ファーストブック
[改訂3版]地球環境がわかる
- 西岡秀三,宮﨑忠國,村野健太郎 著
- 定価
- 2,090円(本体1,900円+税10%)
- 発売日
- 2023.2.24
- 判型
- A5
- 頁数
- 256ページ
- ISBN
- 978-4-297-13296-5 978-4-297-13297-2
サポート情報
概要
IPCCの1.5℃目標など、近年、地球環境にまつわるさまざまな気候問題が表面化してきました。
私たちの周りをとりまく環境では、どのようなことが起きているのか? どうして今、気候変動が問題となっているのか?
温室効果ガスの大半をしめるCO2の増加によって、化石燃料の使用の見直し、多発するようになった豪雨や海水面の上昇によってもたらされる深刻な災害など、世界や日本が取り組まなければならない課題は山積しています。
本書ではその課題がどんなものかがわかるよう、最新のIPCC第6次評価報告書をもとに、全面的に内容を見直しました。
何が問題で、どう取り組まなければならないのか、地球を取り巻く環境のさまざまな事象をイラストや図表を交えてやさしく解説します。
こんな方にオススメ
- 地球環境について知りたい学生、社会人
- 近年の地球温暖化について、やさしく網羅的に知りたい人
目次
第1章 環境問題の基本
- 1-1 環境と環境問題
- 1-2 自然の恩恵とは(生態系の機能)
- 1-3 公害から地球環境問題へ
- 1-4 持続可能な発展とSDGs
第2章 エネルギー・物質の循環
- 2-1 大気の構造と循環
- 2-2 水循環と海洋大循環
- 2-3 エネルギー消費量と確認可採埋蔵量
- 2-4 再生可能エネルギー
- 2-5 バイオエネルギー
- 2-6 硫黄循環
- 2-7 窒素循環
- 2-8 水銀循環と水俣条約
- 2-9 バーチャルウォーター
- 2-10 マテリアルフローと循環資源
- 2-11 持続可能な開発と循環型社会
- 2-12 LCA
- 2-13 原子力発電のリスクと地球環境問題
第3章 地球温暖化
- 3-1 地球温暖化のメカニズム
- 3-2 炭素循環と収支
- 3-3 温室効果ガス
- 3-4 温暖化を予測する
- 3-5 気候変化で何が起きるのか
- 3-6 気候をどのようにして安定化するのか
- 3-7 脱炭素社会の構築に向けて
- 3-8 気候安定化対応と技術
- 3-9 日本の温暖化対応
第4章 自然環境の改変と汚染
- 4-1 成層圏オゾン層破壊
- 4-2 大気汚染と酸性雨
- 4-3 越境大気汚染とPM2.5問題
- 4-4 土壌汚染
- 4-5 海洋汚染
- 4-6 マイクロプラスチック問題
第5章 自然環境と生物多様性
- 5-1 熱帯林の減少と劣化
- 5-2 森林減少を防止するには
- 5-3 進む砂漠化
- 5-4 砂漠化防止への取り組み
- 5-5 生物多様性の減少
- 5-6 国際的な生物多様性減少防止に関する条約
- 5-7 在来種と外来種
- 5-8 海洋生物の保全
- 5-9 激減する身近な自然環境
- 5-10 身近な自然の保全と共生
第6章 都市化と環境問題
- 6-1 都市生活の様式変化と問題点
- 6-2 都市化による環境変化
- 6-3 ヒートアイランド対策
- 6-4 廃棄物処理と再資源化
- 6-5 自動車交通のもたらすさまざまな問題
- 6-6 都市の交通戦略
- 6-7 持続可能な都市の構築
- 6-8 環境に配慮した商品づくりと消費者
- 6-9 これからのライフスタイル
第7章 地球環境をよくするためのしくみと行動
- 7-1 環境問題の特色を知る
- 7-2 SDGsの気候安定化行動
- 7-3 持続可能社会に向けた環境の科学とは
- 7-4 地球環境政策のしくみ
- 7-5 環境対策を取り入れた経済システム
- 7-6 企業の環境行動
プロフィール
西岡秀三
公益財団法人 地球環境戦略研究機関 参与。工学博士。
1939年東京生まれ。国立環境研究所勤務、東京工業大学教授、慶應義塾大学教授、国立環境研究所理事、地球環境戦略研究機関気候政策プロジェクトリーダ、を経て現職。専門は環境システム学、環境政策学、地球環境学。1988年よりIPCCなどで、気候変化影響や気候安定化対策シナリオ研究に従事。環境省地球環境研究計画「2050年温室効果ガス削減シナリオ研究」のリーダー、および文部科学省気候予測モデル「革新プログラム」共同研究総括を務めた。編著書として『低炭素社会のデザイン』岩波新書、『日本低炭素社会のシナリオ——二酸化炭素70%削減の道筋』日刊工業新聞社、『地球温暖化と日本——自然・人への影響予測』古今書院、『新しい地球環境学』古今書院、などがある。
宮﨑忠國
有限会社 コンサルトエム 代表取締役。元東京農業大学教授。理学博士。
1942年東京都生まれ。1974年環境省国立公害研究所(現、環境庁国立環境研究所)研究員。1988年主任研究員。1995年国立環境研究所地球環境研究センター研究管理官。1997年山梨県環境科学研究所部長。2002年副所長。2004年東京農業大学教授。リモートセンシングを用いた自然環境モニタリング、特に、熱帯林、砂漠化、サンゴ礁の研究や森林、緑地の評価研究などを行った。共著として『地球を観測する、地球環境セミナー2』オーム社、『地球環境ハンドブック』朝倉書店、『環境緑地学入門』コロナ社、などがある。
村野健太郎
京都大学地球環境学堂研究員。元法政大学教授。理学博士。
1946年鹿児島市生まれ。1975年東京大学大学院理学系研究科化学博士課程修了。1976年環境庁国立公害研究所大気環境部入所研究員。1990年国立環境研究所(改称)地球環境研究グループ酸性雨研究チーム主任研究員。2004年独立行政法人国立環境研究所大気圏環境研究領域酸性雨研究チーム総合研究官。2008年法政大学生命科学部環境応用化学科教授。2018年京都大学地球環境学堂研究員。専門分野は、環境科学、酸性雨。著書として『酸性雨と酸性霧』裳華房、分担執筆として『地球環境の行方—酸性雨』中央法規出版、『身近な地球環境問題—酸性雨を考える—』コロナ社、『理科年表—環境編』丸善、『第5版実験化学講座環境化学』丸善、などがある。