Ubuntu Weekly Recipe

第697回 AMD Ryzen 7 5800Xで学ぶ,Ubuntuにおけるシステムの動作確認

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システムの情報を取得する

Ubuntuを起動したらまずシステムの情報をきちんと取得できているか確認しましょう。新しめの機材だと,まずここで弾かれます。ただし「情報を表示できないだけ」で問題なく動くケースも多々ありますので,表示されないだけなら,そこまで心配する必要はないでしょう。気をつけるべきは「正しく表示されないデバイス」は,⁠Ubuntuからすると新しすぎるか利用者が少ないデバイスである」ために「何がしかの機能が動かない可能性がある」という点です。要するに今後の調査においての,注意喚起として使えるのです。

情報を取得する際は,⁠最初からインストールされているコマンドで情報を取得する方法」を知っておくことが重要です。⁠情報を取得したいけれどもそもそもネットに繋がらない」とか「デスクトップが立ち上がらないのでCLIでなんとかしないといけない」というケースも稀に存在するからです※3⁠。その手のツールとしては,Ubuntuデスクトップならシステム設定の「このシステムについて」を確認すれば基本的な情報は掲載されています。サーバーなら,lshwコマンドやcpuinfoなどが使えるでしょう。dmesgの中身にもそれなりに有用な情報が残っています。

※3
「稀」とは言いましたが,ちょっと変わったコンピューターにインストールするようになると日常的に遭遇します。たとえかなり制約されたコマンドしかなくてもCLIに到達するだけで御の字という世界もあるのです。

よって新しいマシンを入手したら,これらのツールを使って記録を取るクセをつけておくと,その後トラブルに遭遇したときに役に立つかもしれません。とはいえこれらのツールは表示が若干味気ないです。どうせなら「それっぽい」表示ができるツールも試してみたいところ。そこでいくつか「見栄えのする」ツールも紹介しましょう。

図1 GNOMEのシステム設定とneofetch,cpu-xで情報を表示した様子

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CLIでのシステム情報の定番「neofetch」

neofetchはシステム情報を取得し,端末に「いい感じのフォーマット」で表示してくれるbashスクリプトです。

LinuxだけでなくWindowsやmacOSをはじめとしたさまざまなシステムに対応しているため,neofetchをインストールした上で実行結果をスクリーンショットに撮っておけば,おおよそどんなシステムで動いているかわかるようになっています。

$ sudo apt install neofetch

図2 neofetchはOSのロゴもアスキーアートで表示してくれる

図2

ロゴ画像も含めて,表示内容をいろいろカスタマイズできるため,興味のある人はneofetchのWikiを一通り読んでおくと良いでしょう。

ちなみにC言語で記述され高速なsysfetchやPOSIXシェルで作られNerdfontsを活用したNerdFetchなども存在します。残念ながらどちらもパッケージ化はされていないようです。

CPU-Zライクなマシン情報の表示「CPU-X」

CPU-XはCPUやマザーボード・GPUなどの情報を表示したり,簡単なベンチマークを行ってくれるGUI/CLIツールです。Windowsユーザーであれば,Linux版の「CPU-Z」と言えばわかりやすいでしょうか。

$ sudo apt install cpu-x

あとはアプリケーションから「cpu-x」を検索して表示するだけです。とてもCPU-ZっぽいUIが表示されます。

図3 CPUの情報

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図4 キャッシュの情報

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図5 マザーボードの情報

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図6 システムの情報

図6

図7 GPUの情報

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図8 ベンチマーク

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起動時は一般ユーザーの権限で取得できる情報のみが表示されます。画面右下の「デーモンを開始する」をクリックすると,パスワードの問い合わせが表示され,最終的に管理者権限が必要な情報も表示されるようになります。

図9 デーモンを開始したあとの結果。他にも「メモリー」というタブが追加される

図9

ちなみにCPU-Xは,ncursesを利用したCLI表示にも対応しています。端末から--ncursesオプションを付けてcpu-xコマンドを実行すると,端末上にCPU-Xの画面が表示されます。カーソルキーでタブの移動,qキーでアプリケーションの終了です。

図10 CLI版のCPU-X

図10

CPU-Xそのものは,2021年の1月に「新機能はもう追加しない」というステータスになりました。ただし引き続き不具合対応は行われる予定ですし,現時点でも十分な機能を持っているため,今後も問題なく使えることでしょう。

著者プロフィール

柴田充也(しばたみつや)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社 創夢所属。数年前にLaunchpad上でStellariumの翻訳をしたことがきっかけで,Ubuntuの翻訳にも関わるようになりました。