知りたい!サイエンスシリーズ人のアブラはなぜ嫌われるのか
−脂質「コレステロール・中性脂肪など」の正しい科学−

[表紙]人のアブラはなぜ嫌われるのか −脂質「コレステロール・中性脂肪など」の正しい科学−

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四六判/208ページ

定価1,738円(本体1,580円+税10%)

ISBN 978-4-7741-7311-5

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書籍の概要

この本の概要

脂肪,とくにコレステロールはみんなの嫌われ者です。健康診断ではコレステロール値や中性脂肪値が気になります。その一方で脂質は三大栄養素には違いなく,体に必要なものなのです。多くの人は,そんな脂質についてどれほど知っているでしょうか? 脂肪酸,中性脂肪,コレステロールなどが食物からどう取り込まれるのか,あるいは生合成されるのか,どういう種類があってどういった働きをするのか,本書は,嫌われ者のアブラについて科学する本です。健康を気にする方,栄養と脂質について知りたい方に読んでほしい1冊です。

こんな方におすすめ

  • 健康や食事を気にする方
  • 脂質についての栄養学や代謝(生化学)を知りたい方

目次

第1章 「脂質」はなぜ体に必要なの?

  • 1-1 エネルギー源だけじゃない「脂質」の多様な働きを総チェック
  • 1-2 水になじみにくいはずなのに …「中性脂肪」はどう吸収されるのか?
  • 1-3 「脂肪酸」のフクザツな性質を知ろう! ?「炭素の長さ」による分類
  • 1-4 「脂肪酸」のフクザツな性質を知ろう! ?炭素の「二重結合」とは何か?
  • 1-5 「脂肪酸」のフクザツな性質を知ろう! ?「必須脂肪酸」はなぜ重要なか?
  • 1-6 「脂質」に関する研究の変遷?動物脂より植物油がヘルシーって本当?
  • 1-7 「脂質」に関する研究の変遷?「体にいい油」とはどんなものなのか?
  • 1-8 「脂質」に関する研究の変遷?トランス脂肪酸はどこまで危険か?

第2章 「コレステロール」の働きと健康との関わり

  • 2-1 たまると体に悪いだけじゃない コレステロールとはどんな物質か?
  • 2-2 コレステロールと健康の関わりはどこまでわかってきたのか?
  • 2-3 血液中のコレステロールの働きは? ?「リポ蛋白」としてのLDL,HDL
  • 2-4 血液中のコレステロールの働きは? ?HDLが「善玉」である理由
  • 2-5 血液中のコレステロールの働きは? ?LDLはどこまで「悪玉」なのか
  • 2-6 本当の「悪玉」?「酸化LDL」の正体を突き止める!
  • 2-7 LDLの酸化をいかに防ぐか〜動脈硬化はこうして起こる!

第3章 人はなぜ「メタボ・肥満」に悩まされるか?

  • 3-1 「メタボ」が生まれた背景 ?〜脂質の摂取割合と肥満の増加の関わり
  • 3-2 「メタボ」が生まれた背景 ?〜内臓脂肪の蓄積はなぜ危険か?
  • 3-3 脂質はどう代謝されるのか? ?〜「β酸化」から「クエン酸回路」へ
  • 3-4 脂質はどう代謝されるのか? ?〜「ケトン体」の働きと役割

第4章 「脳にいい油」はどこまで本当か?

  • 4-1 必須脂肪酸のバランスはなぜ重要か? ?プロスタグランジンとの関係
  • 4-2 必須脂肪酸のバランスはなぜ重要か? ?アレルギーの意外な原因に
  • 4-3 「魚の油」はなぜ体にいいのか? ?EPAがもたらす血液サラサラ効果
  • 4-4 「魚の油」はなぜ体にいいのか? ?DHAと脳の関係
  • 4-5 中鎖脂肪酸と脳の関わり〜アルツハイマー病はどこまで改善されるか

第5章 食生活で脂質をどのくらい取り入れるべきか

  • 5-1 カロリー制限はどこまで必要か? ?大事なのは「間食を減らす」こと
  • 5-2 カロリー制限はどこまで必要か? ?ジャンクフードとの賢いつきあい方
  • 5-3 老化を防ぐ脂質の摂り方 ?高齢期に脂質はどこまで摂るべきか
  • 5-4 老化を防ぐ脂質の摂り方 ?「伝統的な日本食」の長所と短所
  • 5-5 老化を防ぐ脂質の摂り方 ?「地中海式ダイエット」のメリットは?
  • 5-6 「脂質バランス」以外に大事なこと〜抗酸化をうながす食事とは?
  • 5-7 総まとめ・「理想の日本食」とは何か?

著者プロフィール

近藤和雄(こんどうかずお)

1949年,東京生まれ。医学博士。東京慈恵会医科大学を卒業後,豪・メルボルンのベイカー研究所へ留学。防衛医科大学病院講師(第一内科)を経て,国立健康・栄養研究所臨床栄養部臨床栄養指導研究室長を務める。1999年,お茶の水女子大学生活環境研究センター教授に就任後,同センター長,大学院教授を歴任。現,同大名誉教授,東洋大学食環境科学部教授。日本栄養・食糧学会会長。日本動脈硬化学会評議員。動脈硬化を起こす生活習慣病(脂質異常症,肥満,糖尿病,高血圧)と食物との関わりについて研究,赤ワインの抗酸化作用の解明などを通じ世界的に評価されている。著書に『赤ワイン健康法』(ごま書房),『からだに効く赤ワインの条件』(講談社),『こんなおもしろい脂肪があった!』(ジーオー企画出版)など多数。