今回は、
“仕事の流れ
※:人物相関図については、
価値連鎖と業務連鎖
開発部と知的財産部のコアメンバーであれこれと作戦会議を練っています。何か突破口を見出したいところです。今日は、
赤西さん:
「僕ら開発部が製造部と仲たがいしていても、 意味ないっすよね」 佐藤さん:
「そりゃそうだけど、 僕のことを毛嫌いしているあの部長だよ。気が進まないなぁ」 加藤さん:
「後輩の赤西君にはっきりと言われちゃ、 佐藤、 お前も立場ないよな。少なくとも、 村瀬開発部長の先日のお話だと、 製造部長は不良品発生の解決には協力してくれるみたいだし…」 村瀬部長:
「自分から製造部長に話は通すから、 まずはどうやって改善を前に進めていく作戦が良いか、 考えることが先決だ」 佐藤さん:
「ですね……」 坂本課長:
「マーケ (マーケティング) の仕事柄というわけじゃないけど、 “バリュー・ で社内の各部門の活動を見てみるといいかもしれないよ」チェーン (価値連鎖)” W女史:
「確かに、 バリュー・ チェーンは業務の流れを考えるときに、 ちょうどいいわね」 佐藤さん・
加藤さん・ 赤西さん・ 広瀬さん: 「バリュー・ チェーン??」
この図は、
「バリュー・
バリュー・
さて、
仕事は、
一通り、
佐藤さん・
加藤さん・ 赤西さん・ 広瀬さん: 「組織図と対比させるとわかりやすいですね」 坂本課長:
「そう、 “チェーン” という名の通り、 本来、 業務は連続的につながっていなければならないんだ。しかし、 各部門にはそれぞれ役割があり、 その構造は縦割りだ。縦割りがあまりにも強すぎると、 組織に何が起きるかは予測できるだろう?」 佐藤さん:
「セクショナリズムってことですね。まさしく、 今の当社だ」 W女史:
「セクショナリズムのために、 コミュニケーションが阻害され、 協力関係を築くことが困難になってしまいますよね」 S氏:
「幸か不幸か、 ちょうどいいタイミングで価値や業務の連鎖の話が出てきたので、 仕事のインプットやアウトプットについて考えてみましょう」
仕事のインプットとアウトプット
赤西さん:
「そう言えば、 ISO9001でも “設計のインプット” とか聞いたことがあります」 佐藤さん:
「うん、 僕ら開発部の設計のインプットは仕様書だし、 マーケやお客様からの要求がインプットになる時もある。また、 アウトプットは回路図などの図面やPDM(Product Data Management)やBOM(Bills of Materials)に包括されるときも最近は多いけどね」 S氏:
「開発や設計部門ではそうなりますよね。ここで、 先の価値連鎖・ 業務連鎖を1つ1つのプロセスにバラシて考えてみましょう」
図2をご覧ください。
業務プロセスは、
業務プロセスを模式的に表したものを
先ほど登場した、
村瀬部長:
「これはまた、 内部統制やISOで見られる業務フローチャートの書き方とは少し異なりますね」 S氏:
「おっしゃるとおりです。ここまで細かい情報は、 通常の業務フローでは書かれていません。業務改善で用いる業務フローは、 業務プロセスをこのレベルまで細分化しないと、 」小さなミスや、 人による業務の差異 (属人的なやり方) が見えてきません 赤西さん:
「フローチャートに近くて、 開発の人間はとっつきやすいですね」 W女史:
「そうですね♪ しかし、 間接部門や事務業務を行っている人からすれば、 難しく感じる人もいるんですよ」
“業務改善”に必要な“組織風土改革”
佐藤さん:
「プロセスのイメージや、 どこまで細かく業務プロセスをばらすのか、 イメージはできたのですが、 今、 僕らコアメンバーが直面している課題としては、 内輪だけの改善活動になってしまっていて、 なかなか他部門を巻き込めず、 活動が広がらないことです」 加藤さん:
「リストラの後、 現場の多くは自部門の仕事だけで手一杯だし、 まだ、 経営批判も多く、 不信感も根強く残っているし……」 広瀬さん:
「キックオフ (第7回参照) をしただけで、 ほとんど動けていないのも悲しいわ(>_ 赤西さん:
「佐藤さんがよく言っている当社の “組織体質” や “組織風土” なんですかね?」 佐藤さん:
「自社に誇りも持っていないし、 不満が多いが、 会社や他部門には無関心が多い人ばかり残っちゃったよ。うちの杉本課長なんか、 俺を巻き込むな! って堂々と言うし、 あったま来るよなぁ!」 S氏:
「現場が自発的に改善を進め、 会社を良くしていこうという機運のもとに、 ですからね」業務改善を行らないと、 業務改善の改善効果は発揮されない W女史:
「私たちが業務改善をやってあげるわけではないですからね。メイドさんじゃないですから!」 広瀬さん:
「Wさん…メイドって、 超ウケます♪」 W女史:
「あら、 私としたことが…(笑)。自分たちで自分たちの業務を改善していくこと、 それが結果的に会社の業績を上げていくことなので、 社外の私たちがなんでもやってあげちゃダメなんですよ」 佐藤さん:
「自ら会社を変えていこうという社風を作るってことですね」 S氏:
「業務改善が現場で自然になされていく…このような社風を作ることに他なりません。業務改善の成否は組織風土改革をいかに進めるかにかかっていると言っても過言ではないんですよ (第9回参照)」
「牽制し合う人間関係」から「相談し合う人間関係」へ
佐藤さん:
「好きで入ったこの会社を、 何とか良くしていきたいものだ」 村瀬部長:
「最初の品質対策会議で、 君が部長たちに “誰も本気で考えていない!” と怒って、 出て行ってしまった行動もその表れだろう (第1回)」 S氏:
「業務改善をつうじて仕事のやり方を変えていくということは、 人と人の向き合い方を変えていくことに他ならない んです。困っている人がいれば助ける、一緒に考える…こういう人間関係があるからこそ、 業務改善の効果は発揮され、 業績向上にもつながっていくんですよ」
図3をご覧ください。
本連載にて、
第5回の図2では、
業務改善は、
その一方で、
仕事のやり方・
心の中、
S氏: 佐藤さん: W女史: S氏: 図4をご覧ください。 右側に、 一方で、 業務改善において求められる 「気楽で真面目な対話の場」 イメージを図5に示します。 部門内のコミュニケーションが悪い、 と、 最初は小規模な 2014年2月19日より、 詳細はこちらをご覧ください。 なお、本音を言える
“場”
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