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第234回 マルチトラックシーケンサーQtractorで打ち込みしてみる

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Qtractorはマルチトラックなオーディオ/MIDIシーケンサーソフトウェアです。本連載の第169回第170回第176回で扱ったArdourやRosegardenと同じ目的を持ったソフトウェアですが,機能がシンプルにまとめられているのが特徴です。

今回は,このQtractorに関するレシピです。

インストールと起動

QtractorをインストールするにはUbuntuソフトウェアセンターを使い,キーワード「qtractor」で検索してください。

図1 ソフトウェアセンターでの検索結果

図1 ソフトウェアセンターでの検索結果

Qtractorは音声の入出力のために,UbuntuデフォルトのPulseAudioサウンドサーバーではなく,JACKサウンドサーバーを用います。そのため,あらかじめJACKサウンドサーバーを起動しておく必要があります。本連載の第161回で扱ったqjackctlや第202回で扱ったgladishを使うとよいでしょう。

なお,JACKサウンドサーバーが起動していなくてもqtractorは自動でJACKサウンドサーバーを起動します。しかしこの場合,音声入出力先やサウンドサーバーのパラメーターを自分で指定できないことに留意してください。

トラックの配置,クリップの追加

Qtractorを起動しましょう。以下のメインウィンドウが表示されます。

図2 メインウィンドウ

図2 メインウィンドウ

Qtractor上での作業の大半はトラックを作ることです。トラックとは音声データやMIDI信号をまとめる単位です。Qtractorはマルチトラックなシーケンサーなので,トラックを複数追加できます。トラックを追加するには「Track」メニューから「Add Track」を選択してください。トラックウィンドウが開きます。

図3 トラックウィンドウ

図3 トラックウィンドウ

Audioトラック,MIDIトラックの2種類から選択できます。OKをクリックすると,メインウィンドウに追加されます。

トラックを配置して次にすることは,クリップの追加です。クリップとはトラックの内容です。Audioトラックに対しては既存のファイルを,MIDIトラックに対してはMIDIのパターンを追加することになります。クリップを追加するには「Clip」メニューから「New」を選択します。

初めてクリップを追加する場合はセッションの設定を求められます。セッションとはQtractorで作成するトラックの集合とそのミックス設定の単位です。プロジェクトと言い換えてしまったほうがわかりやすいかもしれません。

図4 セッションウィンドウ

図4 セッションウィンドウ

セッションの名前とトラックファイルの保存ディレクトリを設定するほか,⁠Properties」タブではテンポや拍子,MIDIのtickといった基本設定も行います。セッションの設定は「File」メニューの「Properties」でも同様に行うことができます。

トラックに音声ファイルやMIDIパターンを追加すると,それがメインウィンドウ右のファイルリストに追加されます。Qtractorではクリップをすべてファイルとして管理しており,ファイルはすべてセッションの設定で指定したディレクトリで管理されます。

メインウィンドウ中央のクリップをダブルクリックすると,オーディオトラックのクリップであれば音声ファイルのどの範囲を使うかというウィンドウが,MIDIクリップであればピアノロールウィンドウが表示されます。

図5 ピアノロールウィンドウ

図5 ピアノロールウィンドウ

ピアノロールウィンドウにパターンを入力すると,再生時にそれがMIDI信号として出力されます。

バスの管理

ここまでの作業で音声データとMIDIパターンを追加しました。再生時はこれらのデータが出力されますが,その出力先を設定する必要があります。設定するには「View」メニューの「Buses」を選択します。バスウィドウが開きます。

図6 バスウィンドウ

図6 バスウィンドウ

それぞれのトラックはこのいずれかのバスと入出力を行います。トラックの現在の入出力バスを見るには,メインウィンドウの左のトラックコントロールをダブルクリックしてトラックウィンドウを開き,Input/Outputから指定してください。

Qtractorの設けたバスとJACKサウンドサーバーの管理する入出力の間の接続も確認しておくとよいでしょう。メニュー「View」⁠項目「Windows」⁠項目「Connections」で開くコネクションウィンドウを開くか,qjackctlやgladishで確認してください。

図7 コネクションウィンドウ

図7 コネクションウィンドウ

著者プロフィール

坂本貴史(さかもとたかし)

Ubuntuのマルチメディア編集環境であるUbuntu Studioのユーザ。主にUbuntu日本コミュニティとUbuntu Studioコミュニティで活動。いつかユーザ同士で合作するのが夢。

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