急成長を導くマネージャーの型 ~地位・権力が通用しない時代の⁠イーブン⁠なマネジメント

「急成長を導くマネージャーの型」のカバー画像
著者
長村禎庸ながむらよしのぶ 著
定価
2,508円(本体2,280円+税10%)
発売日
2021.11.13 2021.11.10
判型
A5
頁数
344ページ
ISBN
978-4-297-12385-7 978-4-297-12386-4

概要

マネジメントは経験でもセンスでもない、フレームワークを実行するのみ

数字の話ばかりで、仲間も自分も疲弊させてしまう。
メンバーを犠牲にして残した成果は、持続性のない、偽物ではないか?

数々の失敗から学び、小さなベンチャー企業を上場まで導いたプロフェッショナルマネージャーのノウハウを一挙公開。

こんな方にオススメ

  • 急成長を指向する組織(ベンチャー/スタートアップ、新規事業)のマネージャー/経営者

目次

はじめに

  • イノベーターが生んだサービスを、マネジメントの力で急成長させる
  • ネットワーク型組織で求められるのは“イーブン”な関係のマネジメント
  • 個の時代を生き抜くための最強の技術をあなたに

序章 マネジメントは経験でもセンスでもない、「型」を身につけ実行するのみ

  • マネージャーに憧れ、リクルートからDeNAへ
  • 弱肉強食のベンチャー企業でわかったこと
  • マネジメントは「専門職」だ
  • マネジメントの力で実現したベンチャー企業の再生
  • マネジメントは経験でもセンスでもない
  • 大事なのは「マネジメントの地図」と「それを使いこなす力」

1章 マネージャーの役割を認識する

マネージャーの4つの役割

  • ①「経営」からオーダーされた成果を残す
  • ②人的資産を維持・活用する
  • ③人を育てる
  • ④会社の中でチームを機能させる
  • 4つの役割は並列で重要

組織のステージごとにマネージャーの役割は変わる

  • ステージごとに異なる比重
  • どんな状況でも活躍できるマネージャーの条件
  • ベンチャーではすべて「自分起点」で決めていく

2章 正確で素早い現状把握でロケットスタート

変化の激しい環境では現状把握力が求められる

  • 現状把握力の向上はプロベンチャー経営者への道
  • 森を見てから、木を見に行く

現状把握の具体的手法

  • 一次情報を押さえる
  • 役割と目標を言語化し、すり合わせる
  • 貢献モデルを把握する
  • 上司のスタイルを把握する
  • メンバーを把握する
  • 初回面談時の注意点

3章 チームの役割、目標、意義を設定する

チームの役割とその先にある意義を「自分で」決める

  • 「会社の目標・課題」x「チームの現状」でチームの役割を決める
  • 役割認識を変えればチームの成果は劇的に変わる

役割に基づき野心的な目標を掲げる

  • 目標は予測ではない
  • 目標設定のための分析・検討に時間をかけすぎない
  • 「手が届くギリギリのライン」の目標がチームに創意工夫を生む
  • 能力の伸長を評価する

無機質な目標に意義をつける

  • 人の人生は数字を追いかけるためにあるのではない
  • 3つの軸で意義を創出する
  • マネージャーは「意義の営業トーク」を持っておく

4章 チームの戦略3点セット[方針・KPI・重要アクション]

人もお金も少ないベンチャーで立てるべき戦略とは

  • 方針という魔法のツール
  • 方針は「工数小×インパクト大」で策定
  • 方針はほどよい抽象度で設定
  • チームの状況に合わせて方針策定する

方針に実現度を測る計器をつける

  • KPIとは「方針の実現度を測る計器」
  • 方針なきKPIに意味はない
  • KPIは人の行動を支配する魔力を持つので慎重に設計する

KPIを達成するための重要なアクションだけを実行する

  • KPIを達成するためのアクションアイデアを出す
  • アクションは大事なものにフォーカスする

方針・KPI・重要アクションはフレキシブルに変更する

  • 定期的に進捗確認する
  • 「違うな」と思った時点ですぐに変える
  • 変化に耐えられるチームを作る

5章 強いチームをつくる

体制パターン

  • 文鎮型、構造型、プロジェクト型
  • チームの状況に合わせた組織形態をとる

アサインメント

  • メンバーのタイプによるアサイン
  • Will/Canによる4つのアサイン
  • Willへの向き合い方
  • 会社はWillを叶えるための場所ではない
  • アサインの一元管理とその運用

権限設計

  • だれが何を決めるかを決めることで、チームのスピードは劇的に上がる
  • 権限設計表は1時間で作る

リクルーティング

  • 採用はマネージャーの責任
  • 人財要件設定の落とし穴
  • ベンチャーのリクルーティングの最重要事項は「アトラクト」
  • 人が入社する3つの理由

相互理解とルールでチームを強くする

  • 相互理解はチームに何をもたらすのか
  • 認知の相互理解と仲間の相互理解
  • 仲間としての相互理解度を高めるには
  • 能力に関係なく守れることが「ルール」
  • ルールは信頼の媒介
  • 組織の急拡大時は、相互理解とルールの強化で乗り切る

