知りたい!サイエンスシリーズここまで進んだ次世代医薬品
―ちょっと未来の薬の科学 

[表紙]ここまで進んだ次世代医薬品―ちょっと未来の薬の科学 

四六判/240ページ

定価(本体1,580円+税)

ISBN 978-4-7741-4591-4

電子版

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書籍の概要

この本の概要

医療が発達した21世紀。こんな現代において,創薬研究者はいったどのような薬を開発しているのだろうか?

副作用の起こりにくい抗ガン剤,薬がなかったアルツハイマー型認知症の治療薬,難病や不治の病……。

そんな“一段上のレベル”の難しい分野へと,創薬の主戦場は移りつつある。次世代医薬品の研究は,航空宇宙産業と並んで“知の集大成”といわれ,世界の中でもごく限られた国でしか生み出すことのできない,特殊な産業である。創薬研究者たちは,あの手この手を用いながら,数々の難病と日夜闘っているのだ。本書は,そんな彼らの活躍ぶりと,次世代医薬品のテクノロジーについて伝えていく。

こんな方におすすめ

  • 未来の薬について興味のある方
  • 創薬の現状について知りたい方
  • お薬マニアな方

目次

第1章 次世代医薬品・総論

  • 1-1 医薬品の基本,小さな分子の有機化合物
  • 1-2 成長を続ける次世代医薬品市場と問題点
  • 1-3 分子標的治療・抗体医薬
  • 1-4 核酸を薬として利用する

第2章 薬ができるまで

  • 2-1 医薬品が生まれるまで① 低分子化合物医薬品の場合(分子標的医薬品)
  • 2-2 医薬品が生まれるまで② バイオ医薬品の場合(抗体医薬品)
  • 2-3 医薬品が生まれるまで③ 一般的な臨床試験
  • 2-4 医薬品が生まれるまで④ 抗ガン剤の臨床試験

第3章 第一世代バイオ医薬品

  • 3-1 第一世代バイオ医薬品の例
  • 3-2 抗ガン作用を持つ酵素
  • 3-3 バイオシミラー(バイオ後続品)の登場

第4章 第二世代バイオ医薬品①・ガンと戦う

  • 4-1 分子標的治療薬とは?
  • 4-2 抗体医薬とは?
  • 4-3 抗体医薬品はどうして効くのか?
  • 4-4 膜タンパク質をブロックする戦略① トラスツズマブの大活躍
  • 4-5 膜タンパク質をブロックする戦略② セツキシマブ――大腸ガンの治療薬
  • 4-6 膜タンパク質をブロックする戦略③ インスリン様成長因子をターゲットとする抗体医薬の可能性
  • 4-7 殺し屋の免疫を集める戦略① ガン免疫療法医薬品とは?
  • 4-8 殺し屋の免疫を集める戦略② ガンペプチドワクチン(1) なにが問題なのか?
  • 4-9 殺し屋の免疫を集める戦略③ ガンペプチドワクチン(2) 日本における臨床試験
  • 4-10 殺し屋の免疫を集める戦略④ T細胞の抑制を妨げることをターゲットにする抗体医薬
  • 4-11 殺し屋の免疫を集める戦略⑤ 黒色腫治療薬イピリムマブ
  • 4-12 栄養を奪って兵糧攻めの戦略① 血管新生阻害薬(1) 兵糧攻めのエース
  • 4-13 栄養を奪って兵糧攻めの戦略② 血管新生阻害剤(2) 血管を治す不思議な作用
  • 4-14 栄養を奪って兵糧攻めの戦略③ 血管新生阻害剤(3) ベバシズマブ
  • 4-15 栄養を奪って兵糧攻めの戦略④ オーロラキナーゼ
  • 4-16 栄養を奪って兵糧攻めの戦略⑤ チェックポイント阻害剤
  • 4-17 栄養を奪って兵糧攻めの戦略⑥ 分子標的治療薬の教科書イマチニブ
  • 4-18 殺成分を持ち込んで殺す戦略① 武装抗体T-DM1

第5章 第二世代バイオ医薬品②・さまざまな病に打ち勝つ

  • 5-1 アルツハイマー型認知症は,抗体医薬でやっつけられるのか?
  • 5-2 骨粗鬆症治療薬としても期待される抗体薬品
  • 5-3 コメ型ワクチンMucoRice
  • 5-4 次世代ワクチンのいろいろ
  • 5-5 新型インフルエンザとDNAワクチン

第6章 第三世代バイオ医薬品・未来を拓く

  • 6-1 アロステリック医薬品
  • 6-2 未来の抗体医薬
  • 6-3 オリゴ核酸医薬品
  • 6-4 ナノ治療薬
  • 6-5 その他の次世代薬品
  • 6-6 次世代医薬品の作り方

著者プロフィール

中西貴之(なかにしたかゆき)

1965年,山口県下関市彦島生まれ。山口大学大学院応用微生物学修了。現在,総合化学メーカー宇部興産株式会社医薬研究所で鋭意創薬研究中。心を落ち着かせるときにすることは掃除。地元下関市の平家一門の御霊を鎮める伝統芸能「平家踊」で音頭取りを務める継承者。著書に『からだビックリ! 薬はこうしてやっと効く』『なにがスゴイか? 万能細胞』『食品汚染はなにが危ないのか』『なぜ,体はひとりでに治るのか?』(以上,技術評論社),『宇宙と地球を視る人工衛星100』(ソフトバンククリエイティブ)他。

日本質量分析学会,日本科学技術ジャーナリスト会議会員。