フォローを同時におこなう
第4章 挑戦する風土への変革
風土を改革するのは仕組みではなく行動
- 自分が変化することでしか風土は変えられない
- 自分ごとと取るか,他人ごとと取るか
- 旭鉄工の4つの風土改革
付加価値ファースト
- 他社がやってないことをやる
- 価格競争より価値競争
- 付加価値のない作業はやめる
失敗を恐れずやってみる
- 費用の低減よりも効果の最大化を考える
- 小さな挑戦の機会を作る
- 怪我以外は失敗していい
- 詳細な計画立案を求めない
- 細かい指示をしない
- 完璧を求めない
- 直接関係ない領域に手を出してみる
ほめる・楽しくやる
- お金よりもほめられることこそが報酬
- 横展卒業式で社長自らカイゼン活動をほめる
- 遊び心を持つ
- メディアへの露出に積極的に取り組む
情報・ノウハウを共有する
- Slackを利用し,投稿を促す工夫をする
- Slack上でノウハウを共有
- コラム 旭鉄工のカイゼン活動はゲーミフィケーション
第5章 カイゼンの民主化
カイゼンのナレッジマネジメント
- ムダを見つけるには「足を見て,手を見て,目を見よう」
- 「横展アイテムリスト」がカイゼンをスピードアップする
- カイゼンの9つの上位概念「イマドキフキソカチ」
カイゼン人材を育成する組織をつくる
- カイゼン人材の増やし方
- カイゼン市民ランナーを育成する
ChatGPTでカイゼンの民主化を推し進める
- ノウハウが増えるほど探すのが難しくなる
- 生成AIをノウハウ集約・展開の責任者に任命
- 会社の枠を越えてノウハウを共有
- カイゼン活動を非競争領域に
第6章 限量経営のための原価管理と利益管理
生き残りをかけた限量経営
- 損益分岐点を下げて生き残る
- 利益体質と損益分岐点を線で見極める
- 利益体質を大幅に改善(損益分岐点29億円低下,利益10億円増)
- 売上と利益の関係を改善するために必要な2つのこと
原価を正確に把握し低減をおこなう
- 可動率がわからないから損失が見えない
- 労務費とエネルギー費以外の原価の算出を見直す
- IoTデータは交渉の武器
適切な売価を設定する
- 「売価が安い=競争力」ではない
- 原価低減を伴わない売価低減は厳禁
- 「原価企画会議」で原価低減と利益確保の両方をチェックする
さらなる付加価値の見える化と追求
- 製造現場と経営層が同じ経営指標を管理する
- 「総付加価値額」の最大化を狙う
- これから重要になる2つの指標
- コラム 正常を管理するな,異常を管理せよ
- 指標を改善するのは製造現場だけの責任ではない
7章 儲かるカーボンニュートラルの秘密
コストをかけずムダの排除でCO2排出量を低減
- カーボンニュートラルを推進しなければならない理由
- 中堅中小のカーボンニュートラル推進は省エネから
ムダを見える化する
- 見える化すべきは数値ではなく問題
- 製造業の待機電力は一般家庭よりひと桁多い
- 蛍光灯さえ消せば省エネしてると思ってた
- 電気使用量のデータだけではムダが見えない
- ムダな電力の分析方法
- ムダな電気使用量が見えるメリット
- 電気使用量を低減する手法と順番
待機電力の削減
- 待機状態を3つに分ける
- ①大きな待機電力を消費する時間を短くする
- ②待機電力そのものを小さくする
- コラム 「電源切ってます」と言っても……
停止電力の削減
- ①停止時間を短くする
- ②停止電力そのものを小さくする
正味電力の削減
- サイクルタイムを短縮して,時間あたりの出来高を増やす
- 電力変遷図をもとに生産性向上と電力低減を同時におこなう
その他電力の削減
- 設備の電源とエアの供給を連動して漏れを低減
電力削減を進める仕組みと成果
- 横展アイテムリストの電力バージョンでさらなるCO2排出量削減へ
- カイゼンによりCO2排出量はどれだけ削減できたか
- データを使ったカーボンニュートラル推進の6つのステップ
- コラム 旭鉄工でおこなっているCO2排出量の見える化
第8章 自社のツールとノウハウの外販
DXサービスをつくる
- 既存の現場とリソースを活かして新しい付加価値を生み出す
- DXサービス構築の留意点
カイゼンをKaaSとしてサービス化
- 問題を直さないと意味がない
- ①IoTモニタリングサービスiXacs
- コラム iXacsのコストパフォーマンスを計算すると
- ②伴走支援
- ③IoT改善塾(旭鉄工流カイゼン活動の実践)
- コラム i Smart Technologiesのその他のサービス
第9章 さらなる付加価値の追求と創造
経営指標から社会インフラへと広がるIoTデータの可能性
- IoTデータから計算される指標と実際の経営指標数値の相関
- コラム IoTで決算数値を予測する
- IoTサプライチェーンマネージメント
製造IoTデータの他領域での活用の可能性
- 金融機関での活用
- IoTデューデリジェンス
- リース会社での活用
- IoTマクロ経済把握と予測
- コラム 生産個数ではなく付加価値額での比較が必要
経営のアルゴリズム化
- 経営GAIが付加価値ファーストを加速する
- 人間に求められることとは
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