6章 戦略と組織を動かす「推進システム」を作る

チームを推進する5つの仕組み

  • チームは「自分のお城」ではなく「会社という生態系の一部」
  • ①進捗の可視化
  • ②情報共有
  • ③報告
  • ④議論
  • ⑤意思決定

ミーティングマネジメント

  • ミーティングの設計で必要な6つのこと
  • 推進システムの設計を怠ると

7章 初期の成果とモメンタムをつくりだす

初期の成果を早めにあげる

  • 「任せれば大きな成果を出せるんだ」と事実をもって説明する
  • 初期の成果は「狙って」あげる

モメンタムを生む

  • 野心的な目標を達成するには「モメンタム」が必要
  • 「モメンタム」の正体とは
  • 方針・KPI・重要アクションの進捗を伝える3つの方法
  • 成果を勢いに変える方法

8章 改善で継続的に成果を出し続ける

答えのないベンチャーでは、変化し続けるチームが勝つ

  • 「このまま同じことを続けて、望む成果は得られそうか?」を問う
  • 振り返りをおこない、マネジメントシステムに反映させる

良い答えを生むための方法

  • トップダウンとボトムアップ
  • トップダウンを放棄したから生まれた成果
  • 継続的に成果を出し続けるために必要なこと

9章 個人目標設定で成長のきっかけを与え、評価で努力に報いる

個人目標設定と評価こそがメンバーのエネルギーの源泉

  • タフな業務だからこそ、評価は最重要
  • 個人目標を設定するから、人は自分ごととしてがんばる

評価活動のプロセス

  • 評価は「納得解」
  • 目標を決める
  • 業務支援と1on1を通じてメンバーを支援する
  • 目標は「チャレンジゾーン」で
  • 中間振り返りをおこない、残りの期間で目標達成できるように支援する
  • 達成度の認識についてすり合わせる

コメントは「事実に基づいて」おこなう

  • 3つの評価軸と事実の記録
  • 正しく上申する
  • 評価をフィードバックする
  • 評価はメンバーの最大の関心事

10章 ピープルマネジメントでメンバーを動かす

人は感情の生き物

  • 「正しいこと」より「共感できること」
  • 信用される3つの方法

見る

  • マネージャーは、メンバーにとって最高の観客であれ
  • 見るとはどういうことか

指示する

  • イーブンな関係における指示のあり方
  • 指示の深度を変える

関与する

  • 直接関与と間接関与
  • 業務の4象限と関与方法
  • 人ごと、仕事ごとに、関与方法を決める

11章 3つのコミュニケーション技術を使いこなす

コミュニケーションの3つの技術

  • ティーチング、コーチング、フィードバック
  • 大事なのは「使い分け」

ティーチング

  • ティーチングの6つの方法
  • ティーチングでつまづくポイント

コーチング

  • コーチングは「あり方」9割
  • コーチング4つの技術
  • ティーチングとコーチングの違い
  • クイズと壁打ち
  • コーチングでつまづくポイント

フィードバック

  • フィードバックは「誠実」ゾーンで
  • 炎上→内省のプロセスを経て立て直す
  • フィードバックの際に気をつけるべき点
  • フィードバックでつまづくポイント

12章 マネージャーの立ち位置と心得

立ち位置

  • マネージャーは経営陣の一員である
  • マネージャーは決める人である
  • マネージャーは地位ではなく役割である
  • マネージャーとメンバーは友達ではない

心得

  • 多くの考えを受け入れる
  • 静かな熱狂
  • 自分が一番じゃない
  • 自分の考えで、自分の言葉で
  • 重要なことにフォーカスする
  • メンバーは道具ではない
  • 会社・上司を批判するあなたはだれだ?
  • 「かんたんに理解なんてできない」という謙虚さ

慢性的に退職が起こり続ける理由

  • 構造欠陥
  • マネージャーのあり方・人間性欠陥

終章 マネージャーにとって一番大事なこと

  • 「成果を出さなければ」と思っていること自体がバカバカしい?
  • 辛いお昼休み
  • 社会人になっても一番大事なのは「存在感」
  • 「成果を出さなければ自分は終わるんだ」成果にこだわるものの、マネージャーを外される
  • さらなる存在感を求めて転職したものの、「自分は何をしてるんだろうか」
  • 「良い」マネージャーって何だろうか
  • 「成果を残さなければと思っていること自体がバカバカしい」という言葉の自分なりの解釈

おわりに

プロフィール

長村禎庸ながむらよしのぶ

株式会社EVeM代表取締役。
2006年 大阪大学卒、株式会社リクルート入社。
2009年 株式会社ディー・エヌ・エーに入社。広告事業部長、㈱AMoAd取締役、採用マネージャー、経営企画マネージャー、PMIプロジェクトリーダー、㈱ぺロリ 社長室長 兼 人事部長など、さまざまなチームのマネージャーを担当。
2017年 株式会社ハウテレビジョンに入社。取締役COOとして、管理部門以外のすべての部門を統括。停滞する業績を急成長をさせ、2019年同社を東証マザーズ上場に導く。
2020年8月、ベンチャーマネージャーを育成する株式会社EVeMを設立。創業1年にしてベンチャー中心に100社以上の経営者・マネージャーにオンライン完結型のマネジメントトレーニングを実施。
情報経営イノベーション専門職大学客員教授も務める。

ホームページ:https://www.evem-management.com/
Twitter:@meiku_shiba
note:https://note.com/nagam
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCaVpCkDr9ssqxnUIkHq_Egw